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「きぼう」での実験

全天X線監視装置(MAXI)の成果

最終更新日:2015年05月14日

数々の世界的な新発見

①ブラックホール候補天体の発見と観測:MAXI は2014 年までに計6個のブラックホール候補天体を含むX 線新星を計14 個発見しています。MAXI が打ちあがる前はX 線新星の発見は年1 個程度だったのに対し、MAXI だけで年2 ~ 3 個というのは世界最短・最速ペースです。MAXI で発見したブラックホール候補天体の1つ目MAXI J1659-152 は、日本にとっては実に19 年ぶりの銀河系内ブラックホール候補天体の発見でした。MAXI 打ち上げ後、世界で発見されたブラックホール候補天体のうち約半分をMAXI が発見しています。MAXI のデータを使って、ブラックホール候補天体の質量などを求めています。

②X線連星パルサーの観測:MAXI はこれまでX線連星パルサー(強いX 線を規則的に放射している天体)について30 回以上の増光(X 線が強くなること)を確認しています。GX304-1 については30 年ぶりにMAXI が増光をとらえ、引き続き同じGX304-1 からの約10 倍規模の増光もとらえました。後者の増光の情報をMAXI から受けて、日本のX 線天文衛星「すざく」がより精密な観測を行い、非常に強い磁場が存在する証拠を発見しました。別の天体MAXI J1409-619 については、MAXI の発見を受けて米国のSwift 衛星が精密観測を実施し、X線強度の規則的な変動(パルス)を見つけました。

③星のX線増光:星(進化の初期段階の星を含む)のX線増光をこれまでに22 個の天体から70 回検出しました。あらゆる空の方向をわけへだてなく観測するMAXI によって、いろいろな種類の星から、大小さまざまな増光を観測することに成功しました。これらの観測により、連星ではない孤立した進化初期段階の星が非常に大きな増光を起こしうることを観測によって明らかにしました。

④活動銀河核の観測と、巨大ブラックホールが星を飲みこむ瞬間の観測:活動銀河核の一種であるブレーザーMkn421 から宇宙ジェット起源のX線増光(過去最高強度)を検出し、その放射メカニズムを詳細に調べました。MAXI と米国のSwift 衛星は、他の銀河から単発のジェット起源と解釈できる放射を検出し、これを「巨大ブラックホールが星を飲み込む瞬間を捉えた世界初の観測」として発表しました(2011年8 月に科学誌Nature に掲載)。

図1 巨大ブラックホールが星を飲み込む様子を示したイメージ図
(出典:NASA/ Goddard Space Flight Center/Swift)

⑤MAXI 天体カタログ:MAXI の初期の観測データを用いて天体目録を作成し発表しました。明るい天体の顔ぶれが30年前につくられたX線天体の目録と比べて大きく変わっていることを明らかにしました。また、近傍にある活動銀河のX線明るさ分布を高い精度で決定しました。

⑥極超新星爆発の痕跡を発見:白鳥座方向に”極”超新星爆発の痕跡を見つけました。この爆発は、通常の超新星爆発の100 倍も大きなもので、その規模から”極”超新星だと推定しました。我々の住む天の川銀河では、極超新星もその痕跡もこれまでみつかっておらず、天の川銀河内での世界初の発見です。

図2 右図:MAXIのX線CCDカメラ(MAXI/SSC)で取得した2.5年分のデータから作成した全天のX線画像。四角枠で囲った広がった天体が極超新星の痕跡であることを、MAXIの観測は明らかにした。
左図:この極超新星の痕跡を地表から見たときの大きさを示した。差し渡しは満月の約40倍。(注:実際には、地球の大気に邪魔され宇宙からのX線を地表から観測することは出来ない。)

⑦新生爆発初めの火の玉から放たれたX 線閃光を発見:新星爆発開始直後に生じた火の玉のX 線観測に世界で初めて成功しました。この閃光は非常に重い白色矮星で起こった新生爆発の初期に星全体を包み込んだ「火の玉」からの放射であり、理論予測はされていましたが観測は世界初です。 これまでの予測を超えた明るさだったため、新星と白色矮星の理論に大きな影響を与えました。

図3 通常の新星爆発とMAXI が火の玉閃光を捉えた新星爆発の比較

 
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