サイトマップ

宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター
宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センタートップページ
  • Menu01
  • Menu02
  • Menu03
  • Menu04
  • Menu05
  • Menu06
  • Menu07

「きぼう」での実験

ポート共有実験装置(MCE)

Multi-mission Consolidated Equipment: MCE
最終更新日:2015年04月21日

MCE ロゴ

MCEのミッションロゴ

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「きぼう」日本実験棟船外実験プラットフォーム第2期利用として、“ポート共有実験装置(MCE)”の開発を行いました。

船外実験プラットフォームには、「ポート」と呼ばれる実験装置を取り付けるための接続ポイントがあります。MCEは、比較的小型の5つのミッションをひとつの実験装置に混載し、ポートを共有して実験・観測を行う実験装置です。

「きぼう」船外実験プラットフォーム(MCEを設置した状態のイメージ)

「きぼう」船外実験プラットフォーム(MCEを設置した状態のイメージ)

これまでに船外実験プラットフォームに搭載された実験装置には、宇宙環境計測ミッション(SEDA-AP)、全天X線監視(MAXI)、超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(SMILES)があります。

SEDA-APは宇宙環境を計測する、MAXIは全天のX線天体を監視する、SMILESはオゾン層破壊物質を観測するというひとつの目的をもった装置です。

一方、MCEは、5種類の独立した目的を持つミッション機器をひとつの実験装置に搭載した実験装置です。これにより、ひとつのポートで、様々なミッションを実施することが可能になりました。

写真:「きぼう」船外実験プラットフォームに取り付けられたMCEと、船外活動を行う星出宇宙飛行士

「きぼう」船外実験プラットフォームに取り付けられたMCEと、船外活動を行う星出宇宙飛行士

MCEは「きぼう」の船外実験プラットフォームに取り付けられ、以下の5つのミッションを行います。これらのミッションは、「国際宇宙ステーション・きぼう利用推進委員会」およびその分科会である「曝露部分科会」によって審議・評価を行い、選定されたものです。

MCEは、2012年7月21日に宇宙ステーション補給機「こうのとり」3号機(HTV3)で打ち上げられ、同年8月9日に船外実験プラットフォームへ取り付けられました。


(1) 地球超高層大気撮像観測(IMAP)

ミッション名 地球超高層大気撮像観測
IMAP(Ionosphere,Mesosphere,upper Atomosphere, and Plasmasphere mapping)
[PDF: 131KB]
提案機関 京都大学大学院
代表研究者 齊藤 昭則
ミッション概要 地球超高層(高度80km以上)における、大気光とプラズマ共鳴散乱光の2つの光学現象を可視、近赤外、極端紫外の3つの波長域で観測し、地球大気と宇宙空間の境界領域において発生する擾乱の物理機構を解明する。
成果 竜巻が超高層大気に起こす波動を捉えた!

2013年6月1日に北アメリカ上空でVISI は酸素分子からの大気光(波長762nm)の同心円状の構造を観測しました(図左)。この構造は、高度95km に現れていて、中心から円の外側に向けて1,000km 以上にわたってほぼ減衰せずに同心円状の波が伝播していることが分かりました。図3 右は、この構造の主な波面(赤い円)と、対流圏(地上からの高度10km くらいまで)の雲の頂上の温度を重ね合わせたものです。雲の頂上の温度が低いほど、雲が高い高度まで伸びて、雲が活発に成長していることを示します。図中の青い星印は、大気光同心円構造の中心を表しています。この中心付近に温度の低い活発な雲が分布していることがわかります。この活発な雲は、数時間前に地上で強い竜巻を起こして、大規模に発達したものでした。この雲が大気を揺さぶり、その大気の波が、上空に伝わり、地球大気と宇宙空間のはざまである高度100km 付近の薄い大気を揺さぶり、大気光の同心円状構造としてVISI に観測されたと考えられます。大気光観測を通じて地球の超高層大気と下層大気(対流圏など)との結びつきを明らかにした結果です。

図 VISI の波長762nm 大気光観測(左)と雲頂上の温度(右。データ:NCEP/NCAR)。(Akiya et al., GRL, 2014)

参考:「地球超高層大気撮像観測ミッション(ISS-IMAP)」の初観測データ取得について

関連ページ

(2) スプライト及び雷放電の高速測光撮像センサ(GLIMS)

ミッション名 スプライト及び雷放電の高速測光撮像センサ
GLIMS(Global Lightning and Sprite Measurement Mission)
[PDF: 183KB]
提案機関 大阪大学大学院
代表研究者 牛尾 知雄
ミッション概要 CMOSカメラ,フォトメータ,VHF干渉計,VLF受信機を用いて、雷放電及びスプライト現象を観測し,高高度放電発光現象・雷放電の全球分布とその変動,スプライト水平構造の観測と対応する雷放電進展の時間・空間分布の差,高高度放電発光現象の電子エネルギーの特定,雷放電・スプライトとガンマ線放射生起時間の差と放電過程の特定を行う。(スプライト:落雷に伴い高度40~90kmの上空で発光する現象)
成果 スプライトの真上観測に多数成功ー世界最先端のデータの取得を継続中

