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船外活動(EVA:Extravehicular Activity)

 9Aフライトでは、国際宇宙ステーション(ISS)のエアロック「クエスト」を使用して計3回の船外活動(EVA)が行われます。
 エクササイズ・プリブリーズでは、UF-2フライトと同様にスペースシャトルからホースを延ばして酸素を供給することで、ISSの酸素タンクからの酸素の消費を可能な限り節約します。

9A後のS1トラス
9Aフライト後のS1トラス

  • 第1回船外活動(飛行4日目)
     S1トラスとS0トラス間のSSAS(Segment-to-Segment Attachment System)ボルト結合が完了すると、EVAクルーはすぐにハッチを出てEVAを開始します。

    1. S1トラスのTCSラジエータ・ビームのロンチロック解除
       最初にS0に近い側のTCSラジエータ・ビームのロンチロック(打上げ時の固定器具)5個を解除し、横倒しに収納します。そして、CETAカートのロンチロックを解除している間に、さらに3個のロンチロックを解除します。EVA終了間際にさらに5個を解除します(第2回船外活動でも残りのロンチロック解除を実施します)。
      ラジエータ・ビームのロンチロックは、計18個あります。

    2. S0とS1トラス間の電力・通信配線の接続
       S0トラスとS1トラスのケーブルトレイの断熱カバーを開き、S0トラスのコネクタをダミーパネルから外し、S1側のコネクタに接続します。電力系統の切り替えは、電力切り替えのスイッチ(CIDs)を切り替えることで実施されます(EVA期間中に繰り返し何度も接続作業をおこないます。)。
       ・S0-S1 zenithトレイのユーティリティケーブル8本の接続
       ・S0-S1 nadirトレイのユーティリティケーブル7本の接続

    3. SASAの移動、取り付け
       S1トラスにSバンドアンテナ支持装置(SASA: S-band Antenna Support Assembly)を固定していた6本のボルトを外します。このSASAはS1トラスのS0トラス側に設置されます。移設後に、電力通信ケーブルを接続し、アンテナの断熱カバーを取り外します。最後にSASAのジンバルロック(首振り機構の固定器具)を解除します。
       このSASAの取り付けにより、ISSと地上間のSバンド通信が強化されます(通信時間の増加および耐故障性の向上)。

    4. CETAロンチロックの取り外し
       CETAカートのブレーキシャフトのロンチロック1箇所を解除し、左舷のブレーキハンドルの2個のロンチ・クランプ・ボルトを解除します。そして、動的ブレーキとパーキングブレーキのハンドルを展開し、スライダーをロックします。
       次に4本のボルトを緩めることにより、左舷のロンチ・ハンドル・ブラケット2個を自由に動くようにし、ブラケットはトラッシュ・バッグに回収します。
       CETAパーキングブレーキをかけた後、メインのロンチロック・ボルト4本を取り外します。そしてパーキングブレーキを解除したあと、S0トラス中央部付近までCETAカートを押して移動します。そこで、CETAカートの左舷側も同様にロンチロックの解除をおこないます。

    5. 外部TVカメラ(ETVCG)の取り付け(2個のうちの1個目)
       スペースシャトルのミッドデッキに搭載して運搬したカメラを取り出し、右舷のキールトラニオン(スペースシャトル貨物室との固定部)に取り付けられていたビデオカメラ設置用の支柱(VCSA: Video Camera Support Assembly)にカメラを固定します。その後、VCSAを固定していた場所から取り外し、S1トラスの右舷下部の取り付け位置に設置します。そして、電力、通信、ビデオ配線を8個のコネクタに結合します。カメラを一時的に外してさらに4個のコネクタを接続した後、カメラを固定します。


  • 第2回船外活動(飛行6日目)

    1. QD修理作業、SPDの取り付け
      SPD
      1.5インチSPD
      1インチSPD
       2人のEVAクルーが、Z1トラス左側のデスティニーとの境界部および、Z1トラスとP6トラスの結合部後方の着脱コネクター(QD)取り付け部(1インチQD用SPD2個を設置)で分担して作業を実施します。
       アンモニア流体配管を接続するQD接続部を覆っている断熱カバ-を外し、QDに機能改修用の器具であるSPD(Spool Positioning Device)を取り付けます。
      9AではSPDを約43個搭載しています(取付けは31個)。

    2. CETAカート関連作業
       右舷のブレーキシステムの解除とスイングアームの固定解除、カプラーの固定解除作業を約25分かけて実施します。

    3. アンモニアタンク(ATA)と窒素タンク(NTA)の配線ラインのQD接続
       ATAとNTA間に2本の配線を接続します。

    4. 外部TVカメラ(ETVCG)の取り付け
      第1回船外活動で実施したのと同様な作業を行い、デスティニー(米国実験棟)外壁にカメラを設置します。

    5. S1トラスのQDへのSPD取り付け
       第1回船外活動でS1トラスの右舷に取り付けたCETAライト支柱にQD機能改修用の器具であるSPDを入れたバッグを保管していたため、そのバッグを回収し、S1トラスに6基あるRBVM(Radiator Beam Valve Module)の1インチアンモニアラインQDにSPDを取り付けます。

    6. S1トラスのTCSラジエータ・ビームのロンチロック解除(残り分)
       第1回船外活動で実施したTCSラジエータ・ビームのロンチロックを解除します。


  • 第3回船外活動(飛行8日目)
    S0トラスの右舷
    S0トラスの左舷

    1. MTのTUS(Trailing Umbilical System) IUA(Interface Umbilical Assembly)の交換修理
       8Aフライト時にTUS IUAの安全化ボルトが外れず、TUSケーブルカッターが使えない状態となっていた問題に対処するため、IUAの交換を行います。IUA交換時にはTUSケーブルを一時的にIUAから取り外して、新しいIUAにつなぎ替える必要があります。

    2. S0トラスとS1トラス間の流体配管の接続
       S0トラスに固定されて打ち上げられた流体配管4本のうち2本を外して、S0トラスとS1トラス間に接続します。
       さらにこの配管の両端の計4個のQDにSPDを設置します。各接続部では引っ張りテストと、3分間の漏洩チェックが行われます。作業が終われば、S1とS0のユーティリティトレイのカバーを閉じます。

    3. ドラッグリンクとキールピンの取り外し、収納
       左舷、右舷のドラッグリンク(打上げ時にキールピンを支える棒)とキールピン(スペースシャトル貨物室の底に固定するピン、各2個)を取り外し、S0トラスで実施した作業と同じようにS1トラス上に固定し収納します。
       取り外されたドラッグリンクは、MTレールの上側の収納場所に固定します。
       MTレールの上側に取り付けられていたキールピンは取り外された後、トラス内部に2つ並べて収納します。

    4. S1 TRRJへのSPDの設置
       TRRJ(Thermal Radiator Rotary Joint)の1.5インチ着脱コネクター(QD)に機能改修用の器具であるSPD(Spool Positioning Device)を設置します。また、TRRJのロンチロック(打上げ時の固定器具)も解除します。



最終更新日:2002年9月27日

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