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「きぼう」での実験

モデル生物(線虫)を使って、筋肉の増加・減少メカニズムに関係する遺伝子情報を調べる実験が始まりました

最終更新日:2009年11月24日

※日付は日本時間

「きぼう」日本実験棟の細胞培養装置(CBEF)を使用して実施する、線虫を使った微小重力の影響を調べる実験(CERISE)※1が開始されました。

※1 線虫 C.elegansの宇宙環境におけるRNA干渉とタンパク質リン酸化
(代表研究者:東谷篤志 東北大学大学院教授)


11月20日(金)0時24分、CERISE実験が開始されました。

CERISE実験は、任意の遺伝子の働きを抑えるしくみ(RNAi)が宇宙でも地上と同じように有効性を示すかどうかを明らかにすること、また、生体内での様々な反応でそのスイッチとしての役割を果たすタンパク質のリン酸化が微小重力環境でどのように変化するかを検討します。さらには、東谷先生らが自らが過去の宇宙実験で見出した微小重力下での筋萎縮についても注目し、モデル生物(線虫※2)を使って解析します。

RNAiは二本鎖RNAによる特異的な遺伝発現の抑制として線虫において見出され、近年、ヒトを含めた様々な真核生物(細胞の中に細胞核を持つ生物。動物、植物、菌類など)における抗ウイルス機構や逆遺伝学的手法の一つとして広く用いられています。将来の宇宙ライフサイエンス分野においてもRNAi法の活用が想定され、今回、宇宙環境下におけるRNAi効果の検証を目指します。

この実験では国際宇宙ステーション(ISS)において線虫を飼育し、初期発生を経て成虫になるまでの全過程を宇宙で過ごしたものをサンプリングします。線虫は軌道上実験終了後に冷凍保存し、2010年2月に打ち上げ予定のスペースシャトルで地上に戻り、RNAiの有効性とともに、遺伝子とタンパク質の解析を行います。

また、「きぼう」の実験室にある細胞培養装置の遠心機を用い地上と同じ1Gの重力負荷をかける対照実験も行う予定です。

実験は、11月27日まで実施します。

※2 線虫:体長約 1mm で透明な体をもつ真核生物。発生生物学における実験材料として、非常に優れた性質をもつことから、モデル生物として広く利用されている。


【代表研究者 東谷教授のコメント】

CERISEを担当されるスタッフの方々、当研究室の大学院生らにより打ち上げ数週間前からケネディスペースセンターでの搭載試料等の調整を行いました。これら作業を終えスペースシャトルに試料が運ばれ、フロリダの青空に真白い噴煙をあげてアトランティスがISSに向けて11/16に飛び立ちました。19日には「きぼう」実験棟内で無事に線虫に給餌も開始され、いよいよ宇宙実験がはじまりました。感無量です。


CERISE実験紹介ページ:線虫 C.elegansの宇宙環境におけるRNA干渉とタンパク質リン酸化

 
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