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「きぼう」での実験

第2回マウス長期飼育ミッションの終了後1か月速報

最終更新日:2017年10月25日
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
国立研究開発法人理化学研究所
公立大学法人横浜市立大学

国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟で行われた第2回マウス長期飼育ミッションでは、30日間の飼育を行い、12匹全個体を帰還させました。マウスの動きや外観に異常は見られませんでした。これは第1回マウスミッションに続く快挙となります。

第2回ミッションでも世界でJAXAだけが所有する遠心機能付き飼育装置を使用して、6匹のマウスを飼育しました(人工重力群)。この群のマウスは地上と同じ重力がかかった状態ですが、対照となる6匹は微小重力で飼育を行いました(微小重力群)。人工重力群と微小重力群のマウスを比較して、重力の生体への影響を検証します。また、今回は両群とも半数3匹のマウスに腸内細菌叢に効果があるフラクトオリゴ糖(FOS)入りの餌を与え、その効果の検証も行っています。

「きぼう」での第2回マウス長期飼育ミッションが終了しました。

宇宙で飼育したマウスが9月18日に地上に帰還して1か月が経過しました。今回はFOSを含まない餌を摂取したマウス6匹(人工重力群3匹、微小重力群3匹)の解析結果を速報でお伝えします。

【解析速報】

(1) 微小重力において体重は減少する(理化学研究所チーム)

ISSに運ぶ直前に、地上でマウスの体重を測定し、ほぼ同じ体重の個体を選んで、ISSへ運びました。地上に帰還した後にマウスの体重を測定し、ISSへ運ぶ前と比較したところ、人工重力群では帰還時に体重が増加していましたが、微小重力群では帰還時に減少していることがわかりました。この結果はJAXAから最近論文として発表された、第1回マウスミッションの結果と一致しています。

世界初、宇宙空間でμgから1gを可変できる実験環境"MARS"が完成
表1 帰還したマウスの体重変化
マウス 帰還時の体重
人工重力群 打上げ時より4-8%増加
微小重力群 打上げ時より1-7%増加

(2) 微小重力においてヒラメ筋は萎縮し、タンパク質の発現が変化する
   (横浜市立大学チーム、理化学研究所チーム)

ヒラメ筋はふくらはぎに存在する抗重力筋で、ISSに滞在した宇宙飛行士で細くなることが知られています。今回、マウスのヒラメ筋を調べたところ、微小重力群では人工重力群より細くなっており、重量は人工重力群の約90%に減少していることがわかりました。第1回マウスミッションでも同程度の筋萎縮が観察されました。

図1 帰還したマウスのヒラメ筋の変化(出典:JAXA/理研)

図1 帰還したマウスのヒラメ筋の変化(出典:JAXA/理研)

そこで、ヒラメ筋のタンパク質を網羅的に質量分析法で解析したところ、1,173種類のタンパク質の発現が確認されました。その中で、微小重力群において発現が2倍以上に上昇したタンパク質は87種類、1/2以下に低下したタンパク質は41種類あることが明らかになりました。現在、これらのタンパク質と微小重力との関係を検証しています。

表2 ヒラメ筋のタンパク質の発現レベル変化
(微小重力群)
微小重力群における発現量の変化 タンパク質数
2倍以上に増加 87
1/2以下に減少 41

今後は免疫系を中心としたFOSの効果を解析予定です。また、宇宙飛行士の血液等のサンプルの解析も進行中であり、マウスミッションの結果と統合して、宇宙環境が生体に及ぼす影響、人工重力の効果を検証する予定です。

 
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