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成果
「きぼう」での組成均一な結晶生成により、初めて地上と宇宙の違いが明らかに

図は、平成25年2月から3月にかけて実施された第1回実験のSi0.5Ge0.5結晶の写真です。

図 ISSで実施した第1回Hicari 実験で得られたSiGe 結晶

結晶中には、割れや欠け、大きなすきま等は見当たらず、また、融液と容器が完全に接触しており、微小重力では顕著に表れる“組成の乱れを発生させるマランゴニ対流”が抑制されていた事がわかります。宇宙で育成した結晶の成長距離は、想定よりも長くなっていました。解析の結果、対流が抑制された宇宙環境では、熱の撹拌効果が減少するためSi-Ge 融液中の温度勾配が1 割程度大きくなり、その分成長速度が速くなって成長距離が伸びた事が分かりました。Si0.5Ge0.5を目指した結晶組成は、Si0.515Ge0.485となり、組成が1.5% Si リッチ側にずれていました。これら、地上と宇宙の熱環境の違いを明確にできました。

宇宙環境で生成した結晶には大きな特徴があります。地上では原料Si からもSiGe が成長し、種Si から成長したSiGe と競合するため、その単結晶成長距離が制約されます。しかし図の結晶を詳細に分析したところ、原料Si と融液帯の境界付近では、Si とSiGe 融液が明確に分離しており、対流環境を制御する事で結晶を長くできる事が確認されました。これらの1 回目組成分布解析から、2回目の実験条件を設定し、平成25年7月に2回目の実験を実施しました。2回目及び3回目の結晶組成解析結果から、地上での組成均一な結晶生成法にとって重要なデータが得られました。4回目の実験は2014年7月に実施され、2015年1月から分析が開始される予定です。


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