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国際宇宙ステーション(ISS)

国際宇宙ステーションからの地球観測
-もはやそれは単なるハンディカメラではない

ウィリアム・ステファノフ
Jacobs社 研究開発部 科学応用課

ISSAC によるシャーロット湾(フロリダ州)の「ファーストライト」画像(2011 年6 月10 日撮影)。ランドサット5 のベース画像に重ねて表示。ISSAC の画像は、植生を赤、都市部を灰色、水面を黒で表示するように処理されています。雲は明るい白で示されています。

国際宇宙ステーション(ISS)は2000 年の11 月に運用を開始し、それ以来、宇宙飛行士は地球の陸地の表面、海洋、大気現象に関する60 万枚以上の画像を撮影し、さらには搭乗員による地球観測(Crew Earth observations: CEO)実験の一部として、ハンディカメラ(フィルムやデジタル)で軌道上からの月の画像も撮影してきました(http://eol.jsc.nasa.gov/)。この大量の画像や、確実な地球観測能力にも関わらず、国際宇宙ステーションはこれまで多くの地球観測科学者から地球観測のプラットフォームとは認識されてきませんでした。しかし、過去2 年の間に国際宇宙ステーションに新たな設備や高度なセンサーシステムが導入され、今後も導入が予定されていることにより、この認識は変わりつつあります。

それでは、地球観測に関して国際宇宙ステーションには提供できて、通常の地球観測衛星では提供できないものとは何でしょうか。

いろいろな日照時間帯での地球観測画像の取得

従来の多くの地球観測プラットフォームと違って、国際宇宙ステーションは赤道に対して傾いた軌道を回っており、軌道は太陽の方向と同期していません。このため、国際宇宙ステーションは地球上の北緯52度~南緯52 度の上空を通過し、さまざまな日照条件の下を通過することになります。地球観測衛星は、通常ランドサット7テラのように南極と北極の上を通る周回軌道に配置され、太陽の方向と同期した軌道上から観測し、軌道は一日のほぼ同じ時間に地球表面の同じ場所の上空を通過するように設計されています。このような人工衛星は、おおよそ2 週間に1 度、同じ場所の上空を繰り返し通過します。日照条件の似た画像を収集することは、特定の場所について一様なデータを生成するには適していますが、データが収集される時間が制限されます(ほとんどの場合、現地の正午)。科学者が早朝や夕方によく起きる地表のプロセスに関心がある場合(たとえば、海岸の霧のかたまりなど)、太陽と同期する軌道の衛星からデータを収集することは難しくなります。

状況に応じた観測データ収集

HICO によるモントレー湾(カナダ)の未加工画像。2010年3月27日撮影

国際宇宙ステーションが提供するもう1 つのユニークな利点は、地上管制室からいちいち新しい撮影条件のプログラムをアップロードするのではなく、目の前で次々に起きる現象に応じて観測できる宇宙飛行士がいることです。これは、火山の噴火、地震、津波などの予期せぬ自然災害の画像を収集する場合に特に重要です。また宇宙飛行士は、品質に関係なくデータを収集する自動化されたセンサーと違って、雲に覆われていたり、街の明かりがあったりといった、その時の観測条件に応じて有益なデータを収集できるかどうかを判断することができます。

宇宙飛行士が撮影した手持ちデジタルカメラによる画像とともに、国際宇宙ステーションの内部・外部に搭載された最新の自動センサーシステムや装置が、最新ですばらしい地球観測能力を発揮します。さらに、国際宇宙ステーションには、センサーに電力を供給したり、データ通信をする能力がすでに備わっているおかげで(http://www.nasa.gov/externalflash/ISSRG/)新しいセンサーの開発が容易です。現在NASA は、以下の地球観測用システムを国際宇宙ステーションに搭載し稼動しています(または今後、国際宇宙ステーションに輸送することが予定されています)。

窓を使用した観測研究用設備(Window Observational Research Facility: WORF)は、カメラやセンサーを固定するために便利な船内のカメラ固定機構を備えると共に、電源、データ通信、および排熱機能があります。WORF を使用することで、米国の実験棟「デスティニー」から地球を「まっすぐ下に」見下ろす光学的に高品質な窓が、初めて常時使えるようになりました。

国際宇宙ステーション農業支援カメラ(International Space Station Agricultural Camera: ISSAC)は、ノースダコタ大学の生徒と教授陣によって開発されました。ISSAC の主な目的は、米国中西部の北部地域の農業活動と関連調査に利用できるマルチスペクトルデータを収集することです。さらにISSAC は、人々の安全な生活に貢献するために、自然災害の画像を収集することもできます。ISSAC は 20m/pixel の地上分解能で可視および近赤外線波長域(3 バンド)の情報を収集します。

沿岸海域用ハイパースペクトル画像装置(Hyperspectral Imager for the Coastal Ocean: HICO)は、「きぼう」の船外実験プラットフォームに取り付けられています。HICO の主なミッション目的は、水の透明度、海底の物質、深浅測量、そして湾岸地域の沿岸の植生に関するデータをおよそ90m/pixel の地上分解能で収集することです。センサーは、可視および近赤外線波長域で87 バンドの高品質の情報を収集します。

国際宇宙ステーションのSERVIR 環境調査および可視化システム(International Space Station SERVIR Environmental Research and Visualization System: ISERV)は計画中のセンサーシステムで、シュミットカセグレン式の望遠鏡をデジタルカメラに取り付けることで、3m/pixel より高い地上分解能で可視波長の画像を収集します。このシステムはWORF に取り付けて使うため、安定して目標を捕捉する機能を持つことが期待されています。このセンサーによって、SERVIR プログラムの目標である開発途上国への援助や災害の軽減と対応、人道支援のために地球科学データを使用することが可能になります。

現在、個々の科学チームがさまざまなセンサーシステムで収集したデータの利用を管理していますが、将来的には集中化したデータ利用管理施設が計画されています。国際宇宙ステーションに搭載された手動と自動化されたセンサーシステムは、地球を監視し、自然災害や大惨事に対処する能力の大幅な向上を約束するものです。国際宇宙ステーションの地球観測システムの統合は、国際的な衛星による地球観測システム全体への、重要で相補的な追加となり、我々の共有する地球環境への知識や現象の理解を深めることに貢献します。


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