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宇宙実験調査団のピカルがHicari実験を大調査!

実験提案者の木下恭一先生とも
仲良しの物知りハカセに聞きました。

ピカル:

ハカセ、こんにちは。 今日は姉のキラリと一緒に来ました。

キラリ:

こんにちは。 私、パソコンが大好きなので、今日はいろいろ教えてもらおうと思ってお邪魔しました!

ハカセ:

おお、二人とも、よう来たのう。 今日はHicari実験の調査かの?

キラリ:

はい。 これって、パソコンに欠かせない半導体の結晶を作る実験だって聞きました。

ピカル:

ハカセ、そもそも半導体ってなんですか? 半導体って言葉はよく聞くけど、実際にどんなものなのかわかりません。

ハカセ:

うむ、ピカルは相変わらず、ズバリと核心を突いてくるのう。 半導体というのは、電気を通したり、通さなかったりする物質のことじゃ。

キラリ:

あ、そうそう。 それ、学校で習いました。 たとえば、金属は電気を通しますよね。 え〜っと、確か『導体』っていうんでしたっけ? ゴムやガラスなんかは『絶縁体』といって、電気を通さないんですよね。

ハカセ:

その通りじゃ。 キラリはほんによう勉強しとるのう。 感心、感心。

ピカル:

電気を半分通して、半分通さなかったりするから、半導体っていうんですね。 納得!
ところでハカセ、半導体はどんな時に電気を通して、どんな時に通さないんですか?

ハカセ:

うむ。 それはのう、半導体の種類によるのじゃ。 あるものは、温度が高くなると電気を通す。 またあるものは、強い光が当たった時だけ電気を通す。 ほかにも、向きを変えると電気が通らなくなるものもあり、いろいろじゃ。

キラリ:

ふ〜ん。 でもどうして、条件によって電気を通したり、通さなかったりするのかしら。

ハカセ:

キラリ、電気が通るってことは、どういうことかわかるかね?

キラリ:

え!? う〜んと、確か教科書に、電子がどうのこうのって書いてあったような気がするけど。 どうだったかなあ(むにゃむにゃ)・・・

ハカセ:

ほう、もう電子のことまで習っておるのかね。 すべての物質は原子からできており、原子は「原子核」と「電子」からなっておる。 原子核は陽子と中性子から構成されておるんじゃがの。 原子の種類が違うと、原子核の大きさや、電子の数が違うんじゃ。

キラリ:

そうそう、思い出しました。 原子ごとに、陽子の数を示す原子番号がついているんですよね。

ハカセ:

そうじゃ。 それでな、場合によっては、原子核の手の届きにくいところに電子がいたりするんじゃ。

ピカル:

ハカセ、ハカセ! それってたとえば、教室の中にたくさんの生徒がいて、運良く端っこの席に座れると、先生の目を盗んで早弁できるとか、漫画を読めるとか、好きな子にラブレターを書けるとか、そんなイメージですか?

ハカセ:

う〜む。 まあ、ちょっと違うが、よしとするか。 よもやピカルは、授業中にそんなことはしておらんじゃろうな。

キラリ:

あやし〜!!!

ハカセ:

たとえば銅の原子の場合、29個の電子をもっておるが、ふつうは一番外側にいる1個の電子が「自由電子」になるんじゃ。 こいつは自由気ままに動けるという性質がある。

キラリ:

あっ! そういえば、この自由電子が電気の流れに関係していたような気がします。 ですよね、ハカセ!?

ハカセ:

思い出したかの? 電気が流れるっちゅうことは、この自由電子が一方向に動くこと、まさにそれなんじゃ。

ピカル:

う〜ん。 たとえて言えば、各教室に一人ずついる自由電子くんたちが、チャイムが鳴った途端、一斉に校庭に駆け出す、みたいなイメージですね。

ハカセ:

ピカルはイメージを膨らませるのが上手じゃのう。 うんうん、そういう感じじゃ。 自由電子がないと、電気は流れんのじゃ。 じゃから、金属は必ず自由電子をもっておる。

キラリ:

やっと思い出しました〜。

ハカセ:

ここで本題じゃが、半導体っちゅうもんは、基本的には自由電子をもっておらん。 ところが、ちょっとつついてやると、自由になるやつがおる。 たとえば、熱を加えると自由電子に変身するやつが出てくるんじゃ。

ピカル:

言ってみれば、夏になって暑くなると、虫捕りしたり、水遊びしたり、外で遊びたくて居ても立っても居られない、僕の友達Aくんみたいな電子ですね。

キラリ:

それってAくんじゃなくて、ピカルのことじゃないの〜!?

