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2月 17日(木) 小渕総理、中曽根大臣との交信

小渕首相、中曽根大臣との交信
 米国中部標準時間2月17日午前6時22分(日本時間2月17日午後9時22分)から午前6時39分(同午後9時39分)まで、スペースシャトルの毛利宇宙飛行士と小渕総理大臣、中曽根大臣と交信が行われました。交信内容の全文を以下に紹介します。 ビデオライブラリNo.14 (Real Video [17分42秒])

小渕総理大臣:こちらは総理大臣です。良く聞こえます。

毛利宇宙飛行士:
こちらエンデバーです。毛利でございます。

中曽根大臣:
中曽根です。よろしくお願いします。

毛利宇宙飛行士:
はい。良く聞こえます。

中曽根大臣:
そうですか。まずは打ち上げ成功大変おめでとうございます。何回か打ち上げが延期されて心身ともに大変だったと思います。でも、お元気に宇宙で活躍されている様子をテレビで拝見しまして大変うれしく思います。今回の主要な仕事であります地球の立体地図を作る仕事も順調に進んでいるようで私たちもほっとしていますけど、いかがでしょうか。

毛利宇宙飛行士:
はい、ありがとうございます、大臣。現在非常に順調に進んでおります。ところで、私の左隣りにおりますパイロットのゴーリィ さん、このミッションは非常にスペースシャトルの位置が大事なのですが、よく訓練されたパイロットさんでして、すごい精度良く軌道をうまく回っています。紹介します。

毛利宇宙飛行士と
ゴーリィ操縦士

ゴーリィ操縦士:こんにちは。中曽根さん。

毛利宇宙飛行士:
今、そうですね、アフリカの上をちょうど回っているところなのですが、太陽が今沈もうとしているところです。北ロシアの方まで見えます。今、私たちは地球の周りを回っているわけですけれども、地球環境の様子がよく見えます。特にアラル海がですね、今回驚いたのですが、前回8年前と比べると随分小さくなってました。地球観測のミッションですと、多くは日本の場合、人工衛星を使った観測をしているのですけども、こうやってスペースシャトルを使って実際人間がいなければできないようなこの大きなマストを使うような実験ですね、これは非常に人間のいるということが大事で、ステーション、宇宙ステーションは、これから地球観測の方も人工衛星と同様に地球観測にとって大事になると思いますね。

 ところで大臣、実はですね、地球観測以外にも私たち実験をしておりまして、レーダーの実験というのはいつもデータを取りますので忙しいですけども、今でも、この二人がいる間、赤チームと青チームで働いていますけど、三人一組チームになっています。そのときにもう一人のジャニス・ボスさん、この方はこの責任者なのですけども、実験の責任者なのですけども、今でも働いているのですね。いつも私たちは働いていますから、のどが渇いたなとか冷たいものが欲しいなとか思うのですけども、実はスペースシャトルの中ではアイスクリームは食べられないのです。

 ところがですね、今、私が実験をやっていることがあるのですが、宇宙の真空を利用するとアイスクリームが食べられるのですね。これはチル缶といって冷却できるメタル缶なのですけども、これに宇宙の真空につけてさらすのですね。パイプをここに付けまして宇宙の真空にさらします。そうすると水を蒸発させるときに奪うエネルギー・蒸発熱を取りますから、これが冷えていくのですね。そして今、私の好きなゼリーですね、ゼリーを固めて食べています。こういう実験も私はしております。

(注)チル缶:熱交換機(冷却管)。今回のスペースシャトルで開発試験ミッシ ョンの一つとして実施される「熱交換機の評価試験」(DTO 686)で使用する商用のポータブル熱交換機。水を低い圧力で蒸発させることにより冷却能力を得る。この熱交換機は非常に小型で、ジュースの缶ぐらいの大きさ(長さ 12.7cm,直径4.4cm)である。

中曽根大臣:
ありがとうございました。子どもたちはですね、みんな宇宙に夢を求めていますし、それから毛利さんと同世代のお父さん方や国民の皆様も、大変今回の毛利さんに期待をしてます。毛利さんがそちらから御覧になった地球、惑星地球のすばらしさなどについてお話していただけると有り難いのですけども。

毛利宇宙飛行士:
はい。前回8年前に飛んだときには9月でしたから、秋だったんですね。北半球は秋でした。今回は2月になりましたから真冬です。季節が、南半球が夏で北半球は冬。随分感じが違いますね。でも、先ほど申しましたように、いくつか環境の変化が見えます。アラル海のようにちっちゃくなったところ。それから、あまりはっきりは分かりませんけれども、東シナ海が依然他の海洋と比べると随分茶色っぽく汚れているような気がいたしま した。

 その他、ロシアの方はすべて雪に見えますから、まあ、特に北海道の方も流氷などが見えました。環境的には冬と前の秋とは随分違いますので一概には言えませんけれども、緑はまだまだたくさんあって私は非常に非常にうれしく思いました。

