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国際宇宙ステーションの組立フライト 20A(STS-130)

ミッション結果の要約

最終更新日:2010年03月04日

実施状況および結果

ISSに設置されたトランクウィリティーと、トランクウィリティーに取り付けられたキューポラ、PMA-3

ISSに設置されたトランクウィリティー(写真左上)と、
トランクウィリティーに取り付けられたキューポラ、PMA-3

スペースシャトル「エンデバー号」によるSTS-130(20A)ミッションでは、国際宇宙ステーション(ISS)の新たな居住区画となる「トランクウィリティー」(第3結合部)と、7枚の窓とISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)の操作盤などを備えた観測用ユニットであるキューポラを、ISSに運搬しました。

SSRMSにより把持されるトランクウィリティー

SSRMSにより把持されるトランクウィリティー

ミッション中は、水再生システム(Water Recovery System: WRS)のメンテナンス作業、「ユニティ」(第1結合部)左舷側共通結合機構(Common Berthing Mechanism: CBM)へのトランクウィリティーの設置、トランクウィリティー地球側CBMへのキューポラの移設、キューポラの各窓のシャッターの開閉作業、「ハーモニー」(第2結合部)からトランクウィリティー左舷側CBMへの与圧結合アダプタ3(Pressurized Mating Adapter: PMA-3)の移設、「きぼう」日本実験棟船内実験室から空気浄化システム(Atmospheric Revitalization System: ARS)ラック、「デスティニー」(米国実験棟)からISSトイレ(Waste and Hygiene Compartment: WHC)、WRS、酸素生成システム(Oxygen Generation System: OGS)ラック、ハーモニーからトレッドミル(Combined Operational Load Bearing External Resistance Treadmill: COLBERT)、ユニティから改良型エクササイズ装置(Advanced Resistive Exercise Device: ARED)のトランクウィリティーへの移設と整備などの作業が行われました。

窓のシャッターを開ける前のキューポラ 窓のシャッターを開けた後のキューポラ

窓のシャッターを開ける前のキューポラ(左)と開けた後のキューポラ(右)

船外活動では、トランクウィリティー設置の準備と取付け、「デクスター」(特殊目的ロボットアーム)の軌道上交換ユニット仮置き場(ORU Temporary Platform: OTP)の取外しと保管、キューポラの移設準備、トランクウィリティー外部の整備、キューポラ外部の整備などの作業が行われました。

その他、終了した実験のサンプルなどが回収されました。JAXAに関連する回収物資としては、「線虫C.elegansを用いた宇宙環境におけるRNAiとタンパク質リン酸化(CERISE)」「国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士の身体真菌叢評価(Myco)」の実験成果が回収されました。

ミッション概要

打上げと帰還

写真:エンデバー号の打上げ

エンデバー号の打上げ

エンデバー号は、NASAケネディ宇宙センター(KSC)から、米国東部標準時間2010年2月8日午前4時14分(日本時間2010年2月8日午後6時14分)に打ち上げられました。当初は、2月7日の打上げを予定していましたが、KSC周辺の天候不良により、2月8日に延期されました。

エンデバー号は、飛行15日目の2010年2月21日午後10時20分(同2月22日午後0時20分)にKSCに着陸し、13日と18時間6分にわたるミッションを終えました。帰還は当初、飛行14日目の予定でしたが、WRSのメンテナンスの成功を受けて、トランクウィリティーへWRSラックなどを移設する作業を実施するために、ドッキング期間が1日間延長されました。

打上げと帰還
打上げ日時 2010年2月8日午前4時14分(米国東部標準時間)
2010年2月8日午後6時14分(日本時間)
着陸日時 2010年2月21日午後10時20分(米国東部標準時間)
2010年2月22日午後0時20分(日本時間)
詳細(全て米国東部標準時間)
  • 主脚接地時刻:2月21日午後10時20分31秒
  • 前輪接地時刻:2月21日午後10時20分39秒
  • 完全停止時刻:2月21日午後10時22分10秒
飛行時間 13日18時間6分

