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「きぼう」での実験

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小型回収カプセルで持ち帰ったタンパク質結晶について(速報)

最終更新日:2018年11月16日

JAXAでは、小型回収カプセルの技術実証にご協力くださる大学等の先生方からタンパク質試料をお預かりし、9月23日に「こうのとり」7号機で打ち上げました。4℃で結晶化実験を行い、11月6日に小型回収カプセル内にタンパク質試料が入った結晶化容器を収納、地上に帰還させたのち、11月13日に筑波宇宙センターに結晶化容器が運ばれました。

試料の状態を確認したところ、生成していた結晶や、試料容器(ガラス細管)に破損などもなく、温度データも回収時の条件(4℃)を維持しておりました。試料はこれから詳しく解析することになりますが、国際宇宙ステーション(ISS)からのタンパク質試料の回収手段として、小型回収カプセルが有用な手段の一つであることがわかりました。

生成した結晶をいくつかご紹介します。

図1は、プロスタグランジンD合成酵素(HPGDS)の結晶です。このタンパク質(酵素)は、炎症やアレルギー反応を引き起こすプロスタグランジンD2(PGD2)という物質を合成する機能を持ちますが、本タンパク質を研究している第一薬科大学の有竹浩介教授らは、このタンパク質の構造を詳細に明らかにすることによって、筋ジストロフィーなどの治療薬開発につなげることを目的としています。

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図1 宇宙で得られたプロスタグランジンD合成酵素の結晶(出典:第一薬科大学/JAXA)



図2の大きな結晶は、キノコが生産するセルロース分解酵素(セルラーゼ:PcCel45A)の結晶です。セルロースは植物細胞の細胞壁を構成する主な成分で、こうしたバイオマスを効率よく分解し、様々な物質に変換する技術の開発が望まれています。

本タンパク質を研究している東京大学大学院農学生命科学研究科 五十嵐圭日子准教授、同大博士課程 松山佳織氏らは、今回得られた1mm3超の結晶を用いて、中性子回折実験を行う予定にしています。宇宙実験で得られた結晶で中性子回折実験を行うのは日本では初めてで、高品質なデータ取得を目指し、解析を進めます。また、JAXAでは今回の知見を今後の大型結晶生成に活かしてまいります。

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図2 宇宙で得られたセルラーゼ結晶(出典:東京大学/JAXA)


得られたタンパク質結晶は協力してくださった研究者に引き渡され、SPring-8、Photon Factory、J-PARC等の研究施設を利用した解析作業に進みます。

 
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