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4章 宇宙でいきる (1)

 重力の影響下で暮らしている地球生物が、重力の存在を断ち切ったとき、どのような変化がおきるのだろうか?
Q38 宇宙では、毛利宇宙飛行士の顔が丸く大きく見える。その理由は、なんだろうか?
Q39 Q38の「宇宙の毛利宇宙飛行士」のような状態を地上で再現するには、どうすればよいのだろうか?
Q40 宇宙へ行くと、身長は変化するのだろうか?
Q41 宇宙へ行くと、体重は変化するのだろうか?
Q42 無重力では体が浮いてしまい、思うように動くことができないと思われるが、スペースシャトル内で、宇宙飛行士はどうやって移動しているのだろうか?
Q43 宇宙に長期滞在する場合、トレーニングは欠かせないらしい。なぜだろうか?
Q44 無重力で、最もつらい姿勢はどんな状態だろうか?
Q45 宇宙で、目を閉じて両腕を真横にのばすことが難しいらしいのはなぜだろうか?
Q46 無重力の宇宙では、上も下もなくなってしまう。このとき、私たちの平衡感覚はどうなってしまうのだろうか?
Q47 地上では、乗り物酔いや船酔いがあるが、船酔いをしない人は宇宙船でも酔わないのだろうか?
Q48 無重力で受精したカエルの卵は、正常に発生できるのだろうか(おたまじゃくしになるだろうか)?
Q49 ニワトリの受精卵は、無重力でも正常に発生できるのだろうか(ヒヨコになるだろうか)?
Q50 メダカは、宇宙で一連の産卵行動ができ、稚魚は誕生するのだろうか?
Q51 宇宙へ連れて行ったメダカは、地上に戻ったとき正常に泳げるのだろうか?
Q52 地上では、植物の茎は上に、根は下に伸びるが、無重力の宇宙では、どの方向に伸びるのだろうか?
Q53 無重力で、勝手な方向に伸びようとする茎や根を、決まった方向に伸ばすには、どうすればよいのだろうか?


Q38 下の写真は、毛利宇宙飛行士の地上と宇宙(スペースシャトル内)での顔写真である。宇宙では、毛利宇宙飛行士の顔が丸く大きく見える。その理由は、次のどれだろうか?
(1) 無重力のせいで、本当に大きくなる。
(2) 気圧の変化のせいで、本当に大きくなる。
(3) カメラのレンズのせいで、そう見えるだけ。
地上の毛利宇宙飛行士 宇宙の毛利宇宙飛行士


A38 (1)無重力のせいで、本当に大きくなる。
 私たちが起きて活動をしている間、血液などの体液は、気づかないうちに、重力によって下半身の方に引っ張られている。
地上 宇宙

 一方、脳は、活動のために血液中の酸素やブドウ糖を絶えず必要としている。私たちの心臓や血管などの循環器系は、重力に逆らって下半身から血液をくみ上げ、力強く全身に送っているのだ。

 無重力では、体液は下半身の方には引っ張られないため、上半身の方に過剰に供給される。これを「体液シフト」と呼んでいる。宇宙滞在初期には、目のまわりを中心に顔がむくんだり、首が太くなったりする。これに対して、下半身は細くなるのだ。

 スペースシャトル内の空気圧は通常、地上と同じ約1気圧に保たれているので、空気圧による影響ではない。


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Q39 Q38の「宇宙の毛利宇宙飛行士」のような状態を地上で再現するには、どうすればよいのだろうか?

A39 頭の方をやや下げた、傾いたベッドに横たわる。

 地上から無重力の宇宙へ移動したとき、下半身から上半身へ移動する体液の量(体液シフトの量)は、およそ2リットルになる。このような状態を地上で再現することができるだろうか。
ヘッドダウンによるベッドレストの実験
 
 頭の方を角度にして6度下げた、傾いたベッドに横たわることで、頭から足の方向にかかる重力の影響を取り除き、宇宙での状態に近づけることができる。この方法は「ヘッドダウンによるベッドレスト」と呼ばれている。

 その他、頭以外を水中に沈めて重力の影響を少なくする「水浸法」、下半身だけに圧力を加えて体液を上半身に押し上げる「下半身加圧負荷法」などがある。

 いずれも、実際に宇宙へ行ったときの体の状態を地上で模擬するもので、宇宙飛行士の健康管理の研究に利用されている。


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Q40 宇宙へ行くと、身長は変化するのだろうか?