打上げの詳細はステータスレポート#01を、着陸の詳細はステータスレポート#29をご覧ください。

ISSへのドッキングと分離

ISSへのドッキングと分離
ドッキング日時 2010年2月9日午後11時06分(米国中部標準時間)
2010年2月10日午後2時06分(日本時間)
分離日時 2010年2月19日午後6時54分(米国中部標準時間)
2010年2月20日午前9時54分(日本時間)
結合時間 9日19時間48分

ドッキングの詳細はステータスレポート#05を、分離の詳細はステータスレポート#25をご覧ください。

船外活動

第3回船外活動でキューポラのMLIカバー取外しを行うロバート・ベンケン(左)、ニコラス・パトリック(右)両宇宙飛行士

第3回船外活動でキューポラのMLIカバー取外しを行うロバート・ベンケン(左)、ニコラス・パトリック(右)両宇宙飛行士

今回のミッションでは、3回の船外活動が計18時間14分にわたって行われました。ISSの組立てとしては、ISSから実施したものを含め、通算140回、計873時間22分の船外活動を実施したことになります。(参考:ISS組立のための船外活動

船外活動では主に、トランクウィリティーの設置準備と設置後の外部の整備作業、キューポラの移設準備と移設後の外部の整備作業、PMA-3移設後の外部の整備作業、デクスターのOTPの取外しと保管、S0(エスゼロ)トラスからPMA-1までのビデオ信号変換器(Video Signal Converter: VSC)のケーブル敷設が行われました。

第1回船外活動(飛行5日目)
開始日時 2010年2月11日午後8時17分(米国中部標準時間)
2010年2月12日午前11時17分(日本時間)
終了日時 2010年2月12日午前2時49分(米国中部標準時間)
2010年2月12日午後5時49分(日本時間)
作業時間 6時間32分
作業者 ニコラス・パトリック、ロバート・ベンケン両宇宙飛行士
主要作業内容
  • トランクウィリティー設置の準備(トランクウィリティーのパッシブ共通結合機構(Passive CBM: PCBM)の保護カバー取外し、エンデバー号/トランクウィリティー間のヒータケーブル取外し)
  • デクスターのOTPの取外しと保管
  • トランクウィリティーへのヒータケーブルとアビオニクスケーブル(電力・データ供給配線)の接続
  • キューポラ移設の準備(トランクウィリティーの地球側CBMのセンターラインカメラのカバー開放)

詳細は第1回船外活動ステータスレポート#09をご覧ください。

トランクウィリティーの地球側CBMのセンターラインカメラのカバー開放は第2回船外活動で予定されていましたが、他の作業が予定より早く進んだため、前倒しで第1回船外活動で実施されました。

第2回船外活動(飛行7日目)
開始日時 2010年2月13日午後8時20分(米国中部標準時間)
2010年2月14日午前11時20分(日本時間)
終了日時 2010年2月14日午前2時14分(米国中部標準時間)
2010年2月14日午後5時14分(日本時間)
作業時間 5時間54分
作業者 ニコラス・パトリック、ロバート・ベンケン両宇宙飛行士
主要作業内容
  • デスティニー/トランクウィリティー間のふたつのループのアンモニア冷却配管の接続
  • トランクウィリティーのひとつ目のループのアンモニア冷却配管の開放
  • トランクウィリティーのキールピン、トラニオンピンへの断熱カバー取付け
  • キューポラ移設の準備(ペタルのロンチロック解除)
  • トランクウィリティーへのハンドレール、ベントバルブの取付け

詳細は第2回船外活動ステータスレポート#13をご覧ください。

第3回船外活動(飛行10日目)
開始日時 2010年2月16日午後8時15分(米国中部標準時間)
2010年2月17日午前11時15分(日本時間)
終了日時 2010年2月17日午前2時03分(米国中部標準時間)
2010年2月17日午後5時03分(日本時間)
作業時間 5時間48分
作業者 ニコラス・パトリック、ロバート・ベンケン両宇宙飛行士
主要作業内容
  • トランクウィリティーのふたつ目のループのアンモニア冷却配管の開放
  • 第1回船外活動で接続したトランクウィリティー用のヒータケーブルの取外し
  • トランクウィリティー/PMA-3間のヒータケーブルとデータケーブルの接続
  • キューポラの多層断熱材(Multi-Layered Insulation: MLI)カバー取外し
  • キューポラのデブリ防護システムシャッターのロンチロック解除
  • トランクウィリティーへの足場の取り付け器具(Worksite Interface: WIF)、ハンドレールの取付け
  • S0(エスゼロ)トラスからPMA-1までのVSCのケーブル敷設
  • ハーモニーの天頂側CBMのセンターラインカメラのカバー閉鎖
  • デスティニー/船外保管プラットフォーム2(External Stowage Platform: ESP-2)間にギャップスパナーを設置

