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生命科学研究の意義およびNASDAミッションの目的


STS-107ミッションでNASDA(現JAXA)は、主にタンパク質の立体構造およびその機能を調べる「タンパク質結晶成長実験」と、宇宙環境が生物におよぼす影響を解明するための「ラットを用いた実験」を行いました。

また高校生による国内初の宇宙実験をあわせて実施し、21世紀を担う青少年の理科教育への貢献を目指します。


生命科学研究の意義
タンパク質の構造
東京大学・豊島近教授提供
創薬の研究に役立ちます

タンパク質は水に次いで、人体を構成する物質です。皮膚や髪、血液、爪、筋肉、内臓だけでなく、ホルモンや酵素もタンパク質で作られています。

タンパク質は、私たち人類、そしてほとんど全ての生物の中に存在し、生命活動そのものであるともいえます。

それぞれのタンパク質の機能は、その形や構造で決まるため、それらを解明することは、人体の仕組みを明らかにしたり、さまざまな病気に対する的確な治療薬を開発する、といった成果につながります。そのため、世界的な競争下において先進各国、各企業において戦略的に取り組まれている研究分野となっています。ですから、“ポストゲノム”として、タンパク質の構造解明に向けた研究が急速に加速されているのです。

タンパク質の機能を解明するには、機能と密接に関係するタンパク質の3次元構造を正確に知る必要があります。タンパク質の構造のうち最も重要な部分の構造を解明するためには、原子の位置を非常に正確に特定しなければなりません。そのため、タンパク質が整然と並んだ高品質な結晶を作ることが必要となるのです。そして、この高品質なタンパク質結晶を作る上で非常に有効なのが、重力のない宇宙環境であると考えられているのです。

重力が無くなることで、温度差や濃度差による溶液の対流が無くなり、流れによる乱雑な分子の取り込みが減ると考えられています。タンパク質は重力のない静かな環境でゆっくりとした移動で結晶に取り込まれ、より規則正しい結晶を形成することができます。また、流れが無くなることにより結晶同士の衝突や、容器への付着も減り、高品質な結晶を作ることができます。

今後、さらなるタンパク質の構造解明を進めていくために、“研究の場”としての宇宙環境はとても重要なのです。

常に地球上に存在し、全ての生物がその影響下に置かれている重力。重力が生命現象に対する本質的な役割について理解することは、地球上の動植物や人間がどのように分化・発生したか、どのような進化を遂げてきたか、という基本的な生理メカニズムを理解することに大いに貢献します。また、重力のない環境で生命がどのように反応するのか、適応するのかなどを調べることにより、地球上の環境に隠されていた現象が発見・解明されるなど、生命の基本的な仕組みに対する理解を深めることができるのです。

現在までの研究によって、宇宙での長期滞在により、いくつかの生物的、医学的な問題が起きることが解ってきました。

例えば、骨量減少や筋萎縮、免疫系の変化、赤血球の減少、心筋の虚弱化、そして長期間の閉鎖環境に起因した心理的な問題などがその例です。

生命科学分野の展望と宇宙環境利用の関わり
生命科学分野の展望と宇宙環境利用の関わり
(平成13年度 第13回総合科学技術会議 資料に基づき作成)

このような、生体のさまざまな生命現象に重力がいかに影響しているかについての研究成果は、将来的な宇宙滞在のための知見の蓄積に役立つのみならず、現在地球上で問題となっている、骨粗鬆症や平衡感覚機能障害などの医学的病態を解明する上でも大いに役立つことが期待されているのです。宇宙で起こるさまざまな人体の変化は、地上の各種疾病と類似のものが多く、宇宙での医学研究の成果は地上の医療にも反映されていきます。

このように、宇宙で行われる生命科学研究は生命の基礎的な現象を解明するものであり、そこで得られた知見は地上のさまざまな活動に反映、応用され、私たちの生活の質を飛躍的に向上させることにつながっていくのです。


NASDAミッションの目的

STS-107ミッションでNASDA(現JAXA)が取りまとめを行なう生命科学実験は、地上での生命科学研究の発展に寄与し、将来的に私たちの生活に貢献することを目指して行われます。宇宙での遺伝子からタンパク質、細胞、組織、個体といった一連の生命現象における新たな発見が期待されているからです。

タンパク質結晶成長実験では、創薬への応用を目指したタンパク質の高品質結晶成長実験や、重力のない環境が結晶の質や成長のメカニズムに与える影響を調べます。このミッションでの実験を通じた宇宙環境利用によって、近年急速に発展しているポストゲノム関連研究に貢献することを目指します。

またラットを用いた宇宙実験では、限りある研究資源を有効活用する初めての試みである標本分配型(サンプルシェア)による宇宙実験が行なわれ、今後の宇宙実験のあり方の先駆的な枠組みを効果的に利用しています。

そして、そういった最先端の科学研究と同時に、“宇宙実験教育プログラム”として、高校生が研究者と同じ宇宙の実験装置を利用した、本格的な教育プログラムを行います。これは、タンパク質結晶成長実験を通して、タンパク質の機能や役割について理解を深め、21世紀を担う人材の揺籃期に貴重な機会を提供するものです。

副ミッションサイエンティストとして参加する向井宇宙飛行士

さらにこのSTS-107ミッションでは、日本として特筆すべきことがあります。

それはNASAからの要請により、向井千秋宇宙飛行士をNASAジョンソン宇宙センター(JSC)での宇宙実験実施とりまとめ責任者のひとり(副ミッションサイエンティスト)として派遣していることです。向井宇宙飛行士は今までに、STS-65および95ミッションに搭乗科学技術者として宇宙飛行を行なっており、生命科学、宇宙医学ならびに工学系の数々の実験を実施しました。

向井宇宙飛行士は、生命・微小重力科学ミッションについて、ミッションの要求条件の把握と管理、優先順位の評価、各実験の優先順位づけ、緊急時のガイドライン作成などの任務を負い、ミッション期間中の16日間は、24時間体制で連日約12時間にわたり、JSCの管制室において宇宙実験に関わる全体管理および指揮を行います。これらの業務はミッションの成否を握る極めて重要なものであり、向井宇宙飛行士に対するNASAの評価の高さと、参加する科学者からの信頼の厚さを物語っています。

そして向井宇宙飛行士の今回の経験は、日本が国際宇宙ステーションに提供する「きぼう」日本実験棟における宇宙実験の実施に向けて、「きぼう」で行う科学実験の取りまとめを日本独自で実施するための礎を築く貴重な財産となります。

このSTS-107ミッションは、日本にとって、「きぼう」を利用して行なわれる研究に向けた大きな一里塚なのです。

 

最終更新日:2003年10月1日

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