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よくある質問

宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)に関するQ&A

「こうのとり」とATVの違いは何ですか

宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)は、国際宇宙ステーション(ISS)へ補給物資を運ぶため、日本が開発する無人の輸送機です。

一方、欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)はISSへ補給物資を運ぶための、欧州宇宙機関(ESA)が開発する無人の輸送機です。

※ ATVは2015年2月のATV-5ミッションの終了を最後に計画が終了しており、その後ESAはISSへの物資補給から撤退しました。

「こうのとり」とATVは、どちらもISSへ補給物資を運ぶための無人の輸送機ですが、細かく見ると以下のような違いがあり、双方を使い分ければ、それぞれ補完的な役割となることが分かります。

比較項目 HTV ATV
打上げロケット H-IIBロケット アリアン5ロケット
搭載能力 補給品 6.0トン 7.6トン
不要回収品 6.0トン 6.3トン
搭載品 船内用物資
船外用物資(曝露機器等) ×
大型の船内実験装置(ラック)
(開口部が広いため)
×
推進剤 × ○(4.7トン)
結合関連 結合箇所 「ハーモニー」(第2結合部)の地球側の共通結合機構(Common Berthing Mechanism: CBM) 「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)後部のドッキングポート
結合方法 ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)で把持された状態で結合(近傍運用) 自動で結合
結合機構 共通結合機構(CBM) ロシアの結合機構
ハッチの直径 127cm(開口部) 80cm
ISSのリブースト(軌道上昇)機能 ×
(○:可能、×:不可)          

最終更新日:2017年12月27日

「こうのとり」が大気圏に再突入して燃え尽きる様子を日本から見ることはできますか

「こうのとり」は、南太平洋上に落下させるため、ニュージーランド東の海上上空辺りで大気圏に突入させます。日本からは南半球の空を見ることができないので、大気圏に突入する「こうのとり」の様子を見ることはできません。

「こうのとり」を大気圏再突入させる手順としては、「こうのとり」のスラスタ(小型のエンジン)を噴射して軌道制御を行い、これまで飛行していた地球周回軌道を離脱する地点を遠地点、落下予定地点を近地点とする長楕円軌道に投入します。そして、ニュージーランド東の海上上空辺りで大気圏(高度120km)に再突入し、中間圏(高度80km)で空力加熱による機体の破壊(溶融分解)が始まり、最後まで融解されずに残った破片が南太平洋上へ落下します。

ロシアのプログレス補給船欧州補給機(Automated Transfer Vehicle: ATV)も、同様に南太平洋上に落下させるため、大気圏に再突入する様子を日本から見ることはできません。

なお、「こうのとり」や他の宇宙機を南太平洋上へ落下させるのは、機体の破片が人や建物に被害を与えることを防ぐためです。落下が予測されるエリアは、人が住んでいる島などがなく、船舶の航行に適さない海域が選択されています。

「こうのとり」の大気圏への再突入イメージ

「こうのとり」の大気圏への再突入イメージ

最終更新日:2012年3月28日

「こうのとり」はどうやってISSに向かうのですか

「こうのとり」は種子島宇宙センターからH-IIBロケットで打ち上げられます。

この時もっとも効率よく、ロケットの燃料が少なくて済むように、ISSの軌道面が種子島宇宙センターを横切るタイミングで打ち上げます。

ISSは90分で地球を一周しており、このISSが地球を周回する面を軌道面と呼びます。

地球は24時間で1回転するので、1日に2回ISSの軌道面が種子島を横切ります。

ISSの軌道面に合わせて、ISSの進行方向と同じ方向に打ち上げられたH-IIBロケットは、打上げから約16分後に「こうのとり」を分離し、H-IIBロケットはその使命を終えます。

この時点で「こうのとり」は種子島から4080km、高度287kmの地点を秒速7.7kmという速度で飛行しています。

「こうのとり」の姿勢を安定させる制御を行い、打上げから1時間26分後(地球1周後)に姿勢制御は完了します。

「こうのとり」は、ISSの軌道高度まで一気に行く程のエンジンも燃料も搭載できないので、少しずつ高度を上げてISSに近づいていきます。

打上げから約7時間33分(地球5周回)後に最初の軌道高度上昇を行い、その後打上げ3日目から5日目にかけて3回の軌道高度上昇を行います。複数回に分けて行うことで、軌道高度上昇の様子を見ながら調整できるのです。

打上げから5日目には、ISSと同じ高度でISSの後方に到着します。

そこからはさらに慎重に近づいていきます。ISS後方23km地点からはISSと「こうのとり」は直接通信が行えるようになり、お互いの位置を精密に確認します。

通信を行いながら徐々に近づき、約5kmの地点で一旦接近を停止します。ISSも「こうのとり」も秒速約7.8kmという速度で飛行していますがお互いの速度差を0にすれば相対的に停止した状態になります。

そこからさらに慎重に近づき、ISS下方500mまで移動してレーザセンサを使いながら1分間に1~10mという速度でISSに接近します。

ISSの下方10mまで近づきお互いの速度差を0にしたら、ISSのロボットアームで「こうのとり」を掴みます。

そしてロボットアームを制御してISSの結合部分に取り付けます。

ISSと「こうのとり」が並んで飛行しISSのロボットアームで掴むということは、高速道路を全開で飛ばして並走しているバイク同士で手を繋ぐようなものです。それを時速約28,000kmで行っているのです。

最終更新日:2015年1月13日
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