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最終更新日:2015年4月13日
宇宙での筋萎縮を線虫を用いて調べる
「線虫Cエレガンスを用いた微小重力による筋繊維変化の解析」

代表研究者

東谷 篤志
Atsushi HIGASHITANI

東北大学 大学院 生命科学研究科
生態システム生命科学専攻教授
専門:遺伝・ゲノム動態、 分子生物学

共同研究者
Nathaniel J Szewczyk  University of Nottingham, Department of Clinical Physiology
東端 晃 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 ISS科学プロジェクト室 主任開発員
白川 正輝 宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門きぼう利用センター 主幹開発員
矢野 幸子 宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部門きぼう利用センター 主任開発員

TOPICS:

【宇宙実験サクッと解説:筋繊維の変化って?編】
宇宙実験調査団のピカルが物知りハカセに突撃取材しました。宇宙での線虫を用いて筋繊維の変化を確認する実験について質問します。

【宇宙実験リポート】
「きぼう」日本実験棟での実験の実施状況をお伝えします。

LINKS
【東谷研究室ホームページ】


実験の背景
JAXAと東北大学のチームは、これまでにモデル生物である線虫を用いた宇宙実験として、2004年のInternational C. elegans Space Experiment 1: ICE-First 2004で、「宇宙環境下でも地上と同様にDNA損傷時のアポトーシス(プログラムされた細胞死)が実行できること」を世界に先駆けて検証しました。また2009年にCERISE実験を実施し、宇宙の微小重力環境でもRNAi(遺伝子の働きを抑える手法の1つ)が有効に機能すること、ならびに「線虫の筋タンパク質の遺伝子発現量・タンパク質発現量」が宇宙の微小重力環境で育てることにより低下するという現象を、再現性を持って確認しました。さらに、2015年にはEpigenetics実験を実施しました。
JAXAと東北大の線虫共同研究第4回目となる本実験は「微小重力が一つ一つの細胞レベルで影響を及ぼし、個々の筋細胞において、筋肉タンパク質の発現が抑制され、最終的に萎縮に至る」という仮説を検証する実験です。

実験の目的
カロリー制限による長寿命化に関する研究は地上ではハエ、線虫、マウス、霊長類を用いて広く研究されています。宇宙では線虫を用いた2009年のCERISE実験で、微小重力環境での短期間で顕著な変化が見られました。今回の実験では蛍光タンパク質で可視化した9種類の線虫を育て化学固定して持ち帰り変化を詳細に観察します。宇宙実験の結果を筋萎縮対策へ展開することを目指しています。

実験内容
国際宇宙ステーションの「きぼう」日本実験棟で、線虫を4日間培養し、ホルマリンで化学固定して帰還させ、地上で蛍光顕微鏡を用いて詳細に解析します。
本テーマはSpace Agingと同時に実施します。

ココがポイント!
本研究の線虫で得られた結果は、ヒトのロコモティブ症候群の研究に役立つものと期待されます。また、この実験の着目点は長期臥床や、カロリー制限による長寿命化などの問題とも深く関連することから、宇宙環境のみでなく、高齢化などの地上レベルで現在の社会が抱えている問題に対して貢献できます。

【もっと詳しい説明】


「きぼう」での実験ページへ

 
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