JEM-GLIMS は2012 年12 月から定常観測を開始し、現在まで順調に雷発光の観測データ取得を継続しています。2014 年11 月末までに約5050 例の雷発光の検出に成功しており、そのうち約500例が雷放電に伴ってその上空で生じる高高度放電発光現象を伴っていることを初めて突き止めました。

図1 は、2014年6月10日に西アフリカ上空で観測された雷放電発光とスプライト発光です。広帯域カメラ(LSI-1)と狭帯域カメラ(LSI-2)の画像データを演算処理すると、スプライト発光を選択的に抽出することができます。
この例では、スプライト発光が雷発光の最大点から約10km 程ずれて発生したことが分かります。このように強烈な雷発光から微弱なスプライト発光を検出する手法をGLIMS ミッションチームが初めて開発し、数年後に打上げが予定される欧州の雷放電・スプライト真上観測ミッション(ASIM, TARANIS)は、我々の成果を参照することになるでしょう。

図1 2014 年6 月10 日に西アフリカ上空で観測された雷放電発光とスプライト発光。
(a)33ms の時間間隔で広帯域カメラ(LSI-1)により観測された発光と、狭帯域カメラ(LSI-2)により観測された発光。
(b)(a)のFrame 2 のLSI-1、LSI-2 画像データを演算処理するとスプライト発光を抽出することができる。

図2 は、2014年10月4日に北米フロリダ半島東部の大西洋上で観測されたVLF 帯の雷放電ホイッスラーの例です。雷の最大放電電流値が大きい雷ほどこのような波動を放射しますが、GLIMS で常にこのような波動が観測されるわけではありません。高度100 km 以上に存在する電子密度の濃い領域を電離圏と呼びますが、この電離圏がある条件を満たす場合にのみ、このような波動がISS のGLIMS で観測されることになります。GLIMS の観測データからどういう条件で電波が電離圏を透過してきたのか、電離圏でどのような擾乱が発生していたのかを調べることができます。

図2 2014 年10 月4 日に北米フロリダ半島東部の大西洋上で観測された雷放電ホイッスラー。
(上)GLIMS のVLFR によって観測された雷放電ホイッスラーの波形データ。(下)波形データのダイナミックスペクトル。雷放電は複数回にわたってホイッスラーを放射したことが分かる。

図3 は、2013 年8 月15 日にブラジル上空で観測された雷放電によって放射されたVHF 波動の波形データです。2 式のVHF アンテナで同時観測された波形データから波動の放射源位置を推定することができます。宇宙空間から雷放電放射VHF 波動の放射源を特定したのはGLIMS が世界で初めてです。

画像:より大きな画像へ

図3 2013 年8 月15 日にブラジル上空で観測された雷放電放射VHF 波動。
(a)VITF A 系とB 系で観測されたVHF波動。(b)干渉法と群遅延法を併用して波動の放射源を推定する手法を世界で初めて確立した。(c)GLIMS のカメラ画像上に描画したVHF 波動の放射源位置。

関連ページ

(3) 宇宙インフレータブル構造の宇宙実証(SIMPLE)

ミッション名 宇宙インフレータブル構造の宇宙実証
SIMPLE(Space Inflatable Membranes Pioneering Long-term Experiments)
[PDF: 195KB]
提案機関 東京大学大学院
代表研究者 青木 隆平
ミッション概要 インフレータブル構造(袋状の膜材を気体による内圧によって膨らませて利用する超軽量構造)を実際の宇宙環境のもとで長期間運用し、その実用性を実証するとともに今後の宇宙構造物への適用のための基礎データを集める。
成果 宇宙空間でインフレータブルチューブや形状記憶ポリマの伸展に成功

①世界で初めて剛性(曲げやねじりなどの力に対し変形しにくい性質)の高い直線状のインフレータブ ル構造物である伸展マスト(IEM) の伸展に成功、固有振動数(質量や構造的な剛性で決まる固有の 数値)など軌道上データを継続取得しています。
IEM の固有振動数は地上での予測値を維持しており、剛性は変化していません(図1)。つまり、この構造の軌道上劣化は伸展後7ヶ月以上が経過しても認められませんでした。今後、さらに長期間宇宙空間にさらされたときの変化を調べていきます。

②空気で1気圧に保たれたテラリウムの展開に成功。

③宇宙にさらされた環境で、世界で初めて形状記憶ポリマの伸展(形状回復)に成功。また、紫外線硬化樹脂の硬化も確認。

図1 伸展マスト(IEM)の固有値計測結果(軌道上7 ヶ月間)

関連ページ

(4) EVA支援ロボットの実証実験(REXJ)

