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国際宇宙ステーションへのソユーズ宇宙船交換ミッション(5S)

5S前後のISSの形状実験概要クルーソユーズTMA

TMA-1
打上げ準備中のソユーズTMA-1宇宙船
  ロシア航空宇宙局(Rosaviakosmos)と米国航空宇宙局(NASA)によれば、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士の緊急帰還機として2002年4月27日からISSにドッキングしていたソユーズ宇宙船は、日本時間11月10日午前9時04分頃にカザフスタン共和国に着陸しました。


 5Sフライトは、ロシアのソユーズTMA-1宇宙船(新型機の初号機)を打ち上げて、国際宇宙ステーション(ISS)の「ピアース」(ロシアのドッキング室)下部にドッキングし、ISSに新しいソユーズ宇宙船を届けるミッションです。
 ISSへ打ち上げられるソユーズ宇宙船の打上げとしては5回目、ソユーズ宇宙船の交換フライトとしては4回目となります。ISSには、滞在クルーの緊急帰還船として、ソユーズ宇宙船を常時ドッキングさせておく必要がありますが、ソユーズTMの軌道上運用寿命は、200日間であるため、半年毎に新しいソユーズ宇宙船と交換する必要があります。

 この帰りのフライトでは、NASDAのHDTVテープやNASDAの材料曝露実験サンプルSEEDのパネル1枚、ロシアの国勢調査票などを回収します。


5S飛行計画(2002年11月8日現在)
打上げ日時2002年10月30日午前 8時11分 (バイコヌール標準時間)
2002年10月30日午前 6時11分 (モスクワ標準時間)
2002年10月29日午後 9時11分 (米国中部標準時間)
2002年10月30日午後12時11分 (日本時間)
射 場カザフスタン共和国 バイコヌール宇宙基地
打上げロケットソユーズ-FGロケット
宇宙船の名称打上げ:ソユーズTMA-1(5S)
帰 還:ソユーズTM-34(4S)
搭乗人数3名
軌道高度ISSとのドッキング高度 : 約390km
軌道傾斜角51.6度
ドッキング日時
(ソユーズTMA-1)
2002年10月31日午前 8時01分 (モスクワ標準時間)
2002年10月31日午後11時01分 (米国中部標準時間)
2002年11月 1日午後 2時01分 (日本時間)
ISS分離日時
(ソユーズTM-34)
2002年11月 9日午後11時44分 (モスクワ標準時間)
2002年11月 9日午後 2時44分 (米国中部標準時間)
2002年11月10日午前 5時44分 (日本時間)
帰還日時2002年11月 9日午前 3時4分 (モスクワ標準時間)
2002年11月 9日午後 6時4分 (米国中部標準時間)
2002年11月10日午前 9時4分 (日本時間)


5S前後のISSの形状
 5Sミッション後ISSは以下のようになります。
なお、ソユーズ宇宙船用座席シートは、各クルー専用に成形されているため、軌道上で4Sと5Sクルーの座席シートを置き換えます。

5Sフライト後(4S帰還前)
5Sフライト後(4S帰還後)
4S帰還前4S帰還後
ソユーズ宇宙船(5S)が10月31日(米国時間)に、ピアースのドッキングポートへドッキングします
5SクルーはFGBのドッキングポートに結合している4Sのソユーズ宇宙船に乗り換えて11月9日(米国時間)にISSから分離します


実験概要
 5SミッションのクルーはISS滞在期間中に次の実験を実施します。

ESAの宇宙飛行士の実験
Odisseaミッションロゴ
Odisseaミッションロゴ
(c)ESA
 ESAのベルギー人宇宙飛行士フランク・デヴィンがおこなう実験は「Odissea」というミッション名で呼ばれており、以下の実験をおこないます。
生物学実験
  • 無重量環境下で、骨芽細胞にビタミンDが与える影響調査
  • 宇宙放射線と微小重力が酸化力を生じさせるストレスに与える影響調査
微小生物学
  • バクテリア遺伝子への微小重力環境ストレスの影響調査

心臓科学/認識科学

  • 心臓血管系と呼吸器系への微小重力環境の影響とストレス、認識、宇宙飛行中の生理学上の反応調査
  • 微小重力状態でのバーチャル3D空間による脳の働きの調査

人間の生理学

  • 宇宙飛行中の交感神経副腎(Sympathoadrenal)の活動調査
  • 潜伏性のウイルスの再活性化のモニタと宇宙飛行士におよぼす影響調査
  • 宇宙飛行中の光の照射による、睡眠と活動時の変化の調査

物質科学

  • グラナダ(Granada)結晶成長装置(GCF)を使用したタンパク質結晶成長実験
  • 微小重力環境下でのゼオライトの形態と構造の研究
    ゼオライト結晶成長の研究に有効
MSG
MSG
(c)ESA