中曽根大臣:
そうですか。今回の宇宙で感じたことやそれからスペースシャ トルでもたくさん写真をお撮りだと思いますので、お帰りになったら、是非日本の子どもたちや国民の皆さんへいろいろお話をしてください。引き続いて頑張っていただきたいと思います。小渕総理がお待ちですから小渕総理に交代をいたします。

小渕総理大臣:
小渕恵三です。毛利さんのこの度の成功、打ち上げ成功と、いろいろな実験を、進められていること、地上でもよく見ておりまして、大変うれしく思っております。今、地球の中のアラル海のお話もされましたけれども、スペースシャトルレーダを駆使して、地球観測が行われるなど、御活躍を心からうれしく存じております。

毛利宇宙飛行士:
はい。今回の仕事に対して本当に多くの方の支援を受けまし た。日本の方々、それからアメリカNASAの方々、それから私たちクルーみんな力を合わせて世界中のマップ、地図を、立体地図を作ろうということで頑張っています。もう現在、そうですね、半分以上終わったんですけれども、面積にしますと、全部のアジア大陸とそれからアフリカ大陸、そして南アメリカ大陸を合わせたぐらいの大きさの地図がもうできてるんですね。そういうことで私たちの10日間のミッションのうちに世界の陸地の約70%以上を作ろうとしています。

渕総理大臣:
ところで今度の毛利さんのキャッチフレーズは、「地球まほろば」ということですが、これは古事記にも出てくる「美しいよいと ころ」ということですけれども、これをキャッチフレーズにお決めになった毛利さんの、どういう理由だったのかということを、ひとつお教えいただければ有り難いと思うのですが。

毛利宇宙飛行士:はい。分かりました。その前にちょっと総理にもパイロットのゴーリーさんを御紹介したいと思います。

ゴーリィ操縦士:
こんにちは、小渕総理。

毛利宇宙飛行士:
ところで、「まほろば」の話なんですけれども、御存じのようにまほろばという言葉は、やまとことばといいますか、古事記に出てくる非常に古い由緒のある言葉ですね。私は非常にこの言葉が好きです。と申しますのは、今、宇宙を飛んでいます。外を見ますと今、夜なんですね。真っ暗です。星が瞬かずに輝いていますけれども、しかし真っ暗で何でも吸い込まれそうな感じでしかも外は 実は温度が非常に低いんですね。マイナス150度。そういう冷たい温度なんです。で、何も安心できるものが宇宙には無い。ところが、一方、ちょっと地球の方を見ますとですね、今は、夜ですからそんなによく見えませんけれども、太陽が照り輝いているときには、太陽が真っ白で、あまり地球で見るような、なんとなく心を和ませるような太陽じゃないんですね。

 ところが、それに、その光に反射された地球が大きく、青々と、白い雲、それからたまに珊瑚礁とか、森林とか砂漠とかがよく見えるんですね。それを見るとすごく宇宙に来て、やはりこの私達にとって生命が生存できるところは地球しかないということが分かるんですよね。特に、スペースシャトルから高さがわずか200kmと今回は近いんですけど、それでも空気の層が非常に薄いんですね。よく言われるように、空気の層はわずかこのリンゴの大きさにたとえると、リンゴの皮ぐらいにしかならない。それくらいの薄さなんですね。
 ということで、私がまほろばという言葉を、非常に大事に思うのは、やはりこういう宇宙に出たときに、地球だけが最後のまほろばであって、21世紀にますますたくさんの人が外に出るんでしょうけれども、宇宙に出るんでしょうけれども、やはりまほろばである地球はいつも、私たちの空気、水、それから森林含めてきれいに残しておきたいなという気持ちから出ました。

小渕総理大臣:
良く分かりました。毛利さんに私からもメッセージを送りたいと思います。本当に毛利さんはじめクルーの皆さん御苦労様でございます。今、まほろばのこと良く分かりました。
 そこでですね、実は、ここにあって御覧になれないと思うけれども、伊能忠敬(延享2(1745)年〜文政元(1818)年)という、毛利さんも御存じだと思いますが、日本の地図を作った方がそのときに使った、量程車(りょうていしゃ=車輪の回転数で距離を測る道具。)というものがここにあります。それで、測ったわけですが、私は今、毛利さんは世界の地図をシャトルから作る努力をしているので、現代の伊能忠敬だと思っておりますので、一つ大いに頑張っていただきたいと思っております。
 それから毛利さんは米国で日本のジョン・グレン(John H. Glenn Jr.1921年生まれの米国の宇宙飛行士、1974年から1999年まで同国連邦上院議員)だと言われたということですが、お年はまだまだお若いのでありますけれども、ただ50歳を過ぎてですね、そうした現役で大活躍されているということで、私は今、日本の国民の皆さんもサードエイジという言葉があるのですけど、50歳を過ぎても元気で頑張っていくということの象徴的なことで頑張っていただいていると思いますので、是非その代表としてですね、御活躍を心からお祈りしております。