ハカセ:

ほんにピカルはうまいこと言うのう。 本当はもっと複雑なんじゃが、まあ、とりあえずはそういう理解でいいじゃろう。

キラリ:

つまり、各教室にピカルみたいなちょっと落ち着かない電子がいて、熱がかからなければ電気は流れず、熱がかかると急に電気が流れるってことですよね。 ところでハカセ、半導体にはいろいろな種類があって、それぞれ機能が違いますよね? 今回の実験で作る半導体はどういうものですか?

ハカセ:

うむ、Hicari実験では、シリコンとゲルマニウムという2種類の原子からなる半導体結晶を作るんじゃ。 このタイプの半導体は、少し混ぜ物を入れてやると電気が流れやすくなるという性質がある。 そして、電圧を変えると電気の流れ方が変わるようにできるんじゃ。 ちなみに、これらの半導体は、混ぜ物の種類によって、ことなる2つの性質を示すことが知られておる。

キラリ:

2つの性質?

ハカセ:

混ぜ物の存在によって自由電子ができるものがn型、反対に、電子の抜けた「あな(正孔)」ができるものはp型と呼ばれておる。

ピカル:

p型?n型?? なんだか血液型みたいですね。 自由奔放なn型くんと、ちょっと抜けてるp型くん、とか。

キラリ:

それってどっちもピカルみたい。

ハカセ:

pはポジティブ、nはネガティブの頭文字じゃな。 p型について説明すると、教室のイスが1つ余っていて、誰か1人の生徒がその空いた席に移動すると、その生徒が座っていた席が空き、また別の生徒がその席に移動し、また別の生徒がその席に・・・という具合に、生徒が次々に席換えしながら、ゆっくり移動していく、そんなイメージじゃな。 このタイプの半導体は、キラリの好きなパソコンにもたくさん使われておるぞ。 パソコンの頭脳にあたるCPUも、まさにこれじゃな。

キラリ:

なるほど。 パソコンをコンセントにつないだら電気が流れっぱなし、では困りますもんね。 半導体に特有の、「条件によって電気が流れたり流れなかったりする」という性質を使って、複雑な処理を次々にこなしているわけですね。

ハカセ:

まさに、そのとおりじゃ。 ふだん何気なく使っているパソコンや携帯電話は、仕組みを詳しく勉強すると面白いぞ。 なにしろ、最先端技術の結晶じゃからな。

キラリ:

ハカセ、私、いろいろ興味がわいてきました!

ピカル:

ところで、結晶で思い出したんですけど、今回の半導体結晶実験を宇宙でやるのはどうしてですか? やっぱり、今までのファセットの結晶実験と同じように、無重力で対流がないために、理想的な環境で実験ができるからですか?

ハカセ:

さすがピカルじゃ。 鋭い推論じゃのう。 今回の実験では、JAXAの研究チームが考案した「TLZ法」という新しい結晶成長方法をもちいて実験を行うんじゃ。 地上での実験では、直径2mmくらいの太さなら、このTLZ法によって、かなりいい結晶ができることが明らかになっておる。 いい結晶というのは、シリコンとゲルマニウムが均一に半々で混ざっておる、という意味じゃ。 しかしのう、それより大きな結晶になると、地上ではなかなかうまくいかん。

キラリ:

直径2mmっていったら、米粒よりも小さいですよね。 これより太くなると、地上では対流の影響が出てしまうんですか?

ハカセ:

そうなんじゃ。 じゃから、もっと大きい結晶でも、TLZ法がちゃんと予想通り有効に使えるかどうか、それをきっちり宇宙で検証したいんじゃ。 宇宙じゃと対流の影響がないから、TLZ法の有効性だけに焦点を当てて確認することができるわけじゃ。

キラリ:

有効だと分かれば、考え方は正しかったと証明できるから、それを地上で応用してやればいいわけですね。 いい結晶ができるようになれば、パソコンの性能向上につながるかもしれないし、楽しみですね!

ハカセ:

ほんに、そのとおりじゃ。 どんな実験結果がでてくるか、わしも楽しみにしておる。

ピカル:

ハカセ、今日はどうもありがとうございました。

キラリ:

おかげさまで、今日はとっても勉強になりました。 家に帰ったら、早速、お父さんの壊れたパソコンを分解してみます!


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