  (1)地上と変わらない。
  (2)身長は高くなる。
  (3)身長は低くなる。


A40 (2)身長は高くなる。

宇宙環境での背骨の変化と人体への影響を調べる実験をしている向井宇宙飛行士とヒーブ宇宙飛行士。
 身長はふつう直立した姿勢で測定する。地上でこの姿勢をとっているときは、常に頭から足の方向に重力が働き、私たちの体は圧縮されているのだ。特に背骨は、頸椎(けいつい)7本、胸椎(きょうつい)12本、腰椎(ようつい)5本の合計24本の骨が、軟骨をクッションにしてつながっており、それぞれの継ぎ目が圧縮された状態になっている。足の関節の部分も、同じように圧縮されている。無重力では、その「圧縮された分」が開放されて、身長が伸びるのだ。

 地上でも、寝ていたり、長く水中にいる場合、少し背が高くなっていることを知っているだろうか?

 宇宙飛行士の中には、7cm以上背が高くなった例もある。向井宇宙飛行士や毛利宇宙飛行士も、5cmほど背が高くなったらしい。もちろん、宇宙服はこの身長の伸びを考慮してつくられている。

 身長が急に伸びるのは、良いことばかりではない。背骨が伸びる分だけ、その周りの筋肉も引っ張られるため、宇宙に行ってしばらくの間は、背中や腰に痛みがあるようだ。


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Q41 宇宙へ行くと、体重は変化するのだろうか?
スカイラブ内で体重(質量)を測定しているところ。


  (1)変わらない。
  (2)運動不足で、体重は増える。
  (3)血液などの体液が減って、体重は減る。


(注) 無重力では、重さはなくなってしまうため、測定するのは質量になる。
質量の測定方法は、第2章のQ13を参照。




A41 (3)血液などの体液が減って、体重は減る。

 私たちの体には、体の状態を感知する様々なセンサーがあり、神経系やホルモンの働きによって、体の状態を一定に保とうとするしくみがある。これは、「ホメオスタシス」と呼ばれている。体温や体の成分、体重などがほぼ一定に保たれているのも、この働きによるものだ。

 ところが、宇宙での体液シフトによって、上半身に血液が多く集まるようになると、センサーは体液の量が多いと感知し、水分を腎臓から体外に排出するようになる。すると、いわゆる血液が一時的に濃縮された状態になり、このままでは血液がドロドロの状態で血の巡りが悪くなったり、血栓という血の塊ができやすくなってしまう。

 そこで、血液を薄めるように血球の数や塩類の量も調節されて減り、結果的に濃縮された血液はもとに戻り、サラサラになる。しかし、体全体では血液の量は減ることになってしまう。これが「宇宙貧血」と呼ばれる状態である。この状況は無重力の環境に体が適応した結果とも言える。

 宇宙に滞在していると、滞在1ヶ月で約8%、2ヶ月で約13%、3ヶ月で約16%の血液が減り、その分だけ体重も減少するのだ。


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スペースシャトル内を移動する向井宇宙飛行士。
Q42 無重力では体が浮いてしまい、思うように動くことができないと思われるが、スペースシャトル内で、宇宙飛行士はどうやって移動しているのだろうか?


A42 手足の先で、わずかな力で壁を押すことによって移動する。

 地上では、無意識のうちに体重を支えながら歩いたり、走ったりしている。このとき、私たちの足の筋肉は重力にさからって、自分の体重以上の大きな力を発揮しているのだ。無重力で同じように床を蹴ると、体は飛び上がって壁に激突してしまうだろう。

 宇宙に慣れた飛行士は、指先やつま先を使って、とてもゆっくりと体を移動させる。このとき、地上でよく使う、ふくらはぎの筋肉などはほとんど使わない。ごく軽く壁などを押すことで、ふわふわと漂っていけるからだ。

 宇宙で足の筋肉を使うのは、床に粘着テープで固定した「輪」に足を差し込んで、体を固定する時くらいなのだ。


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スペースシャトル内でトレーニングしている土井宇宙飛行士。
Q43 下の写真は、土井宇宙飛行士がスペースシャトル内でトレーニングしているようすを写したものだ。宇宙に長期滞在する場合、トレーニングは欠かせないらしい。なぜだろうか?


