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国際宇宙ステーションと日本の実験モジュール「きぼう」

国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #06-25

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第13次長期滞在クルー
2006年5月19日(金) 午後3時30分(米国中部夏時間)
2006年5月20日(土) 午前5時30分(日本時間)

宇宙では今週、人工衛星の中で人工衛星が飛行しました。国際宇宙ステーション(ISS)のフライトエンジニアであるジェフリー・ウィリアムズは、与圧区画である「デスティニー」(米国実験棟)の中で、独特な宇宙機の3次元での操縦を初めて行いました。この実験では、将来の複数の宇宙機によるフォーメーション(編隊)飛行に役立つ、フォーメーション飛行と自動ドッキング機能の基本的な実証試験が行われました。

この1週間は、実験活動、メンテナンス作業、船外活動に向けた準備や次のISSミッションとなるスペースシャトル「ディスカバリー号」で地球に回収する機材の梱包を行い、この飛行試験で締めくくりました。ディスカバリー号の打上げは7月を目標としています。

ウィリアムズは、第13次長期滞在クルーのコマンダーであるパベル・ビノグラドフと共に、180日間を予定しているISS滞在の50日目を、微小重力研究グローブボックス(Microgravity Science Glovebox: MSG)での実験を行い過ごしました。MSGには気泡の生成と移動性の研究(Pore Formation and Mobility Investigation: PFMI)実験の最後の試料が設置されました。この実験では、液体が固体化するときにどのように気泡が生成し移動するかを観察するため、透明な造形素材を使います。これは、溶解した金属が固体化するにつれて生じる欠陥を理解するために重要です。

しかし今週は、新しい実験であるSPHERES実験(Synchronized Position Hold, Engage, Reorient, Experimental Satellites: 複数の小型衛星を使い、姿勢や位置を同期させて保持するフォーメーション飛行の船内実験)のISS内での初飛行に注目が集まりました。

NASAサイエンスオフィサーでもあるウィリアムズは、今回のこの一連の試験飛行を3機の衛星のうちの1機目を使って行いました。この自由飛行型の小型衛星は、フォーメーション飛行と自律的ドッキングの基礎を実証する目的で設計されたものであり、最終的には、小型衛星3機で構成される衛星群になる予定です。

第1回目の試験は、衛星1機とビーコン2基(固定されたものと手持ちのもが1基ずつ)のみを使って行われました。衛星の直径は8インチ(約20.3cm)で、質量は約7ポンド(約3.2kg)です。また、電子機器とソフトウェア、通信システムが内蔵されており、二酸化炭素ガス・スラスターを使って移動・回転します。

デスティニー内で自律飛行を行った第1回目の試験飛行は、10から15通りほど、それぞれが最長で10分間ほどの、あらかじめ計画されていた一連の動きを行わせるものでした。ウィリアムズが適切なソフトウェアを選択して、ラップトップコンピュータに読み込ませた後に、衛星は姿勢制御、位置の保持、目標の再設定、衝突回避、推進剤のバランス調整という、あらかじめプログラムされた動きを開始しました。

この技術は、衛星群や多数の宇宙機の配置の設計に役立ち、将来の船外活動で宇宙飛行士を支援する自由飛行型支援ロボットに利用できる可能性もあります。

アラバマ州ハンツビルにあるNASAマーシャル宇宙飛行センター(MSFC)のペイロード運用チームが、ISS上での米国の科学実験活動の調整をしています。

今週のメンテナンス作業としては、ビノグラドフが、6月1日に予定されている船外活動に向けた作業として、「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)のエレクトロン(酸素発生装置)用の排気ラインをつなぎ直しました。この船外活動では、作業のひとつとして、エレクトロン用の新しい水素排気口を船外に取り付ける予定になっています。酸素は現在、プログレス補給船の酸素タンクから供給されています。エレクトロンは、この船外活動が終了するまで停止されたままにされる予定です。

今週初め、ロシアのVozdukh(二酸化炭素除去装置)が機能しなくなりました。飛行管制官は、原因究明を行ってVozdukhが再び運転できるようになるまでの間、デスティニーの二酸化炭素除去装置を稼動させました。来週、新しいガス分析装置がVozdukhに取り付けられるまでの間、両方の装置が並行して使用される予定です。

5月18日に、クルーはウィスコンシン州のウィンター学区の生徒達と交信を行い、ISSでの宇宙生活や実験について、話しをしました。

次回のISSステータスレポートは、5月26日または新規イベントがあれば発行する予定です。ISSクルーの活動状況、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://www.nasa.gov/stationをご覧ください。

出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2006/iss06-25.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

最終更新日:2006年5月22日


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