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これまでに得られた成果

高品質タンパク質結晶生成実験

最終更新日:2015年5月14日

多くのタンパク質で地上より高品質の結晶生成に成功

ロシアのサービスモジュールの利用から、2014 年までに17 回の実験が実施され、のべ500 種類以上のタンパク質が打ち上げられました。技術開発を重ねた結果、タンパク質試料について最適な条件設定がされた場合は、70% 程度の確率で構造解析のパラメータとなる分解能(精密さ)とモザイシティ(正確さ)が向上した結晶が得られることがわかってきました。主な成果をいくつか紹介します。

①デュシェンヌ型筋ジストロフィーの進行に関与するタンパク質

裏出良博(筑波大学 教授(元大阪バイオサイエンス研究所 研究部長))

図1 筋ジストロフィーの進行に関与するタンパク質 (クA・大阪バイオサイエンス研究所/ 丸和栄養食品)

筋ジストロフィーは筋萎縮と筋力低下が進行していく遺伝性筋疾患で、未だ根本的な治療方法が確立していない難病です。宇宙実験で得られた結晶から、この病気に関連するタンパク質と、薬の開発に重要な化合物との結合状態を詳細に確認できました(右図)。大阪バイオサイエンス研究所では、宇宙実験の結果を用いて、製薬企業との協力により筋ジストロフィーに有効な薬物候補化合物を開発し、動物による有効性や毒性の評価を実施しています。

②合成繊維分解酵素

樋口芳樹(兵庫県立大学 教授)

図2 合成繊維分解酵素 (クA・兵庫県立大学)

合成繊維やプラスチックなどの人工合成物は自然に分解しないため、廃棄物などによる環境影響が大きな問題となっています。そのため、人工合成物の一つであるナイロンオリゴマーを分解する酵素の構造と機能を研究し、新しい酵素の開発を目指しています。宇宙実験により、この酵素の水素原子を含む詳細な構造が明らかになり、酵素触媒メカニズムの理解が格段に深まりました(図2)。現在、兵庫県立大学では、酵素としてさらなる高性能化を図り、目的の反応に適した新たな酵素の開発を目指しています。

③セルロース分解酵素

伊中浩治(丸和栄養食品株式会社 取締役)

図3 セルロース分解酵素 (クA・丸和栄養食品)

環境問題を解決するため、大気中のCO2 を増加させない資源として、トウモロコシなどの穀物を原料とするバイオエネルギーが注目を集めています。しかし、この方法は食糧となる穀物を燃料用に栽培するため、発展途上国が食糧不足になるといった別の問題が起こっています。そこで、食用ではない木や草の細胞壁や繊維の主成分であるセルロース分解によるエネルギーの生産を目指しています。宇宙実験では0.93クI・淵・鵐哀好肇蹇璽燹П00 億分の1 メートル)の分解能を取得し、構造を詳細に解明することに成功しました(図3)。

④多剤耐性菌・歯周病菌の生育に重要なペプチド分解酵素

阪本泰光(岩手医科大学 助教)

図4 (クA・岩手医科大学 / 昭和大学 / 長岡技術科学大学)

様々な抗生物質が効かない多剤耐性菌は、院内感染症の原因のひとつであり、その治療は困難です。多剤耐性菌に対しては、これまでの抗生物質とは異なるメカニズムの薬が必要となります。宇宙実験により多剤耐性菌・歯周病菌に対する新たな抗菌薬のターゲットとなる可能性のある酵素の立体構造を決定し、この酵素の触媒メカニズムの理解に大きく貢献しました。今後、今回の成果を基に多剤耐性菌等の病原性細菌に効果のある新規抗菌薬の開発を目指す予定です。(図4)。

 
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