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宇宙医学

宇宙飛行士を被験者とする実験の選定および倫理審査

最終更新日:2011年8月4日

宇宙飛行士を被験者とする実験の選定

国際宇宙ステーションで行う宇宙飛行士を被験者とする科学実験は、「ライフサイエンス国際公募」という制度により募集・選定されています。この制度は、国際宇宙ステーション計画に参加する宇宙機関の代表者によって構成される国際宇宙ライフサイエンスワーキンググループ(ISLSWG: Interanational Space Life Sciences Working Group)によって運営されています。国際宇宙ステーション上で利用可能な宇宙飛行士を被験者とする実験装置は、ISLSWG が作成するSpace Life Sciences Flight Experiments Information Package (FEIP)に掲載されています。

宇宙飛行士を被験者とする実験はライフサイエンス国際公募以外にも、JAXAの重点課題解決を目的とした実験や、医療機器・実験機器の検証等のために行われます。宇宙飛行士はISS滞在期間中に複数の実験に参加することになるので、ある実験が別の実験に悪い影響を与えないか等の事前調整が宇宙機関の担当者同士で行われます。


栄養学の実験に関する採尿サンプルキットを冷凍冷蔵庫(MELFI)に保管するためにそろえているISS長期滞在クルー(左)、ESAの認知科学実験「3D Space」を実施するISS長期滞在クルー(右)

宇宙飛行士を被験者とする実験の倫理審査

宇宙飛行士を被験者とする実験は、宇宙飛行士の安全、健康の確保、人権尊重など倫理的な側面が考慮されているかどうかが実施に先立って審査されます。

ISSにおける倫理的な側面を検討・審査する機関として、各ISSパートナーの代表者による多極間倫理審査委員会(HRMRB)が設置されています。HRMRBは、宇宙飛行士を被験者とする実験すべてについて、宇宙飛行士の安全と健康は保証されているか、実験の倫理性はきちんとしているかなどを審査し、必要に応じて勧告や修正依頼を行います。

HRMRBでの審査に先立ち、ISSで実施される宇宙飛行士を被験者とする実験計画は、実験提案を行う宇宙機関、および被験者となる宇宙飛行士の所属する宇宙機関の倫理審査委員会、各ISSパートナーの代表者による倫理審査委員会で審査されます。


1.研究者は、まず研究計画書(提案)を国内倫理審査委員会(日本の場合はJAXA IRB)に提出。

2.審査の結果、研究内容に問題や不備がある場合、計画書は修正依頼と勧告とともに研究者に返却される。

3.研究者は、修正依頼と勧告に従って研究計画書を変更し、再提出できる。

4.再提出された計画書は、再度、国内倫理審査委員会で審査される。

5.自国の委員会で承認されると、多極間倫理審査委員会(HRMRB)に提出。

6.HRMRB審査の結果、研究内容に問題や不備がある場合は、計画書は修正依頼と勧告とともに、国内の倫理審査委員会に戻される。

7.研究者は、HRMRBの修正依頼と勧告に従って研究計画書を変更し、再提出できる。

8.修正依頼部分や勧告に沿って計画書が修正されていると確認された場合、研究は承認される。

国内倫理審査

JAXAの倫理審査委員会は、正式名称は「人間を対象とする研究開発倫理審査委員会」といい、年8回程度開催されます。

研究者は「研究等実施計画書(案)」を作成し倫理委員会に申請します。「研究等実施計画書(案)」は、研究内容や、研究目的、手順の詳細、使用する設備、期待される研究の成果のほか、人間を対象とする必要性や、安全管理体制、被験者等に与える可能性のある影響、その影響を減少させるための対策、緊急時の医療体制、被験者の同意、被験者数、被験者の個人情報の管理方法・管理体制、成果の公表方法、成果公表に際しての被験者等の個人情報保護のための方策などの情報を網羅するように様式化されています。

倫理審査委員会の審査事項

(1) 研究計画

提案された研究について、科学的・業務的に実施するだけの正当性があるか、他に計画されている研究のテーマと重複していないかなどが審査されます。

(2)安全管理体制

研究に伴う危険性及び安全対策は妥当か、研究の対象となる宇宙飛行士(被験者)の健康に与える影響は正しく評価されているか、研究の実施に当たっての責任体制は妥当か、被験者等に対する補償体制は妥当か、生命倫理に関する国の指針等に合致した対応がとられているか、海外の研究機関との共同研究については、その国における基準等を遵守しているかなどが審査されます。

(3)被験者の同意

被験者の募集・選定方法は妥当か、被験者に対する説明・内容は妥当か、被験者の自由意志による同意が得られるか、被験者等の同意を撤回する権利が保証されているか、被験者等に対する報酬は妥当かなどが審査されます。

(4)被験者等の個人情報保護

個人情報の取得・利用の方法は妥当か、研究を実施する際、及び研究終了後の情報管理体制は妥当か、成果の公表方法は妥当かなどが審査されます。

JAXAの倫理審査委員会は、宇宙航空開発関係、法律・生命倫理学関係、医学関係の学識経験者・有識者、そして一般の立場を代表する方により構成されています。

国内倫理審査の判定・審査の有効期限

国内・海外の倫理委員会の審査の判定は、審査に参加した委員の合意により行われます。また、審査の判定結果は、以下の4種類で選別されます。

① 承認
② 条件付き承認
③ 不承認(理由を付す)
④ 非該当


「判定が「不承認」の場合は、実施計画を変更すれば、再び倫理委員会に提出することができます。
判定が「条件付き承認」の場合は、研究の開始(被験者の募集等)前までに、委員会の修正依頼に従って計画等が修正されていることを委員長が確認します。(委員長の了解を受けた後に研究を開始することができます。)

承認の有効期間は3年間です。しかし、研究の実施にあたり、実施計画に変更があった場合は、承認の有効期間内であっても、再び倫理委員会に承認の申請を行う必要があります。

国内倫理審査の手順

JAXAの倫理審査は、次の手順で実施されます。


委員会事務局は、提出された審査資料と研究スケジュールを基に、①研究が委員会の審査対象であるか、②提出された書類および内容に不備はないか、③研究を行うことの正当性が事前に評価されているか、④複数部等に関連する研究の場合、担当部等間の調整が適切に行われているか、⑤研究を実施するために必要な予算が確保されているかを検討します。

(特に断りの無い限り、画像は出典:JAXA/NASA)

 
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