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宇宙医学

JAXAの宇宙医学における研究領域

最終更新日:2011年8月4日

JAXAは、国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する日本人宇宙飛行士の健康管理技術を向上するため、2007年4月に、宇宙医学生物学研究室(JAXA Space Biomedical Research Office: J-SBRO)を設立しました。

J-SBROとは

宇宙医学生物学研究室(J-SBRO)のロゴマーク

宇宙医学生物学研究室
(J-SBRO)のロゴマーク
(出典:JAXA)

J-SBROの理念は、研究室のロゴマークに表されています。ロゴマークには、地球から、ISS、月、火星にのびる「鏃(やじり)」の絵と、宇宙医学生物学研究室(Japan Space Biomedical Research Office)の頭文字「J-SBRO」が描かれています。
ISSを研究の足場としつつ、月や火星を視野に入れて、研究員が鏃(やじり)の先端となって、宇宙というフロンティアを突き進みたいという思いが込められています。

J-SBROの取り組む宇宙医学生物学研究活動は、基本的には「日本人宇宙飛行士のISSでの半年間の長期滞在における医学的な問題のリスクを軽減させつつ、安全で効率的な宇宙滞在を実現させること」を最優先目的としています。

また、宇宙飛行士を対象とする臨床医学に限らず、将来の月や火星での有人活動も視野に入れた医療技術の研究や開発も行っています。

J-SBROが取り組む研究

J-SBROが取り組んでいる研究は、問題解決型の医学研究です。
人間が宇宙に行くと、宇宙酔いになる、骨が弱くなる、筋肉が弱くなる、運動ができない、ストレスが生じるといった問題が山積みです。そのような問題を放置しておくと身体にどのような影響があるかを調べ、それを予防するための対策を考えることが、研究の一番の目的です。

J-SBROは、これまでのJAXAにおける医学研究や、アメリカやロシアが実施してきたISSの医学運用上から見えてきた課題を考慮し、ISS長期滞在中の日本人宇宙飛行士の健康管理に最も必要な分野として、次の5領域を分類・整理しました。

生理的対策

宇宙微小重力環境下では、骨量減少・筋委縮・宇宙酔い・体液シフト・免疫機能低下・栄養アンバランスといった生理的変化が生じます。生理的対策分野では、1)宇宙微小重力環境下で起こる変化のメカニズムを解明し、2)影響を最小限にするための対策法を開発することで、宇宙飛行士の健康管理に役立てることを目的としています。

精神心理支援

長期間の閉鎖・隔離環境における精神心理・生体リズムへの影響を評価し、宇宙飛行士のパフォーマンスを向上する支援手法に関する研究です。また、日本人の有人宇宙活動中に、24時間体制で支援を行う地上職員の健康管理対策についても検討します。

放射線被ばく管理

宇宙飛行士はミッション中、宇宙放射線により被ばくします。宇宙飛行士の放射線被ばくによるリスクを管理するためには、宇宙放射線の線量とその影響を正確に把握することが必要です。ミッション中の宇宙放射線被ばく線量を測定・算出し、適切な放射線被ばく管理を実施するために、被ばくによる医学的リスクの軽減を図ることを目的とした研究を行ってきました。

軌道上医療

宇宙飛行士が怪我や病気にかかっても、地上から医師が駆けつけることはできません。地上の医師が遠隔診断を行い、適切な処置を行えるよう、軌道上医療の充実を目指しています。日本の小型で高性能の医療機器を軌道上で使用できるように改良し、軌道上健康管理技術を充実させることを目的として研究を行っています。

宇宙船内環境

宇宙飛行士の健康状態に影響を及ぼす宇宙船内の環境(水・空気・騒音・微生物など)をモニターし、宇宙飛行士への影響を最小限に抑えるための環境管理対策に関する研究を行っています。


2009年3月から、若田宇宙飛行士による日本人宇宙飛行士のISS長期滞在が始まり、J-SBROは、ISS長期滞在クルーを対象とする医学実験を開始しました。

各研究機関との連携体制の整備

J-SBROは、外部の研究機関や大学等と共同研究や委託研究を行っています。

今後、ISS長期滞在中に実施する実験を計画するにあたっては、一般公募で選定した研究課題と連携・共同して実施することも検討しています。

J-SBROのその他の研究

月面開拓医学

月面に立つアポロ16号の宇宙飛行士

月面で船外活動を行うアポロ16号の宇宙飛行士

J-SBROは、ISSに長期滞在する宇宙飛行士の医学研究を月面有人活動にも応用できるよう、「月面開拓医学」という将来を見据えた研究も行っています。
安全に月面有人ミッションを行うためには、宇宙放射線や、月表面の鉱物性のダスト、地球とは異なる重力環境(地球の6分の1G)での長期滞在などに対する医学的な対策が必要となります。

南極利用研究

南極・昭和基地の様子

南極・昭和基地の様子(下は極夜期の昭和基地)
(出典:NIPR/JAXA)

宇宙と南極にはいくつかの共通点があります。例えば、日本でも季節によって太陽が出ている時間(昼間)の長さが異なりますが、南極では一日中太陽が出ている時(白夜)もあれば、一日中太陽が出ない時(極夜)もあります。
また、南極では、冬の間は外での行動が限定されますので、運動をする機会が少なくなります。
南極の内陸調査では、雪上車での移動中は長い間入浴することができません。

このような類似した環境を利用して、国立極地研究所との共同医学研究で、ホルター心電計や簡易脳波計を使った生体リズムの研究や、短時間で効果的なトレーニング法の開発、皮膚に常在する菌の研究、長期間入浴できない環境で皮膚を清潔に保つための衛生管理技術の開発を行っています。

アウトリーチ・教育分野

J-SBROの研究活動と研究成果を一般の人にも分かるように社会に知らせ、教育活動に役立てたり、地上の生活に還元するため、研究成果の教材化を目指した研究を進めています。
日本人宇宙飛行士の長期滞在に合わせた宇宙医学コンテンツの収集や、モデル生物を利用した宇宙実験のデータ取得を行います。

(特に断りの無い限り、画像は出典:JAXA/NASA)

 
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