MSG(Microgravity Science Glovebox)を使用した物理実験

  • 原油の拡散係数計測
  • ZSM-5とSilicate-1の動力学と集合機構の調査
    本実験の成果は、ゼオライト結晶成長の研究に役立てる
  • デジタルホログラフィック顕微鏡でのタンパク質結晶成長のモニタ
  • 微小重力環境下で金属(アルミニウム、チタン、ボロン)を燃焼させて生じる燃焼生成物の研究

地球観測

  • 地球のイオン層で雷や地震活動に伴って発生する発光現象の調査

教育

  • 簡単な物理現象をビデオ撮影し、学生達に放映
  • アマチュア無線を使用した宇宙飛行士と学生の交信

地上で行われる調査

  • 宇宙飛行士の血中リンパ球内の染色体異常調査
  • 人間の静脈周辺の反射に微小重力環境が与える影響
  • 宇宙飛行後の起立不耐性を予測するための生理学上のパラメータ

クルー
 5Sフライトでは、以下の3名がソユーズ宇宙船に搭乗します。
セルゲイ・ザリョーチン船長(Commander)
セルゲイ・ザリョーティン
(Sergei Zaletin)

1962年4月ロシアのツラ地方の生まれ。
ロシア空軍中佐。
1983年に高級軍事パイロット学校を卒業。
1990年から1992年にかけて一般的な宇宙飛行士訓練を受け合格。1992年から1997年にかけてミール宇宙ステーションへの飛行訓練を受ける。1997年から1998年にかけてミールPC-26プログラムのバックアップコマンダーとしての訓練を受講。2000年4月から6月までミールPC-28プログラムのプライムコマンダーとしてミールへ滞在した。この間、1回のEVAを経験した。今回は2回目の飛行となる。

Rosaviakosmos Astronaut Biographies
フランク・デワインフライト・エンジニア
フランク・デヴィン
(Frank de Winne)

ESA宇宙飛行士(ベルギー人)
1961年4月25日ベルギー生まれ。
1986年にベルギー空軍のパイロット訓練を終了。
1992年にイギリスのテストパイロット学校を卒業。
ミラージュ、F-16、ジャガー、トルネード戦闘機等のパイロットを経験。
2000年1月にESAの宇宙飛行士部門に参加。
2001年8月からガガーリン宇宙飛行士訓練センター(GCTC)でISSの基礎訓練とソユーズ宇宙船の訓練を開始。
今回が初の宇宙飛行。

ESA Astronauts

ユーリ・ロンチャコフセカンドパイロット、フライトエンジニア
ユーリ・ロンチャコフ
(Yuri Lonchakov)

1954年3月4日生まれ。
ロシア空軍中佐、ロシア宇宙飛行士。
1997年にロシア宇宙飛行士候補として選抜させる。
STS-100(6A)のミッションスペシャリストとしてISS組立フライトを経験。5Sクルーのバックアップコマンダーに任命されていたが、ランス・ベース氏の飛行取りやめにより、急遽3人目のクルーにアサインされた。
今回は2回目の飛行となる。

Rosaviakosmos Astronaut Biographies
 

注:アメリカのバンド「インシンク」のランス・ベース氏は、史上3人目の宇宙旅行者を目指して、5Sフライトで飛行する予定でした。一時は、国際パートナから飛行も認められていましたが、ロシアへの2,000万ドルの飛行費用の支払いができなかったため、9月初めに飛行から外されました。その後、彼の代わりに150kgの荷物を搭載する事になっていましたが、10月初めにロンチャコフを搭乗させることが決まりました。


ソユーズTMA
ソユーズTMA
ソユーズTMA
(c)Energia
 5Sフライトでは、ソユーズTMA宇宙船が初飛行します。
ソユーズTMA宇宙船は、米国の宇宙飛行士も利用できるようにクルーの身長制限、体重制限などを緩和(より大柄な飛行士や小柄な宇宙飛行士に対応)するため1998年頃から改造に着手した新しい宇宙船です。
ソユーズTMA宇宙船の外観はソユーズTM宇宙船と同じですが、内部が改造されています。

 改良内容は以下の通りです。
  • 身長体重制限の緩和
     ソユーズTM  :身長164cm~182cm以内、体重56~85kg
     ソユーズTMA :身長150cm~190cm以内、体重50~90kg
  • クルーの座席構造の変更、衝撃吸収ダンパーの改造
  • 着陸時の重量制限を変更するため、ソフトランディング・システム(着地数秒前に噴射する衝撃緩和用固体ロケットモータ)の改造
  • カプセルをより正確な場所に着地させるなど、運用性を向上させるため、オンボードコンピュータやソフトウエアのアップグレード


最終更新日:2002年11月11日

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