ミッション名 EVA支援ロボットの実証実験
REXJ(Robot Experiment on JEM)
[PDF: 153KB]
提案機関 宇宙航空研究開発機構
代表研究者 小田 光茂
ミッション概要 宇宙飛行士の船外活動(EVA)を支援するロボットに不可欠な空間移動機能、作業機能を伸展式の腕とテザーを内蔵するロボットにより実証する。
成果 有人支援ロボットの実現へと繋がる世界初のロボット技術を獲得

①宇宙における伸縮自在のロボットアーム技術(図1)

軽量で伸び縮み可能なロボットアームを開発し、宇宙での動作を世界で初めて実証しました。この実証により、宇宙における伸縮自在のロボットアームに必要な以下の技術を獲得しました。

  • 軽量で高い伸縮比を持つロボットアーム技術
  • 伸展式ロボットアーム先端部の位置決め制御技術

画像

図1 伸展式ロボットアームの実験イメージCG と実際のカメラ映像
本実験では、アームを約1m 伸ばし実験装置の外部に手先のカメラとハンドを出すことで、伸展式ロボットアームの正確な位置決め制御技術を実証しました。

②宇宙におけるテザーを用いた空間移動技術

取付け/取外し可能なテザーを用いて移動する方式のロボットを開発し、宇宙での動作を世界で初 めて実証しました。この実証により、以下のテザーを用いたロボットの空間移動に必要な技術を獲得しました。

  • テザーの付け外しによる移動領域設定技術(図2)
  • ロボット本体の安定した移動制御技術(図3)
画像

図2 ハンドレールへのテザー取付けの実験イメージCG と実際のカメラ映像
本実験では、テザーをハンドレールに取付け/取外しをすることで、テザーの付け外しによるロボットの移動領域設定技術を実証しました。

画像

図3 テザー制御によるロボット本体移動の実験イメージCG と実際のカメラ映像
本実験では、3本のテザーの長さを制御してロボット本体を移動させることで、ロボット本体の安定した移動制御技術を実証しました。

本ミッションには、東京工業大学JAXA 連携講座の学生が参加しました。

関連ページ

(5) 船外実験プラットフォーム用民生品ハイビジョンビデオカメラシステム(COTS HDTV-EF)

ミッション名 船外実験プラットフォーム用民生品ハイビジョンビデオカメラシステム
(COTS HDTV-EF)
[PDF: 185KB]
提案機関 宇宙航空研究開発機構
ミッション概要 民生品のハイビジョンビデオカメラを使用して、高度400kmから国際宇宙ステーション直下の地球表面(画面内範囲200km×350km)を動画像撮影し、民生品ハイビジョンカメラの曝露環境での宇宙実証を行う。
成果 船外からのクリアな映像を撮影

①宇宙空間(真空環境)で民生品カメラが使用可能なことが実証できました。

②美しい地球の高精細な観測映像が撮影できました。
ISS船内から撮影する場合は、窓ガラスの汚れ・傷・船内情景の反射が映像に映り込んでしまいます。この船外カメラを用いた宇宙空間からの直接撮影により、明瞭な地球の姿が撮影できるようになりました。

③宇宙飛行士の手を煩わすことがないので、24時間いつでも地上からの遠隔操作のみで地球の撮影ができます。(但し、映像を地上に伝えるためには衛星回線の通じる軌道域である必要があります。)

④宇宙放射線によるCMOS撮像素子の損傷頻度と程度のデータが取れ続けています。CMOSカメラは旧来のCCD撮像素子に比べ損傷頻度は1~2桁少なく撮像素子が損傷し難いことが判りました。また損傷しても明るい日照地球表面観測撮影では画像上に傷は現れません。夜景のような暗い日陰撮影の時のみ増感度により傷が現れます。
現在、地上の民生品カメラの撮像素子の多くはCMOS撮像素子です。現行の民生品CMOSビデオカメラであれば宇宙空間で数か月にわたって美しい画像が撮影可能であることが期待できるようになりました。

⑤国際的な自然災害対応を支援しています。「自然または人為的災害時における宇宙設備の調和された利用を達成するための協力に関する憲章(国際災害チャーター)」の枠組みや、アジア・太平洋地域の自然災害の監視を目的とした国際協力プロジェクト「センチネルアジア」を通じて、災害対応のために映像提供を開始しました。

⑥文部科学省の委託研究「きぼうハイビジョン・アースビュー教育システム」のWEB サイトを介してこの船外カメラで撮影した美しい地表・海洋の観測映像のリアルタイム配信および動画アーカイブ配信を科学館・学校へ向けて開始しました。

撮影映像(ビデオ映像からのキャプチャ写真)

画像

巨大な低気圧の渦を纏った青い地球

画像

アムール川の洪水(自然災害観測)


画像

アフリカ 火山

画像

日本 (冬の東北 津軽海峡)

関連ページ

ポート共有実験装置の概要図

ポート共有実験装置の概要図

 
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency サイトポリシー・利用規約