このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
 
JAXAトップページへ
 JAXAトップページへ宇宙ステーション・きぼう広報・情報センターサイトマップ
 
ペイロード

STS-108ミッションで搭載するペイロードのうち主要なものは次のとおりです。

(貨物室) (ミッドデッキ)
エンデバー号の貨物室内でのこれらのペイロードは図のように配置されます。



多目的補給モジュール
 多目的補給モジュール(MPLM)の概要についてはこちらをご覧ください。

 このUF-1フライトでは、MPLM 2号機の「ラファエロ」が使用され、6Aフライトに続いて2回目の飛行(MPLMとしては4回目)となります。
 MPLMに補給品保管ラック(RSR: Resupply Stowage Rack)8台と、補給品保管プラットフォーム(RSP: Resupply Stowage Platform)4台を搭載します。RSRとRSPには主として以下の物品が搭載されます。
  • LiOH(水酸化リチウム)キャニスター*27個         *注:二酸化炭素吸収剤
  • 第4次長期滞在クルー用の食料品
  • 第4次長期滞在クルー用の衣服、タオル、ナプキンなど
  • 健康管理機器(TVIS(振動分離機構付きトレッドミル)修理機材、新しいエクササイズ機器など)
  • 予備のコンピュータ(MDM)とSSMMU(ハードディスクの代わりに使用する半導体メモリ)キット2基
  • ARISS(アマチュア無線)用アンテナ4基(第4次長期滞在クルーの船外活動でズヴェズダ外壁に設置する予定)
  • 実験装置(ZCG:ゼオライト結晶成長炉、EVARM:EVA放射線モニタ装置、など)
  • EVA機器

 RSRとRSPは、補給品を搬入した後、不要品を収納して持ち帰ります。主な回収品目は以下のとおりです。
  • 実験装置(BBND):宇宙開発事業団(NASDA)の中性子モニタ装置
  • その他の不要品

MACH-1
 MACH-1(Multiple Application Customized Hitchhiker-1)はNASAのゴダード宇宙飛行センターが開発したペイロードで、CAPL-3、STARSHINE-2、PSRD、COLLIDE、G-761、SEMなどの実験装置が搭載されています。
  • CAPL-3
     CAPL-3(Capillary Pumped Loop-3)は熱制御用の2相流体ループの飛行試験です。ヒートパイプと同様に毛細管力を利用して熱の移動をおこなうもので、可動部がなく、高い熱負荷の状態で最大10m離れた距離まで熱を輸送することができます。従来は1つのポンプ(動力ポンプではなく流体を移動させる毛細管部分)ループしか使われていませんでしたが、CAPL-3では複数のポンプループを使うシステムをテストします。CAPLは、これまでにSTS-60、69で飛行試験がおこなわれています。

  • STARSHINE-2

    STARSHINE-2
     STARSHINE-2は教育用の大気観測衛星(STARSHINE: Student Tracked Atmospheric Research Satellite for Heuristic International Network Experiment)です。直径約48cm、重量約38.5kgの中空のアルミニウム製の球体で、表面には光を反射するための845枚のアルミニウム製の鏡を取り付けてあります。この鏡は世界中の25,000人の学生たちによって磨かれたものです。さらに31個のレーザ反射鏡(レーザリフレクタ)も表面に貼られています。この衛星はエンデバー号が国際宇宙ステーション(ISS)から分離された後に放出されます。放出後は学生たちが肉眼でこの衛星を追跡して太陽活動の活発さとスターシャインの軌道降下率を関係付け、これにより大気密度の変化を調べるなどの教育に使われます。

  • PSRD
     PSRD( Prototype Synchrotron Radiation Detector) はISSのトラスに設置される予定のAMS(Alpha Magnetic Spectrometer)-02の重要な機器(SRD)の開発に必要な宇宙線のバックグラウンドデータを収集する実験装置です。AMS(AMS-01)は、STS-91で飛行試験がおこなわれていますが、AMS-2はその当時使われていなかった新しい技術を取り入れているため、再度検証することになりました。PSRDにはX線検出装置、シンチレータ望遠鏡が搭載されています。

    AMS-02
    写真:
    AMS 02 HP

    PSRD
    写真:
    PSRD HP
  • COLLIDE-2
    地上で試験中のCOLLIDE-2
    実験の様子
    地上で試験中のCOLLIDE-2
    COLLIDE(COLLision Into Dust Experiment)は、NASAグレン研究センタの実験装置で、STS-90でG-772として飛行した実績があります。COLLIDEは、微惑星の付着や惑星のリングの動きを理解するために宇宙起源の粒子同士が低速で衝突する状況を研究する実験です。テフロン製の球10個を玄武岩の粉(月のレゴリスを模擬)が入ったトレイの中に1cm/secから100cm/secの速さでバネを使って射出することで、これらの状況をシミュレーションするものです。その状況はビデオカメラで記録されます。

