高度約400km、宇宙環境の特徴

公開 2019年5月 7日

宇宙環境は、微小重力、高真空、良好な視野、宇宙放射線などの地上では容易に得ることのできない特徴があり、その宇宙環境を利用することにより、極めて広範な分野にわたる研究や実験、観測などを行うことが期待されます。

外観・船外実験プラットフォーム
船内実験室

宇宙環境の特徴

微小重力 ISSで働いている見掛けの重力はとても小さく、 地上の100万分の1から1万分の1です。
高真空 ISSが飛行している高度の圧力は10-5パスカルで、 地上の100億分の1です。
良好な視野 ISSは約90分で地球を1周し、広い視野を持ちます。 地球や宇宙の観測に有効です。
宇宙放射線 銀河宇宙線、太陽粒子線、バン・アレン帯の粒子線や 二次粒子線など、さまざまな宇宙放射線が飛び交っています。
太陽エネルギー ISSが飛行している軌道は太陽エネルギーの密度が非常に高く(~1.4 kW/m2)、これを利用することによって、ISSの運用に必要なエネルギーを確保できます。
閉鎖環境での居住 精神・心理的ストレスや微生物感染などによる 健康障害の予防対策が必要です。

微小重力の特徴

生物の体が変化

重さの負荷がかからないため、筋肉や骨が弱くなります。また、免疫機能が低下するなど、生命活動に遺伝子発現レベルからのさまざまな変化が見られます。その原因や対策を調べることで、骨粗しょう症や免疫機能低下などに対する治療・予防法の確立につながります。

沈降がない

地上では重い物は沈み、軽い物は浮かびます。微小重力環境では、水と油のように比重の違う物でも均一に分散するため、規則性の高い高機能な材料を作製できる可能性があります。

熱対流がない

地上では熱せられた液体や気体は比重が軽くなり、対流が発生します。微小重力環境では比重差による対流は発生しないため、対流に邪魔されて地上ではできないような高品質なタンパク質結晶や材料組織をつくることができます。

容器なしで浮遊

地上では液体をためておくために容器が必要ですが、微小重力環境では容器を用いずに液体を浮遊させることができます。そのため容器からの汚染や影響を受けずに、物質の性質の測定や合成が可能です。

「きぼう」船内環境

「きぼう」の船内は1気圧の空気(窒素と酸素の混合ガス)で満たされ、宇宙飛行士が普段着で作業できる環境に維持されています。

「きぼう」日本実験棟 船内実験室(与圧空間)の環境
項目 規定範囲(通常時)
微小重力 10-6gオーダー
空気圧力 97.9~102.7kPa
酸素分圧 19.5~23.1kPa
二酸化炭素分圧 707Pa以下
温度 18.3~26.7℃
露点 4.4~15.6℃
相対湿度 25~70%RH
微生物 1000CFU/m3以下
微粒子 クラス10万
循環空気風速 0.076~0.203m/sec
  • CFU:Colony Forming Unit
「きぼう」日本実験棟 船内実験室

「きぼう」船外環境

「きぼう」の船外実験プラットフォームは、宇宙空間にさらされた環境で実験を行うスペースです。

「きぼう」日本実験棟 船外実験プラットフォーム環境条件と影響
環境条件 影響
微小重力 10-6gオーダー
大気 10-5Pa程度の真空度(主成分:酸素、窒素、ヘリウム、水素)
プラズマ 帯電・放電の原因、材料の表面破壊や装置の異常動作の可能性
電離放射線 シングルイベントによる誤動作の可能性(放射線帯粒子、銀河宇宙船、太陽フレア粒子)
電磁波 部品・材料劣化、塗料等の変色の可能性
メテオロイド、デブリ 宇宙機の外壁や船外実験装置破壊の可能性(10cm以上は軌道変更により回避、1cm以下はデブリバンパにより与圧壁防護)
直接光、反射光、赤外放射、宇宙背景輻射
視野 設置場所により異なる
「きぼう」日本実験棟 船外実験プラットフォーム

 

 


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有人宇宙技術部門 きぼう利用センター
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