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「きぼう」での実験

「きぼう」日本実験棟において、細胞壁の構造形成に関わる物質の変化を調べる実験が開始されました

最終更新日:2010年5月31日

※日付は日本時間

「きぼう」日本実験棟において、「重力によるイネ芽生え細胞壁のフェルラ酸形成の制御機構(通称Ferulate)」(代表研究者:若林和幸 大阪市立大学大学院理学研究科准教授)の宇宙実験を開始しました。
この実験は、「きぼう」日本実験棟の細胞培養装置(CBEF)を使用して実施します。


実験に使用される試料は、5月15日(土)にスペースシャトル「アトランティス号」(STS-132ミッション)で打ち上げられました。国際宇宙ステーション(ISS)に到着後、実験準備を経て、5月27日(木)17時55分から筑波宇宙センターからのコマンドによりCBEFの環境制御を開始し、実験が開始されました。

イネ、トウモロコシ、コムギなどは食糧として欠かせない植物であり、それらが重力に対して自分の体を支えるメカニズムを知ることは非常に重要です。植物の組織・細胞を構成するさまざまな物質の中でも、細胞壁は、動物でいうところの骨格にあたる部分であり、体を支える役割を果たします。また、病害虫や微生物の侵入を防ぐと共に、水や養分の吸収やその輸送にも関係している、非常に大事な組織です。
Ferulate実験では、単子葉イネ科植物の細胞壁の「補強材」であるフェルラ酸とジフェルラ酸に着目し、これらの物質の代謝に関わる酵素の働きや遺伝子の働きが、宇宙の微小重力環境と地上でどのように異なるか調べます。

実験試料にはコシヒカリの種子を使用します。打上から実験開始までは低温を維持し、「きぼう」内のCBEFに収納し、温度を上げて発芽・生育させ、4日目、5日目、6日目の試料を凍結して地上に持ち帰ります。その後、細胞壁の強度、化学成分、酵素の働き、遺伝子の働きなどを調べます。対照実験としてCBEF内の微小重力実験区画と1G重力区画で同じように実験を行います。

研究結果は、風に倒れにくい細胞壁の丈夫なイネを作るなど地上での品種改良や、宇宙での植物生産にも役立つことが期待されます。

実験は6月2日(木)まで実施される予定です。

Ferulate実験の詳細はこちらをご覧ください。

 Ferulate実験紹介ページ:「重力によるイネ芽生え細胞壁のフェルラ酸形成の制御機構(Ferulate)」


【代表研究者 若林和幸 大阪市立大学大学院理学研究科准教授のコメント】

予定通りにスペースシャトルが打ち上がり、地上(ケネディスペースセンター)で播種したイネ種子を、宇宙で発芽・生育させる実験を始めることが出来ました。装置等のトラブルがなく無事に実験が終わる(植物が生育する)ことを願っています。この実験をサポートしていただいている多くの方々に心から感謝します。

実験運用管制室で実験の進行状況を見守る若林准教授(中央)

実験運用管制室で実験の進行状況を見守る若林准教授(中央)

 
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