A43 筋肉や骨の弱化を予防するため。

 地上で私たちが直立するためには、体の重心を足の裏の中心近くに維持する必要がある。この姿勢を保つため、抗重力筋(こうじゅうりょくきん)に分類される背筋などの筋肉がたえず働いている。また、運動するために、もっと多くの筋肉が働いている。

 無重力では、食物の消化に関わる内臓筋以外は、ほとんど働く機会がなくなり、しだいに衰えていってしまう。特に、運動によく使われる、ふくらはぎの筋肉(ひらめ筋)などは、すぐに衰えてしまうのだ。

 また、骨は重力などによって圧縮される刺激がなくなるとカルシウムやリンが溶け出し、尿や便中に排出されてしまうことがわかってきた。これらの成分が溶け出すと骨はもろくなり、折れやすくなってしまうのだ。

 筋肉や骨の弱化を予防するため、上の写真に示すペダルこぎのような器具を用いたトレーニングによって、筋肉や骨に負荷をかけ続けることが必要なのだ。

 宇宙医学の、骨カルシウムの研究は、近年増加している骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の解明にも貢献している。


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Q44 無重力では、次の(1)〜(4)のうち、どれが最もつらい姿勢なのだろうか?

 (注)机、椅子などは固定してあるものとする。
(1) (2)
(3) (4)

A44 (4)。正座の姿勢(脚を曲げるのがつらい)。

 地上で正座できるのは、上半身の体重で脚を折り、おしりに踵(かかと)や足の裏をつけるような姿勢がとれるからである。無重力では体重がないので、筋力だけで膝(ひざ)を曲げなければならない。これが、とてもつらいのだ。だから、宇宙では「正座をしなさい」などと言われることはないだろう。

 また、(1)の姿勢も首を下に曲げることがつらいらしい。ヒトの大きな頭の重心は、背骨の延長線より前方にある。したがって、地上では重力の影響で顔は自然に下を向こうとする。これに対抗するため、首の後側では顔を上に向けるための筋肉がいつも働いている。つまり、ヒトの顔を下に向けるための筋肉は、発達していないのである。


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Q45 宇宙では、目を閉じて両腕を真横にのばすことが難しいらしい。多くの宇宙飛行士は、図のように両腕をやや下に向けてしまうそうだ。これはなぜだろうか?

真横に伸ばしているつもりが・・・
実際は下に向いてしまう。

A45 宇宙では、地上でつくられた体の動作にかかわるプログラムと感覚がずれてしまうから。

 私たちが「歩く」、「物をつかむ」といった動作をしようとする場合、「どの筋肉を動かす」とか「力加減」など意識することはない。これらの動作は、重力に依存する平衡(へいこう)感覚や筋肉の内部感覚、重力に依存しない視覚や触覚などの情報とともに、うまくプログラムされている。

 宇宙では、このプログラムがつくられたときに存在した重力がなくなってしまうため、感覚の混乱がおこってしまうのだ。

 両腕を水平方向にのばすと、腕の重さがないため、実際よりも腕を高く上げているような感覚になるらしい。そのため、目を閉じて両腕を水平方向にのばそうとすると、やや下に向いた状態を水平と感じてしまう。

 同様に、足を床に固定した状態でまっすぐに立とうとすると、やや前かがみの姿勢になってしまうそうだ。しかし、このような感覚の混乱も、時間が経つと次第に少なくなり、無重力に順応してくるらしい。


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Q46 無重力の宇宙では、上も下もなくなってしまう。このとき、私たちの平衡感覚はどうなってしまうのだろうか? 体の回転や傾きを感じることができるのだろうか?
A46 回転の感覚は正常だが、傾きの感覚がなくなり、平衡感覚は混乱する。

 平衡感覚を受け持つセンサーは耳の奥、内耳(ないじ)にある。半規管(はんきかん)と前庭器官(ぜんていきかん)(耳石器[じせきき])があり、ここで受け取った情報が大脳に伝わり、無意識のうちに体のバランスを保っている。

 半規管は頭の回転を感じ取るセンサーである。リンパ液で満たされた半環状の管で、感覚毛を持つふくらみがある。頭が回転すると、リンパ液が流れ、感覚毛が刺激される。リンパ液の流れで感覚が生じるため、無重力でも正常に機能するのだ。

 前庭器官(耳石器)は、頭の傾きを感じ取るセンサーである。基部の袋状の部分に感覚毛があり、その上部に耳石が乗っている。体が傾くと、耳石が重力によって動き、感覚毛が刺激される。耳石が重力で動くことによって、感覚が生じるため、無重力では正常に機能しなくなるのだ。


耳のしくみ


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最終更新日:2000年 3月 10日

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