詳細は第3回船外活動ステータスレポート#19をご覧ください。

前倒しの作業として予定されていたP1トラスのフレックス・ホース・ロータリ・カプラ(Flex Hose Rotary Coupler: FHRC)のクランプ(留め金)の取外しは、パトリック宇宙飛行士の船外活動ユニット(Extravehicular Mobility Unit: EMU)の二酸化炭素吸着容量の余裕が少なくなったため実施されず、代わりにデスティニー/ESP-2間にギャップスパナーを設置する作業が実施されました。

船内活動

写真:記念撮影を行うSTS-130クルーとISSクルー

記念撮影を行うSTS-130クルーとISSクルー

  • トランクウィリティー内部の整備作業
  • キューポラ内部の整備作業
  • キューポラの移設作業
  • PMA-3の移設作業
  • WRSの尿処理装置(Urine Processor Assembly: UPA)の蒸留装置(Distillation Assembly: DA)の交換修理
  • デスティニーからトランクウィリティーへのWRSラック2台、WHCとOGSラックの移設
  • 「きぼう」船内実験室からトランクウィリティーへのARSラックの移設
  • ユニティからトランクウィリティーへのAREDの移設
  • スペースシャトルのロボットアーム(Shuttle Remote Manipulator System: SRMS)とSSRMSの運用
  • 船外活動の支援
  • エンデバー号とISS間の物資の移送
  • テレビ局、通信社とのインタビューなどの広報活動

主な問題など

船外活動ユニット(EMU)のトラブル

第3回船外活動の様子

船外活動時に着用するEMUに、ヘルメットのカメラとグローブヒータに電力を供給するパワーハーネスや、通信用ヘッドセット、ファンの回転数の異常など、軽微な問題がいくつか発生しました。

船外活動担当のニコラス・パトリック、ロバート・ベンケン両宇宙飛行士が着用予定だったEMUに加え、ISSに保管してあったEMUも使い、3着のEMUの間でパーツ交換やパーツ修理などの対応を行ってEMUを整備し、予定通り3回の船外活動を実施しました。

断熱カバーとキューポラの構造的な干渉

トランクウィリティーの地球側CBMに移設されたキューポラ(中央)

飛行7日目、飛行8日目のキューポラの移設に備えて、ISS船内ではキューポラが取り付けられているトランクウィリティーの左舷側のCBMに、温度変化やデブリからCBMを保護するための断熱カバーを取り付ける作業を行いましたが、構造的にキューポラと干渉するため、取り付けられませんでした。

キューポラのハンドレールで使われていたボルトの突起部分が干渉していたため、このボルトを外すことで問題は解決し、カバーの取付けが行われました。

キューポラのコーナーパネルの干渉、ロボットアーム操作卓の移設延期

飛行10日目、キューポラのコーナーパネルの設置作業を行いましたが、周囲の機器と構造的に干渉するため設置できませんでした。この作業は、エンデバー号分離後に見送られました。コーナーパネルの設置後にキューポラのロボットアーム操作卓を移設する計画のため、本ミッションで予定されていたロボットアーム操作卓の移設作業は延期されました。

コーナーパネルの設置作業は、干渉する機器を取り外す作業などで対応する予定です。

尿処理装置(UPA)からの尿漏れ

飛行11日目、WRSラック移設後、UPAの尿を貯めるタンクから、配管内への尿漏れが見つかりました。

原因究明を行うためにUPAは停止され、コネクタの接続に誤りがないか確認する作業が行われました。エンデバー号がISSを離れた後もISS長期滞在クルーにより作業が行われ、バルブのコネクタの抜き差しを行った後、稼動が再開され、完全に機能するようになりました。

(写真は全てNASA提供)

 
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