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「きぼう」での実験

宇宙での骨量減少メカニズムを解明するための実験"Fish Scales"が終了しました

最終更新日:2010年5月21日

※日付は日本時間

「宇宙空間における骨代謝制御:キンギョの培養ウロコを骨のモデルとした解析(通称Fish Scales)」(代表研究者:鈴木信雄 金沢大学環日本海域環境研究センター准教授)の宇宙実験が終了しました。この実験は、「きぼう」日本実験棟の細胞培養装置(CBEF)を使用して実施しました。


実験に使用されるサンプル(再生ウロコ)は、5月15日(土)にスペースシャトル「アトランティス号」(STS-132ミッション)で打ち上げられ、5月17日(月)から「きぼう」日本宙実験棟にある細胞培養装置(CBEF)で約4日間培養された後、化学処理をし、冷凍・冷蔵庫に入れて、5月20日(木)20時06分に実験を終了しました。本実験では、微小重力環境での実験と同時に、CBEF内の1G区画(人工的に1G環境を作り出す区画)でも実験を行いました。また、同様に地上においても同じ方法で対照実験を行いました。

宇宙に滞在すると、骨量が減少し骨がもろくなることが、これまでの宇宙飛行士の滞在の結果からわかっています。
骨量が減少する現象は、骨を新しく作成する働きをする「骨芽細胞」の働きが低下し、また古くなった骨を壊す働きをする「破骨細胞」の働きが活発になることからおこるものと考えられていますが、なぜ宇宙でこのような現象が起こるのか、そしてまた宇宙ではそれぞれの細胞の働きがどのように変化するのかは、解明されていません。
Fish Scales実験では、骨のモデルとして、骨芽細胞と破骨細胞が共存するキンギョのウロコ(細胞活性が普通のウロコよりも高い再生ウロコ)を用い、骨量減少の仕組みを探ります。

実験終了後、地上に持ち帰ったサンプルを用いて、細胞活性の測定、遺伝子発現解析、骨代謝に関与するホルモンの解析や形態学的解析等を行い、破骨細胞と骨芽細胞の相互作用と、添加した薬の骨吸収抑制効果を解析します。

得られたサンプルは、打ち上げと同じスペースシャトル「アトランティス号」(STS-132ミッション) で地上に回収される予定です。

Fish Scales実験の詳細はこちらをご覧ください。

 Fish Scales実験紹介ページ:「宇宙空間における骨代謝制御:キンギョの培養ウロコを骨のモデルとした解析」


【代表研究者 鈴木信雄 金沢大学環日本海域環境研究センター准教授のコメント】

本日、Fish Scalesの宇宙実験が無事終了いたしました。実験の成功に対し、24時間体制でご支援くださった皆様のお陰と感謝し、今は感慨無量でございます。
この実験を支援してくださった皆様に報いるためにも、今後は、共同研究者と共に、宇宙実験後のウロコの解析に全力を尽したいと思います。ウロコという非常に優れた骨のモデルを世界に向けて発信していきたいと考えております。
いろいろと、どうもありがとうございました。


サンプルの処理を行う野口宇宙飛行士

サンプルの処理を行う野口宇宙飛行士

筑波宇宙センターの実験運用管制室で見守る田畑純准教授(左)、鈴木信雄准教授(中央)、服部淳彦教授(右)

筑波宇宙センターの実験運用管制室で野口宇宙飛行士のサンプル処理を見守る
田畑純 東京医科歯科大学准教授(左)、
鈴木信雄 金沢大学准教授(中央:代表研究者)、
服部淳彦 東京医科歯科大学教授(右)

 
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