  • G-761
    G-761は、アルゼンチン宇宙技術協会の実験装置で、アルゼンチンの大学と科学機関が設計製造した7個の実験装置が搭載されています。


  • SEM
    SEM
    SEM(Space Experiment Module)プログラムは幼稚園から大学レベルの学生たちに宇宙実験の機会を提供するもので、1996年からおこなわれています。SEMはキャニスター内に10個の半円形の容器を収納する形で、各種実験を搭載することができるものです。
    UF-1では、SEM-11,15の2台のSEMがMACH-1に搭載されます。

LMC

LMC
写真:
NASA HP
 LMC(Lightweight MPESS Carrier)はスペースシャトルの貨物室に搭載するMPESSキャリアを軽量化した曝露機器輸送用のキャリアです。LMCはこのフライトが初飛行となります。LMCはNASAマーシャル宇宙飛行センタとボーイング社が開発したもので、スペースシャトルの貨物室の、従来利用できなかった空間を、有効に利用できる利点があります。
 このフライトでは、LMCにはG-785、SEM-12、G-064、G-730の4つの実験装置が搭載されます。

Getaway Special(G-775、微小重力燻り(くすぶり)燃焼実験(Microgravity Smoldering Combustion: MSC)
ポリウレタンフォームの燃焼 ポリウレタンフォームの燃焼例
地上
微小重力下
ポリウレタンフォームの燃焼
炎を出さずに燻っている燃焼は、家具の詰め物やケーブルの断熱材などの中で起きる複雑な燃焼です。米国の火災で起きた犠牲者の40%はこの燻り燃焼による有毒ガスによって引き起こされています。
燻り燃焼は宇宙では更に深刻な事態となります。1G下の地上と微小重力下の宇宙で燃焼の実験を行い、重力の影響を研究します。
この研究により燃焼のメカニズムのコンピュータモデルを作り、宇宙用及び地上用のより安全な製品の開発に役立つことが期待されます。

プロトタイプシンクロトロン放射線探知機(Prototype Synchrotron Radiation Detector: PSRD)
PSRD PSRD搭載場所
PSRD
PSRD搭載場所
プロトタイプシンクロトロン放射線探知機(PSRD)はISSのトラスに設置される予定のAMS(Alpha Magnetic Spectrometer)-02のシンクロトロン放射線探知機(SRD)の開発に必要な宇宙線のバックグラウンドデータを収集する実験装置です。
AMS(AMS-01)は、STS-91で飛行試験がおこなわれていますが、AMS-2はその当時使われていなかった新しい技術を取り入れているため、再度検証することになりました。PSRDにはX線検出装置、シンチレータ望遠鏡が搭載されています。

鳥類孵卵器(ADF)
ADF外観イメージ図 ADF内部イメージ図
(c) SSBRP
 これまでにNASAは、初期のシャトルミッションでニワトリの卵を使った実験装置を飛行させています。ADFはその第2世代の実験装置です。
 また、2個の回転式の人工重力(遠心力)発生装置で重力レベルを0~1gの範囲で0.1g刻みで設定することができます。
 ADFに搭載できる卵は、ニワトリの卵と日本ウズラの卵で合計36個まで搭載可能です。 本実験では、日本ウズラの卵36個を搭載します。

商用バイオメディカル試験モジュール(CBTM)
 商用バイオメディカル試験モジュール(CBTM)では、最近発見された骨吸収をコントロールするオステオプロテジリン(Osteoprotegirin (OPG):タンパク質の一種)の作用を宇宙空間で調査する実験をおこないます。この調査は、骨粗鬆症やリウマチ性関節炎、骨のガンの治療に役立つもので、UF-1フライトでは、ミッドデッキに3台の小動物飼育モジュール(AEM)を搭載して実験を行います。
標準のOPG 標準よりOPGが多い場合
標準よりOPGが少ない場合
小動物飼育モジュール
(Animal Enclosure Module: AEM)
標準のOPG
標準よりOPGが多い場合
標準よりOPGが少ない場合
 
オステオプロテジリン(OPG)が骨密度に及ぼす影響((c) Amgen)




最終更新日:2003年6月27日

JAXAトップページへサイトポリシー