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国際宇宙ステーション(ISS)

気候変動を理解する

ジェイソン・ハットン
有人宇宙飛行運用局 ISS 利用・宇宙飛行士支援部 科学応用課
ヨーロッパ宇宙機関(ESA)/ESTEC


2010 年5 月のSTS-132 ミッションで、スペースシャトル「アトランティス号」から見た地球と国際宇宙ステーション(出典:NASA)

多くの宇宙飛行士にとって、宇宙飛行中に最も記憶に残る経験は国際宇宙ステーション(ISS)の下方にあるはかない青い球体、地球を見ることです。地球は、光線条件の変化や季節の移り変わりにより様々な表情を見せます。砂嵐が米国の南西部を襲い、低気圧が北ヨーロッパに雨を降らせ、台風が日本を直撃し、高緯度に夜光雲がある、こうした現象をすべて、地球の周りを回る軌道から簡単に見ることができます。国際宇宙ステーションに搭載された科学装置によって日常的に地球環境の探査、測定、分析が行われ、地球の気候の長期的変化を理解するために鍵となるデータが提供されます。地球観測専用の衛星のデータを補強するために、ESA は国際宇宙ステーションを利用した気象変化に関する新たな実験の公募を開始しました。

さまざまな自然の物理的プロセスにより、短期・長期で大気、海洋、地表に変化が生じます。過去150 年間の人間活動により、温室効果ガス濃度の増加、窒素やリンのサイクルの変化、土地利用の大きな変化(森林破壊など)など、地球の環境の多くの面で重大な変化が生じました。人に起因する変化と自然の変化との関わりを理解し、地球環境の将来の変化を予測することは重要です。同様に、この情報は人間活動に関わる持続可能な開発を支援し、一方で環境の悪化を最小限にして、気候変動に対する社会の脆弱性を抑えることができます。

ESA は他の国際機関と共に、現在、多数の地球観測衛星を運用し、それぞれの目的にあった専用の機器を使用しています。これらの活動は主にESA の地球観測計画、地球規模の環境・安全モニタリング(GMES)プログラム(EUとの共同実施)、そしてESA の気候変動対策プログラムによってサポートされています。

国際宇宙ステーションでは、広範な国際調査活動が日常的に行われています。これまで国際宇宙ステーションを利用したヨーロッパの研究では、国際宇宙ステーションがもたらす微小重力環境と宇宙への曝露環境を利用した生命科学・物理科学分野に重点が置かれてきました。しかし、国際宇宙ステーションが、天体物理学、太陽エネルギー科学、基礎物理学、地球科学分野および気象変動に関連した研究のためにいろいろと利用できる機能を備えていることは明らかです

地球規模の気象変動の研究にあたり、国際宇宙ステーションへのリモートセンシング装置の設置についてヨーロッパや国際的な研究団体がどの程度関心があるかを評価するため、2009 年 10 月、地球観測プログラム部の支援を受けて、ESA の有人宇宙飛行部(現在は有人宇宙飛行・運用部)が、アイデアの募集を行いました。45 件のアイデアが届き、見込みのあるコンセプトが多数提案されました。これにより、気象変動の研究に国際宇宙ステーションを利用することへの関心が高いことが確認でき、興味深い分野がいくつか明らかになりました。最近公表されたテーマ募集に対する提案は専門家によって審査され、いくつかの実験候補が選ばれた後、さらに詳しく調査され、どの実験を国際宇宙ステーションで実施するかが決まります。募集の詳細は次のリンクを参照してください。(※募集は既に締切られています)http://www.esa.int/SPECIALS/HSF_Research/SEMPM17TLPG_0.html

国際宇宙ステーションは、専用の衛星を開発しなくても機器や実験を宇宙飛行させることができます。国際宇宙ステーションは、ほとんどの地球観測衛星とは異なり、軌道傾斜角51.6 度、高度350 ~ 400 km を飛行します。装置はヨーロッパの「コロンバス」(欧州実験棟)、日本の「きぼう」日本実験棟およびロシア実験棟など、国際宇宙ステーションの外側のさまざまな場所に取り付けることができます。ヨーロッパの「コロンバス」実験棟の外部実験設置施設(CEPF)には、実験棟の端に4 か所の実験装置取付け場所があり、底部、天頂部および側面を見ることができます。地球科学および気象変動に関するいくつかの装置が開発中で、既に国際宇宙ステーションに設置されているものもあります。「コロンバス」のCEPF の天頂ポートには現在 ESA SOLAR 装置が取り付けられており、これは気象研究の重要なパラメータである太陽エネルギーの放射照度を測定します。雷に関連する高エネルギーの光線およびガンマ線事象を研究するESA のAtmosphere Space Interactions Monitor(ASIM)は2015 年に「コロンバス」に設置されます。「きぼう」日本実験棟の船外実験プラットフォームでは、JAXA の超伝導サブミリ波リム放射サウンダ (Superconducting Submillimeter-wave Limb-emission Sounder: SMILES)の実験装置が地球のオゾン層と関わる化学物質などの成層圏のトレースガスを測定しました。また、「きぼう」の外部に取り付けられたNASA Hyperspectral Imager for Coastal Ocean(HICO)は、沿岸海域研究用の画像分光計です。

2008 年7 月に国際宇宙ステーションから撮影された夜光雲(出典:NASA)

装置を取り付けるもう1 つの場所は国際宇宙ステーションの内部で、品質の高い観測窓から観測することができます。「デスティニー」(米国実験棟)には、窓を使用した観測研究用設備 (Window Observational Research Facility: WORF)があり、専用の底部の観測窓を通して観測します。一方「キューポラ」(観測窓)には、底部と側面から地球のパノラマ観測ができる7つの窓があります。デジタルカメラを使用した地球観測画像撮影は、現在、搭乗員による地球観測 (Crew Earth Observations: CEO)実験の一部として行われています。

国際宇宙ステーションの船内用の装置は、比較的短いリードタイムで開発されて、国際宇宙ステーションに搭載される可能性があります。国際宇宙ステーション内の操作機器は、地上と同じ環境内にあり、宇宙飛行士が設定やフィルタの変更を行うなど、直接実験に携わることができるようになっています。


(左)国際宇宙ステーションの「キューポラ」(観測窓)からは地球の全景が見えます
(右)2010 年11 月に国際宇宙ステーションから撮影されたナイル川デルタ地帯と東地中海の夜間画像(出典:NASA)


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