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「きぼう」日本実験棟

「きぼう」日本実験棟の「2010年度グッドデザイン賞ベスト15(グッドデザイン大賞候補)」受賞について

最終更新日:2010年9月29日

グッドデザイン金賞の表彰式の様子

11月10日、2010年度グッドデザイン賞(主催:財団法人日本産業デザイン振興会)の大賞を選出する式典が開催され、「きぼう」日本実験棟はグッドデザイン金賞を受賞しました。2010年度グッドデザイン賞の結果は以下のページでご覧になれます。

http://www.g-mark.org/archive/2010/award-best15.html

「きぼう」にたくさんの応援メッセージ、大賞予想投票をお寄せいただき、ありがとうございました。


「きぼう」のプレゼンテーションを行う筒井計画マネージャ

「きぼう」のプレゼンテーションを行う筒井計画マネージャ


「グッドデザイン賞(金賞)」記念品を手にする白木理事(左)と筒井計画マネージャ(右)

「グッドデザイン賞(金賞)」記念品を手にする白木理事(左)と筒井計画マネージャ(右)


国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟(出典:JAXA/NASA)


宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、このたび財団法人日本産業デザイン振興会が主催する2010年度グッドデザイン賞(Gマーク)にて「グッドデザイン賞ベスト15」を「きぼう」日本実験棟で受賞しました。

「グッドデザイン賞ベスト15」は2010年11月10日(水)に選出される大賞の候補となります。

「きぼう」は、日本、米国、ロシア、欧州各国、カナダの世界15ヵ国が協力して地球周回軌道上に建設する国際宇宙ステーション(ISS)の施設のひとつとして1985年から計画がはじまりました。

当時日本には人工衛星やロケットを開発する技術はありましたが、地上から隔絶された極限の宇宙環境において宇宙飛行士の生命を守り、安全で快適な実験・作業空間を提供することは日本初めての取り組みで、開発に関連した企業は650社におよびました。


「きぼう」の中で作業を行うNASAのクルー(出典:JAXA/NASA)

2009年に完成した「きぼう」は、地上からの管制により「きぼう」の安全を維持しながら、地上では実現できない環境を利用した様々な実験や観測に日々使用され、これまでに300名近くの研究者等に利用されています。


「きぼう」のシステムを監視する「きぼう」運用管制室(出典:JAXA)

今回、グッドデザイン賞では特に「耐久性、安全性、操作性、高気密性など極限まで追求し、宇宙デブリ(ゴミ)からもプロテクトする新工法が考えられており宇宙スケールのグッドデザインである」と高く評価されました。

JAXAでは、今回の受賞を機に、より多くの方々に「きぼう」を利用いただき、科学的知見を得ること、地上の生活へ成果をフィードバックさせること、また日本の将来の有人宇宙活動を支える技術とデザインを開拓することを目指してまいります。

なお、本年度グッドデザイン賞表彰式は、11月10日(水)に東京ミッドタウン・ホール(東京都港区)で開催される予定です。

応募対象名:

きぼう日本実験棟(英文標記:Japanese Experiment Module Kibo)

グッドデザイン賞審査委員による評価コメント:

宇宙からのテレビ中継で「きぼう 日本実験棟」での実験は、微小重力環境を利用した物理現象の解明、植物や細胞を利用した放射線や微小重量の生命現象への影響解明することなど多岐に渡る。この実験の様子を見ていると、子どもの頃ワクワクして化学実験などを行った記憶が蘇ってくる。その実験結果は地球上では考えられない不思議さが満載であり、大人でさえも好奇心がムクムクと湧いてくる。「きぼう」は耐久性、安全性、操作性、高気密性等々を極限まで追求しており、隕石からのプロテクトなどさまざまな新素材や新工法が考えられている。削ぎ落とされた機能的であり即物的な姿はとても美しい。「きぼう 日本実験棟」は、まさに地球環境問題を俯瞰できる叡智の集大成施設である。宇宙開発においてはアポロ、ソユーズなどの米ソが主役であったが、今回世界15ヵ国と協力して地球周回軌道上に建設を進めている国際宇宙ステーションの施設製作に参加している。昨今の日本人宇宙飛行士たちの大活躍とこの「きぼう」の開発とその功績は群を抜いてすばらしい。疲弊した元気のない日本社会に、夢と希望を与える施設であり、まさに今の時代を反映した宇宙スケールのグッドデザインである。

※「グッドデザイン賞(Gマーク)」は、1957年に通商産業省(現経済産業省)によって設立された「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」を継承し、1998年より財団法人日本産業デザイン振興会の主催事業として運営される、日本唯一の総合的なデザイン評価・推奨制度です。これまで50年以上にわたり、新しい時代の文化と生活を創造することを目的に「より豊なライフスタイル」と「良いビジネス」を導く運動として展開され、今日では国内外の多くの企業や団体が参加しています。また、「グッドデザイン賞」受賞のシンボルである「Gマーク」は良いデザインを示す象徴として広く一般に親しまれています。

受賞に関する関係者の声

■「きぼう」日本実験棟の開発者代表

白木 邦明

宇宙航空研究開発機構 理事

(開発当時は宇宙開発事業団(NASDA) JEMプロジェクトマネージャ)

写真:白木 邦明

この度「きぼう」が、栄えあるグッドデザイン賞ベスト15という、権威があり、また知名度の高い賞を、JAXAのみならず、「きぼう」の開発に参加した多くの企業とともに拝受するはこびとなり、関係者一同喜びにたえません。宇宙ステーショ ンといえば、そこで行われる実験や宇宙飛行士に注目が集まりがちですが、その活動の場である「きぼう」が、その設計に対して表彰を拝受できたことは、「きぼう」の設計者冥利に尽きるものであり、開発に携わった全てのものの励みになるものであります。この受賞を契機に、益々宇宙環境利用の裾野が広がること、 並びに日本の科学技術が一層発展することの一助となることを期待しております。

