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「きぼう」での実験

微小重力

スペースシャトルが飛行する高度でも重力はゼロにはなりません。300kmの高度では、地上に比べて重力は約9%少なくなるだけです。地表からいくら遠ざかっても、重力は距離の2乗に反比例して減衰するだけで、国際宇宙ステーション(ISS)や人工衛星の飛行高度でも同じ事が言えます。ではそれだけ大きな重力が働いているのに、スペースシャトル内はなぜ無重力(正確には微小重力、または低重力)になるのでしょう。

軌道に乗っているシャトルの速度が、いま秒速8kmだとします。普通だったらスペースシャトルは宇宙の彼方に飛んでいってしまうところですが、スペースシャトルには常に地球の中心に向かって引っ張る力、重力が働いています。水平方向へのスペースシャトルの推力(下図の赤矢印の方向)と、垂直方向への2つの力(下図の青矢印の方向)の働きのため、スペースシャトルは斜め方向へ飛び続け(下図のむらさき矢印の方向)、結果として地球の表面に沿って飛び続けることになります。

この状態を自由落下といい、スペースシャトル内の人々は重力から解放されることになります。重さを感じない、つまり無重量状態です。この原理はスペースシャトル以外にも当てはめられ、人工衛星でも月でも同じ事が言えます。全ての地球の周囲を回るものは、このように自由落下を続けているのです(月表面では月自身の重力が大きいので無重量状態にはなりません)。

大きな遊園地に行くとフリーフォールなどとといって、垂直に落下して疑似無重量状態を実現する乗り物があります。これはほんの短時間垂直に自由落下して、無重量に近い状態を作り出す物です。

画像:より大きな画像へ

微小重力環境の特徴と利用

では、なぜ無重力(zero gravity)ではなく、微小重力(micro gravity)と呼ばれるのでしょう。これはISSやスペースシャトルが飛行する高度400km付近の宇宙空間でも、僅かなガス(高層大気)が存在し宇宙機は常にその抵抗力を受けて加速度(減速G)が発生します。また、地球の重力と慣性の働く方向のつり合いがとれている構造物の質量中心(CP)から離れることで、それによる加速度も生じます。ほんの小さな加速度(G)ではありますが、これらの影響を受けるため、実験や活動の舞台となるISSは「無重力」ではなく「無重量」ないし「微小重力」と言われます。

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