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「きぼう」での実験

受動積算型宇宙放射線線量計(PADLES)

Passive Dosimeter for Lifescience Experiments in Space: PADLES
最終更新日:2015年11月11日

ライフサイエンス宇宙実験のための受動積算型宇宙放射線計測技術(PADLES)

見えない宇宙放射線をはかる

≫ ISS宇宙放射線環境計測データベース(PADLES)

固体飛跡検出器(CR-39)
宇宙線粒子が通過するとその飛跡を記録するプラスチック。
薬品で表面を溶かすと記録した飛跡が顕微鏡で観察可能なエッチピット(穴)になります。この穴の形を調べると、飛んできた方向やそのエネルギーの大きさなどがわかります。
熱蛍光線量計(TLD-MSO)
放射線を照射した後に加熱すると光(熱蛍光)を放出する結晶。光量をはかると照射した放射線の量がわかります。
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パッケージ展開写真 パッケージ設計図

宇宙放射線が生物に様々な影響を与える

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宇宙放射線被曝の謎

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PADLESドシメータパッケージ

スペースシャトルや国際宇宙ステーション(ISS)が飛行する軌道400kmの高度では、長期間滞在する宇宙飛行士や搭載される生物試料は、宇宙放射線と微小重力環境の両方の影響を受けます。

宇宙放射線は宇宙に長期間滞在する人間や生物に様々な影響を与えると予想され、アポロ計画の時代から今日まで、動物、植物、菌類、細胞などの生物試料を用いて宇宙実験が行われてきました。これまでの宇宙実験で、宇宙滞在中の被ばくによって突然変異の誘発、奇形、細胞死などの現象が起こることがわかってきましたが、遺伝子や細胞などの損傷と修復を含めた放射線影響のメカニズムについては、ほとんど解明されていません。

いつも、どこでも一緒に

CR-39プラスチック飛跡検出器
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使用前のプラスチック板 化学処理後に見える貫通した放射線の飛跡
※CR-39(ハーツラスTD-1、フクビ化学工業(株))

宇宙環境下での生物影響を科学的に解明するためには、宇宙実験中の生物試料の被ばく量や線質などの環境データ情報を把握することが必要です。搭乗員や生物試料への放射線影響を調べることが、重要な研究分野となっています。搭載される生物試料の宇宙放射線影響を解析するために、生物試料とともに宇宙放射線量計「PADLES(パドレス)ドシメーターパッケージ」を宇宙へ持っていきます。

小さなカラダに大きなチカラ

TLM-MSO熱蛍光線量計

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※TLD-MSO素子(珪酸マグネシウム、化成オプトニクス(株))

PADLES は、2種類の線量計素子を組み合わせた生物実験用ドシメーターパッケージとその自動線量解析システムです。

PADLESドシメーターパッケージは、宇宙放射線を測定するための素子として、CR-39プラスチック飛跡検出器とTLD-MSO熱蛍光線量計の2種類の検出器を内部に収納しており、宇宙滞在中の生物試料の被ばく線量を測定します。パッケージは最小2.5cmから作成でき、実験にあわせて大きさを変えることもできます。

CR-39プラスチック飛跡検出器

CR-39は、眼鏡のレンズにも良く使われるジエチレングリコールビスのプラスチック板で作られています。この板に放射線粒子が入射すると、この粒子の通り抜けた跡にそって、板に損傷が生じます。化学処理をすると、この損傷部分が侵食され、エッチピットと呼ばれる飛跡ができます。このエッチピットの形と数を詳しく調べることで、入射した粒子の位置や、吸収線量がわかります。

TLD-MSO熱蛍光線量計

TLD-MSOは、Mg2SiO4:Tb(ケイ酸マグネシウム)の結晶をパイレックスガラスで封入した素子です。TLD-MSOは、放射線が入射した後に加熱すると、その放射線粒子のエネルギーに比例した熱蛍光を放出します。その光量を測ることでTLDに吸収された放射線のエネルギーがわかります。

定期的にスペースシャトルやISSの軌道上から回収される多量の生物試料のドシメーターパッケージのふたつの素子の線量計解析に対応するために、PADLES解析プロセスの自動・高速化を行いました。TLDの解析プログラムと、CR-39の解析プログラムを組み合わせた「自動線量解析システム」を整備し、回収後2週間で宇宙放射線環境データの解析・提供を行うことを目指しています。

PADLESシステムを利用した搭載実験例

Area PADLES

Area PADLES線量計は、「きぼう」船内の17ヶ所に設置され、約半年ごとに回収・交換設置されます。本実験は、2008年6月に船内実験室が国際宇宙ステーション(ISS)に取り付けられると同時に開始され、現在も継続して実施されています。

スペースシャトルの退役後は、ロシアの宇宙機関とJAXAとの宇宙放射線に関する研究協力の一環として、Area PADLES線量計はソユーズ宇宙船による打上げ・回収が行われています。

≫成果

Area PADLES線量計の設置位置(船内実験室に12カ所、その上の船内保管室に5カ所)


Crew PADLES

ISS第28/29次長期滞在(2011年6月-11月)で古川宇宙飛行士が携帯したCrew PADLES線量計

Crew PADLESは、ISS搭乗宇宙飛行士の被ばく管理を行うための個人被ばく線量計として使われており、PADLES線量計測素子が封入されたポリカーボネート製のケースにストラップが付いたもので、軌道上で宇宙飛行士が携帯しやすい形状になっています。宇宙放射線による被ばく線量を計測するための宇宙版フィルムバッジです。

≫成果


国際共同宇宙放射線計測「マトリョーシカ」実験

画像:クリックして拡大 画像:クリックして拡大

ロシアサービスモジュール
マトリョーシカ実験

宇宙飛行士の船外活動を模擬した人体ファントムを船外に設置して、船外活動中の被ばく線量評価を行います。人体ファントムの頭部にPADLESドシメーターパッケージを搭載しています。

≫「宇宙放射線計測マトリョーシカ実験」詳細ページへ
≫成果

国際共同宇宙放射線計測「アルトクリス」実験

ISSの「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)と「ピアース」(ロシアのドッキング室)において、宇宙飛行士の個室で使用されているものと同じ厚さのポリエチレンブロックに取り付けた線量計とポリエチレンブロックで遮へいしていない線量計を用いて、宇宙放射線による被ばく線量の計測を行いました。

2005年12月から2007年10月までズヴェズダとピアースにて、4回の搭載実験を実施しました。この実験で使用したPADLES線量計には、個人被ばく線量をより正確に評価するための生体等価物質(NAN-JAERI)を封入し、宇宙飛行士の個人被ばく線量計への適用評価もあわせて行いました。

※日本原子力研究開発機構 津田氏提供。

≫成果

ISSロシアモジュール船内での実験の様子
①ポリエチレンブロック上部 【遮へいあり】
② ポリエチレンブロック下部 【遮へいあり】
③ 船壁 【遮へいなし】

PADLES線量計


ISS宇宙放射線環境計測データベース
受動積算型宇宙放射線線量計パンフレット [PDF 343KB]

 
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