筒井 史哉

宇宙航空研究開発機構 有人宇宙環境利用ミッション本部

事業推進部 計画マネージャ

(開発当時はNASDA 宇宙環境利用システム本部 副主任開発員)

写真:筒井 史哉

「きぼう」は、これまでにない宇宙環境利用の場を提供すべく、お手本となるものが無いなかで手探りの状態から仕様の一つ一つを細かく検討し議論して作り上げてきたもので、携わってきた我々とメーカの設計者の方々の知恵と思いが詰まっています。この受賞を機会にして、宇宙環境利用がより身近になり、より多くの方々に「きぼ う」の利用に興味をもっていただけることを期待しています。

■「きぼう」の主な開発メーカ

福田 信彦

三菱重工業株式会社 名古屋航空宇宙システム製作所 宇宙機器技術部主幹プロジェクト統括

写真:福田 信彦

二十数年前に“宇宙ステーション取付型実験モジュール(JEM)”という硬い名前で開発が始められた「きぼう」ですが、今では日本人宇宙飛行士の活躍の場として広く知られるようになり、更には今回グッドデザイン賞で“製品として”高い評価を頂くにまで至りました。担当した製造企業としては喜びで一杯です。今後も「きぼう」で得られた多くの成果を次世代の有人宇宙プログラムで生かせる様、企業としても努力して参りたいと思います。

※三菱重工業株式社は、「きぼう」の船内実験室および船内保管室の開発を行いました。

村上 淳

株式会社IHIエアロスペース 営業部 次長、開発当時は宇宙技術部 次長

写真:村上 淳

「きぼう」が計画から完成までほぼ25年の歳月を要しました。52年の歴史ある賞「グッドデザイン賞」は、「豊かな社会を築く為の好ましい循環を、デザインを通じて作り出しているか」が審査の大きな基準と聞いています。「きぼう」が宇宙に浮かぶ実験施設であり、遠い存在ではなく、我々の生活に役立つ新たなる知見を切り開いて行く場所としてデザインの良さが認められたのかと思っています。技術者冥利に尽きます。

※株式会社IHIエアロスペースは、「きぼう」の船外実験プラットフォームおよび船外パレットの開発を行いました。

桑尾 文博

日本電気株式会社 JEMプロジェクトマネージャ

写真:桑尾 文博

「きぼう」がグッドデザイン賞を受賞し、チームの一員として大変うれしく思います。当社は主に、「きぼう」システムのロボットアーム、衛星間通信システム、管制制御装置と地上の運用管制システムの開発を担当させて戴きました。特にロボットアームが実験装置/曝露パレットの取付/取外等の作業を軌道上で実施している姿を写真/ビデオで見せて戴き、その機能的な美しさに感激しました。「きぼう」が今後様々な成果をあげることを期待しています。

※日本電気株式会社は、「きぼう」のロボットアームや通信機器の開発を行いました。

■「きぼう」で実験や観測を行うユーザ代表

浅島 誠

(独)産業技術総合研究所フェロー兼幹細胞工学研究センター長、東京大学名誉教授

写真:浅島 誠

2009年3月に私達は「きぼう」日本実験棟で「Dome Gene」(カエルの腎臓細胞の宇宙での形態形成や遺伝子発現について)の実験を行いました。船内には実験がやりやすい空間に、良く設計された細胞培養装置や顕微鏡などの設備が配置され、比較実験のために地球と同じ重力を与える装置も搭載されました。遠隔操作がスムーズにできるようなシステムを設計の段階から入れていたことは驚嘆に値し、日本の技術の素晴らしさと匠の技が随所に見られました。「きぼう」の船内では次々に新しい生命科学などの実験が行われており、重要なデータが次々と出てきています。素晴らしい設計思想と安全性を重視しながら、研究者の要望にも応えて実験する上で、「きぼう」は極めて使い勝手の良いものであることを実感しています。

松岡 勝

理化学研究所 基幹研究所 宇宙観測実験MAXIグループ 特別顧問

写真:松岡 勝

「きぼう」の船外実験装置で宇宙観測をしている担当者からみて「きぼう」のデザインはよくできているとみていました。「きぼう」を有効に利用できる観測課題としてほぼ全地球または全宇宙を観測しやすいデザインになっています。「きぼう」船外実験施設は揺れを心配していたが、星の観測に支障をきたすことのない硬い構造でした。「きぼう」の使いやすさは、早くからこれを使う一般ユーザとの議論を重ねた結果が実ったものと思います。

■「きぼう」日本実験棟で作業を行う宇宙飛行士および地上から「きぼう」を運用する運用管制員

若田 光一

宇宙航空研究開発機構 有人宇宙技術部 宇宙飛行士グループ長、第18~20次ISS長期滞在クルー

写真:若田 光一

今回の受賞を本当に嬉しく思います。「きぼう」は安全性、機能性、操作性においても優れたシステムであると共に、静かで快適な居住環境を実現し、世界に誇れる日本の有人宇宙実験施設だという印象を持ちました。

酒井 純一

宇宙航空研究開発機構 JEM運用技術センター 技術領域リーダ、JEMフライトダィレクタ

写真:酒井 純一

二十数年、開発に携わった多くの方々の努力が報われる思いが致します。実際に日々運用していて感じる事は、まじめに丁寧に作られた設備であることです。誰からも愛され、利用される設備を目指し、これからも大切に運用いたします。



 
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