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STS-91ミッション概要


 STS-91は、米国航空宇宙局(NASA)のスペースシャトルミッションです。このSTS-91で宇宙開発事業団(NASDA)は国際宇宙ステーション計画の組立て及び運用のリスク低減を目的に米露が実施しているスペースシャトルとミールがドッキングして飛行する機会を利用し、宇宙放射線環境計測技術の開発及び宇宙放射線の被曝管理に関するデータの蓄積を目的とした宇宙放射線環境計測計画を実施します。
 今回の実験は平成8年9月から計画された4回の実験の最終回で、これまでにSTS-798489で実験を実施しました。
 STS-91はこの他にも、ペイロードベイ(貨物室)に積み込まれたスペースハブやゲッタウェイスペシャルを使用しての様々な実験を行います。
 また、今回の打上げでは、スペースシャトルのメインエンジンに燃料を供給する外部燃料タンクに最新の外部燃料タンク(超軽量タンク)が使用される予定です。この外部燃料タンクは、従来の外部燃料タンクよりも約3.4トンも軽く作られており、その分シャトルのペイロードベイ(貨物室)に重いものを搭載することが可能です。


打上げ計画

STSミッション番号 STS-91
軌道船名称
(オービタ名称)
ディスカバリ号(ディスカバリ号24回目の飛行)
打上げ日時 1998年6月2日 6:10 pm(米国東部夏時間)、6月3日 7:10 am(日本時間)
射場 フロリダ州NASAケネディ宇宙センター 射点39A.
フライト期間 9日 19時間 53分
搭乗員 7名(うち1名はミール復路)
軌道高度 約320Km (約173 nautical miles)
軌道傾斜角 51.6度
着陸日時 6月12日 2:03 pm(米国東部夏時間)、1998年6月13日 3:03 am(日本時間)
帰還場所 フロリダ州NASAケネディ宇宙センター
スペースシャトル打上げ見学場所の説明ページ


STS-91における我が国の搭載実験の目的

 今回の飛行では宇宙放射線計測の一環として実時間放射線計測実験装置(RRMD)を搭載し、高LET(線エネルギー付与)、低LET双方の領域の計測を初めて同時に行います。RRMDからのデータは過去3回のときと同様リアルタイムで日本国内に伝送され、実験的な宇宙放射線環境の予測システムの研究に使用されます。

 また、放射線に対して人体と同様に見なせる物質で作った人体モデル(人体ファントム)を用いて計測を行います。この人体モデルの内部の数カ所には放射線を計測するドシメータ(線量計)が埋め込まれており、その部分に到達して吸収される放射線が計測されます。この計測データとRRMDによる船内(人体外)の計測データを比べることによって、船内の計測データから人体内の線量を予測することができるようになります。

 さらに、損傷したDNAの修復に微小重力が及ぼす影響についての実験も実施します。


Last Updated : 1998. 5.25


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