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ピカルの姉キラリが実験テーマに切り込みます!

活性酸素医学の専門家、馬嶋先生に
活性酸素の「なぜ?」について聞きました。

キラリ:

先日は弟のピカルがお邪魔しまして、お世話になりました。 ところで馬嶋先生、先生のご専門の一つは活性酸素医学と伺ったのですが、活性酸素ってなんなんですか? よくテレビの健康番組で、「活性酸素をやっつける」なんて特集を見かけますけど、ふつうの酸素とは何が違うんですか?

馬嶋先生:

活性酸素は、酸素の「酸化させる力」がとても強くなったものです。 酸化というのは、キラリちゃんなら知っていると思うけど、金属が錆びたりすることですね。 活性酸素は反応性が高いので、外界からウィルスや細菌が侵入してきた時に、それらを殺してやっつける働きもありますが、活性酸素が大量に発生すると、細胞自体を傷つけたりしてしまいます。 老化や、さまざまな病気を引き起こす原因の一つとも言われています。 大量に発生すると悪者に変身してしまうんです。

キラリ:

こわいですね。 活性酸素ってどうしてできてしまうんですか?

馬嶋先生:

いろいろな原因がありますが、ひとつは、細胞の小器官であるミトコンドリアの中で、酸素を使ってエネルギーを生み出す過程で、一部の酸素が活性酸素に変わってしまうんです。

キラリ:

え〜っ、そうなんですか!

馬嶋先生:

ええ、そうなんです。 ミトコンドリアには活性酸素を除去する酵素があり通常は活性酸素の量を抑えていますが、放射線等の酸化ストレスが加わると酵素による除去を上回る活性酸素がミトコンドリアから出てしまいます。 ですから、私が心配しているのは、宇宙放射線と活性酸素の関係です。


キラリ:

細胞に放射線があたると活性酸素ができるんですか? 細胞に放射線があたると、中のDNAが損傷したり、量が多いと細胞そのものが死んでしまうこともあると思いますが・・・。

馬嶋先生:

さすがキラリちゃん、基礎はバッチリ分かっていますね。 細胞の中は水分がたくさん入っているのを知っているでしょう? 放射線が水(H2O)にあたると、放射線のエネルギーで水分子の結合が切れて、ヒドロキシラジカル(・OH)という反応性の高い活性酸素の一種ができてしまうんです。 この活性酸素のせいでDNAが損傷してしまったり、細胞死(アポトーシス)が起きてしまうこともあるんですよ。 またそれ以外にも、実は、放射線被曝によって、先ほどのミトコンドリアからより多くの活性酸素が出て、細胞のタンパク質、脂質、またDNAを酸化させることが問題となります。 つまり、放射線が直接DNAや細胞を傷つける以外にも、放射線によってできた活性酸素を介してDNAや細胞を傷つけることもあるわけです。

キラリ:

放射線による生物への影響に、活性酸素もからんでいるとは知りませんでした。 先生は放射線による神経細胞への影響を、さまざまな側面から調べようとされているのですね。 お話をうかがってますます宇宙実験が楽しみになってきました。 馬嶋先生、今日はどうもありがとうございました。

宇宙実験サクッと解説:実験紹介編


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