毛利宇宙飛行士:
ありがとうございます。私は宇宙飛行士として、50歳からNASAに入ったわけですけども、そうですね、あの伊能忠敬さんも地図をお作りになったのは50歳からスタートしたということで、非常に私にとって励みになっております。どうもありがとうございます。
 ところで、年と申しますとですね、実はもっともっとお年寄りの方がですね、私に詩を贈ってくださいました。すばらしい詩なんですけれどもなぜかと申しますと、ま、宇宙というとどうしても科学者、技術者の方々ばかりを考えるんですけれども、この90歳になるまどみちおさんていう国際アンデルセン賞をもらったすばらしい、詩人なんですけれども、科学者でも、技術者でもないのにあたかも宇宙の重力を知っているような詩を書いてるんですね。ちょっと読ませていただきます。タイトルは「頭と足」というんですが、

「生きものが 立っているとき
その頭はきっと
宇宙の果てをゆびさしています
なんおくまんの 生きものが
なんおくまんの 所に
立っていたと しても・・・

針山に さされた
まち針たちの つまみのように
めいめいに はなればなれに
宇宙のはての ぼうぼうを・・・

けれども そのときにも
足だけは
みんな 地球の おなじ中心を
ゆびさしています
おかあさん・・・
と 声かぎり よんで

まるで
とりかえしの つかない所へ
とんで行こうとする 頭を
ひきとめて もらいたいかのように」

 こういう詩なんですけど、重力の本質を突いている以外にも、私たち人間の心、それを、科学それから文学ですね、そういうものが合わさった、新しいこれが21世紀の科学を示唆しているような気がいたします。

小渕総理大臣:大変すばらしい詩の御紹介をいただきましてありがとうございました。私もですね、実はこの度の施政方針演説で、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」というのを引いたんです。
 おそらく、そちらから見たら銀河はもっと大きく見えるんだろうと思いますけれども、是非そういう意味で毛利さんが、御苦労・御活躍し、次の時代を担う世代の糧となられることを確信いたしております。また、21世紀の核となる取組として、ミレニアム・プロジェクトを進めておりますが、その中で、21世紀の科学技術の夢と希望について、国民の皆さんから幅広く募集をいたしました。これまで、7316通もの応募が来ましたが、毛利さんにもこの審査委員になっていただいておりますのでよろしくお願いいたします。

毛利宇宙飛行士:はい、分かりました。ありがとうございます。それでは、記念にですね、私たちも何か幾つか記念品をこのスペースシャトルの中に運んでですね、宇宙を回ってますので、すばらしい作品を応募され、入賞された方には、それを是非差し上げたいと思います。
 ところで、総理が推奨されているミレニアム・プロジェクトを、私もインターネットで見せていただきました。その中の司馬遼太郎さんの21世紀に贈る子供たちへの文が私はとても気に入っていました。私もそういう意味で、宇宙少年団というもののですね。団長をしているわけですけど、他の宇宙飛行士も加わってますけれども日本人の若い人たちにも、できるだけ科学とそれからいろんなことを夢を与えてあげたいと思います。
 ところで総理、科学といいますと、私は前は実験をしたのですけど今回も実はですね、前回リンゴで重力を示しましたが、今回もちょっと世界で初めての実験をしたいと思います。リンゴの皮が宇宙でむくとどのようになるか、というのを、御紹介したいと思います。これはいまだ、私もしてませんので、初めての世界の実験ですから、どうなるか分かりません。

宇宙初のリンゴの皮むき

 といいますのは、ともすると私たち理科の実験というと、すべて教科書に書いてあるようなものだけを(注)イメージするんですが、本当に実験の面白さというのはだれも知ってなくて初めてやることだと思うんですね。そういう意味で、世界で初めてのリンゴの皮がどうなるのか。先ほど、地球の空気の厚さがリンゴの皮くらいと言いましたけど、リンゴの皮がですねこのようになるんです。

(注)映像回線用のNASAの中継衛星とスペースシャトルのアンテナとを結ぶ電波リンク内にスペースシャトル自体の機体が入る位置関係となってしまったため映像回線が切断され、この部分以降はスペースシャトル内の映像が入らず音声のみの交信となった。

 それから、宇宙に出ますと御覧になったかと思いますけど、このようになります。宇宙に出ますと先ほど、中曽根大臣にも御紹介しましたが、真空なんですね。真空といいますと、私たちは目が本当に良くなったかのように、マストの先端には60m先にはアンテナがあるのですけど、すごくきれいに見えるのですね。空気が無いとすべての物がきれいに見えるということが、私は元々、真空とか表面の専門なんですけど、改めて「真空」の威力というものが分かりました。それで皆さん、特に総理、中曽根大臣、宇宙の真空をできるだけ思いだしていただいて、21世紀の日本の社会が、透明ですばらしい精神的に豊かな日本になるように、世界的に貢献できるような日本になるように、是非御指導願いたいと思っております。

最終更新日:2000年 2月 25日

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