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国際宇宙ステーションと日本の実験モジュール「きぼう」

国際宇宙ステーションNASAステータスレポート #06-05

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第12次長期滞在クルー
2006年2月3日(金) 午後11時30分(米国中部標準時間)
2006年2月4日(土) 午後2時30分(日本時間)

国際宇宙ステーション(ISS)のクルーたちは、昨夜行われた彼らのミッション中2度目となる船外活動中に、宇宙服を転用した衛星を放出しました。スーツサット(SuitSat)というこの衛星は、録音された生徒たちの声を世界中のアマチュア無線家たちに向けて短時間発信した後、信号は途絶えました。(訳注:その後、弱いながらも信号を出し続けていることが確認されています。)

第12次長期滞在クルーのコマンダーであるウイリアム・マッカーサーとフライト・エンジニアのバレリー・トカレフは、5時間43分にわたる船外活動を行い、スーツサットの放出、ケーブルカッターへの予防的措置、実験装置の回収、およびISS外部の写真撮影を行いました。ロシアのオーラン宇宙服を着たマッカーサーとトカレフは、米国東部標準時間2月3日午後5時44分(日本時間午2月4日前7時44分)にハッチを開け、船外活動を開始しました。マッカーサーにとっては4度目、トカレフにとっては2度目の船外活動となりました。

道具や装備を準備した後、クルーは不要となったオーラン宇宙服をISSの「ピアース」(ロシアのドッキング室)のハッチの隣にあるはしごに置きました。この宇宙服は、船外活動に使うための使用期限が2004年8月に切れていました。今回の実験のために、クルーによって3つのバッテリ、内部センサ、無線送信機が取り付けられました。

スーツサットは、無線送信を停止するまでに地球を約2周しながら、録音されていた6ヶ国語の挨拶を世界中のアマチュア無線家に送信しました。ISSプログラムに参加しているアマチュア無線の担当者によれば、送信の停止はバッテリが宇宙の低温環境のために故障したのが原因ではないかということです。宇宙服は数週間後に大気圏に突入し、燃え尽きる予定です。トカレフは、ISSが南太平洋中部の上空225マイル(約362km)を通過中に、ISSの後部に向けてスーツサットを押し出しました。宇宙服は秒速0.5m程度の速さでISSから離れて行き、「ズヴェズダ」(ロシアのサービス・モジュール)とそれにドッキングしているプログレス補給船の下をゆっくりと漂いながら見えなくなりました。この宇宙服は、現在、ISSから90分毎に約6キロメートルの割合で遠ざかっています。

マッカーサーとトカレフは、その後ピアースから「ザーリャ」(基本機能モジュール)へと移り、そこでストレラ(Strela)ブームのホイールキャップ形状をした取り付け機構(アダプタ)を外しました。クルーはこれを「ユニティ」(結合モジュール1)のPMA-3(与圧結合アダプタ3)に移動しました。将来、ザーリャにデブリ・シールドを一時的に設置するためにストレラの取り付け機構が移設されました。

その後、マッカーサーとトカレフは中央トラスへ移動し、モービルトランスポータ(台車:MT)に電力、データ、ビデオを提供する2本のうち一方の非常用ケーブルカッターに安全ボルトを取り付ける作業を行いましたが失敗に終わりました。MTはトラスに沿って移動し、「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)を組立作業時に正確な位置へと動かすために使われます。12月16日に、MTの地球に面した側にあるTUS(Trailing Umbilical System)ケーブルが、何らかの原因で誤動作したケーブルカッターによって切断されてしまいました。

ハイテク・ドライバーによってボルトを締める試みを何度か繰り返した後、マッカーサーは代わりにケーブルをハンドレール(手すり)にワイヤーで結びました。これにより、ケーブルはケーブル切断機構の外に置かれることになりましたが、MTは当面レールシステム上を動くことが不可能になりました。MTはSTS-115ミッションで追加のトラス組み立て作業を行うまでは必要ありません。

この切断されたケーブルリール機構は、今年、STS-121ミッション中に行う船外活動時に、ディスカバリー号のクルーであるピアース・セラーズとマイケル・フォッサムが交換する予定です。

マッカーサーとトカレフはピアースに戻ると、微生物への宇宙環境の影響を調べるための実験装置を回収しました。

船外活動の最後のタスクとして、クルーは、流星塵の衝突を計測するセンサ、ハンドレール、推進システム、アマチュア無線アンテナなどを含むズヴェズダの外観の写真撮影を行いました。マッカーサーとトカレフはピアースに戻り、ハッチを同2月3日午後11時27分(同2月4日午後1時27分)に閉じました。今回の船外活動は、ISSの組み立てとメンテナンスに関する64回目で、ISS滞在中に行われたものとしては36回目、ピアースから行われたものとしては17回目となりました。1998年12月以来、ISSで船外活動をした宇宙飛行士は、ISSの外で累計384時間23分間を過ごしたことになります。

一方、ロシアでは今週、次のソユーズ宇宙船をモスクワから打上げ場所のカザフスタンのバイコヌール宇宙基地へ運搬するための最終準備が行われました。ソユーズ宇宙船は2月6日に出発し、3月下旬に第13次長期滞在クルーを乗せて打ち上げられる予定です。

今週、ISSは「デスティニー」(米国実験棟)にある誘導・ナビゲーション用のコンピュータに新しい手順を用いてズヴェズダのスラスタに噴射を要求する一方、全体的な姿勢制御はコントロール・モーメント・ジャイロ(Control Moment Gyroscopes: CMG)によって行う操作が行われました。これにより、米国とロシアのシステムの間で姿勢制御をやり取りする時間が節約できます。

ISSクルーの活動状況、今後の打上げ日、また各地域でのISSの可視状況などについてはhttp://www.nasa.gov/stationをご覧ください。

NASAとNASAのプログラムについてはhttp://www.nasa.gov/homeをご覧ください。

出典:http://spaceflight.nasa.gov/spacenews/reports/issreports/2006/iss06-5.html

*併記の無い限り日時はすべて米国日時とします。

最終更新日:2006年2月6日

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