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ペイロード

STS-113ミッションで搭載するペイロード(搭載物)のうち主要なものは次のとおりです。
P1トラス
UHFアンテナ
ワイヤレスビデオ送信機(WETA)
MEPSI超小型衛星
P1トラス
エンデバー号のペイロードベイ(貨物室)に搭載されたP1トラス

国際宇宙ステーション(ISS)の完成時には、進行方向に対して直角で横の方向に、トラスと呼ばれる長さ約91mにもなる梁(はり)が取り付けられ、このトラスに太陽電池パドルなどが取り付けられます。

P1トラスはISSのS0トラスの左舷に取り付けられるトラスです(9AフライトでS0トラスの右舷側に取り付けられたS1トラスと基本的に同じ機構・機能を有しています)。P1トラスの長さは約13.7m、高さは約4.6m、奥行き(ISS取り付け後の進行方向)は約1.8m、重量は13,984kg(S1トラスは12,556kg)で、S1トラスとほぼ同じ形状です。S1トラスの打上げ時の概観はこちらをご覧ください。

P1トラスには外部能動熱制御系機器(External Active Thermal Control System:EATCS)用の展開式ラジエータと冷媒を保管・循環させる装置の他、EVA時の支援装置となるCETAカートB、電力系機器やデータ処理系の機器などが装備されています。

EATCSは、現在P6トラスで使われているEEATCS(Early EATCS)の代わりとなるもので、12A.1ミッションでS1トラスとP1トラスのEATCSを起動し、P6トラスのEEATCSを停止し、EATCSに切り替える運用が行われる予定です。

12A.1ミッションでEATCSが起動されると、ロシア側を除く全ての与圧モジュール(「きぼう」日本実験棟とコロンバスモジュールを含む)からの排熱を集めて、宇宙空間に放射する役割を果たすようになります。

P1トラスに装備されているEATCSは、ループB側の装置であり、中温系熱交換機(Moderate Temperature Interface Heat Exchanger:JEM MT IFHX)からの排熱を収集する系統です(S1トラスのEATCSはループA側の装置であり、低温系熱交換機(Low Temperature Interface Heat Exchanger:JEM LT IFHX)からの排熱を収集します)。

 

P1トラスの主な構成装置
SSAS(Segment-to-Segment Attachment System)

 

P1トラスは、11AフライトでS0トラスと結合し、12AフライトでP3/P4トラスと結合します。これらのトラス同士を遠隔操作して結合させる機構として、このSSASが使用されます。SSASにはアクティブ側とパッシブ側の2種類があり、P3/P4トラスと結合する側のSSASはアクティブ側、S0トラスと結合する側のSSASはパッシブ側です。アクティブ側はモータ駆動ボルト(MBA)が4カ所(精位置決め機構を含む)、統合モータ制御装置(IMCA)により作動する把持ラッチが1カ所、粗位置決め機構(アラインメントガイド)が3カ所、結合準備完了指示(RTL)センサが3カ所あります。パッシブ側には把持ラッチに対応するラッチが把持するラッチ用バーがあります。

SSASの結合は、まず、把持ラッチでパッシブ側のラッチ用バーを引き寄せ、トラス同士の位置を合わせます。その後、4カ所のボルトで結合されます。このボルトの受け側となるナットは、1カ所は構造的に固定されていますが、残りの3カ所は熱による構造の収縮を考慮して多少の自由度を有しています。なお、構造結合が完了すると把持ラッチは解除されます。

把持ラッチも駆動ボルトも遠隔操作できない場合は、EVAによるバックアップ方法で動作させることが出来ます。

外部能動熱制御系機器
EATCS(External Active Thermal Control System)ラジエータ

 

S1、P1トラスセグメントに装備された2つのEATCSループは、それぞれ3つのラジエータORUから構成される排熱用のラジエータ・ウイング1基を持っています。このラジエータ・ウイングは、合計で約35kWの熱を宇宙空間に放出することができます。ラジエータ展開時の長さは約22.8mです。

3つのラジエータORUは、ラジエータを適切な角度に回転させ排熱を最適化させるための機構である放熱ラジエータ回転関節部(Thermal Radiator Rotary Joint:TRRJ)に取り付けられています。

各ラジエータORUは、8枚のラジエータパネル、6個のSFU(Squib Firing Unit)、SFUのファームウエアコントローラ、ラジエータORUの展開/収納用の駆動モータである統合モータ制御装置(IMCA: Integrated Motor Controller Assembly)1基、着脱コネクター(QD)から構成されています。各ラジエータORUは、打上げ時には折り畳まれて6個の帯状の固定具で固定されています。軌道上では、このラジエータORUは展開/収納が可能です。6個のSFUは、ラジエータORUの初期展開時に固定具機構を開放するために使われます。

IMCAは、1基しかないため、故障した場合はEVAでピストル型パワーツール(Pistol Grip Tool:PGT)を使って展開/収納をおこないます。

CETAカート

 

11Aフライトでは、9Aフライトに次いで2台目のEVAクルーおよび機器移動補助用のCETA(Crew and Equipment Translation Aid)カートがP1トラスに固定された状態で打ち上げられます。CETAカートについては、9Aフライトのペイロードのページをご覧ください。

その他
 
  • 電力系機器
  • データ処理システム機器
  • UHFアンテナ1基(下記参照)
  • 加速度計6基
  • WETA用の支柱2基

 

UHFアンテナ

現在、ISS上ではスペースシャトルやEVAクルーとの通信に使われるUHFアンテナが、デスティニー(米国実験棟)の外部に1個設置されています。P1トラスには2個目のUHFアンテナが搭載されて運ばれます。

このUHFアンテナは、P1トラスの上部に固定されて打ち上げられ、12月にISSで行われる予定のEVA時に展開されます。これらのシステムが使用可能になれば、ISSのUHFシステムは冗長系を確保できるようになります。

 

ワイヤレスビデオ送信機(WETA)

11Aフライトでは、2基のワイヤレスビデオ送信機(WETA)をEVAでISSに設置します。1つはユニティ(結合モジュール1)に、もう1つはP1トラスに設置する予定です。

これらのWETAは、今後のISSでの組立作業時にEVAクルーのヘルメットカメラからの映像を中継するために使われるものです。これまでは、ヘルメットカメラからの映像は、スペースシャトルのアンテナで中継していたため、スペースシャトルが滞在していない期間は使用できませんでした。WETAの設置により、スペースシャトル不在時のISSでのEVAでもヘルメットカメラの映像が利用できるようになります。

 

MEPSI超小型衛星
MEPSI衛星
(中央は放出まで衛星を収納する容器)

MEPSI(MEMS-based PICOSAT Inspector)衛星は、STS-113がISSから分離した後に放出する超小型の衛星です。約10cmの直方体の形状の衛星2個(重量は各1kg)がテザーでつながれたまま、スペースシャトルのペイロードベイ側壁からスプリングの力を使って放出されます。

MEPSIは、DARPA(米国国防総省国防高等研究計画局)の予算で開発されたPICOSAT(MICROSAT、NANOSATより小さい超小型衛星の意味)で、AFRL(米国空軍研究ラボ)が行う、軌道上の衛星の損傷をカメラで撮影して点検する等の技術研究のために、Aerospace CorporationとJPLが開発しました。

最低3日間のミッションを目標としています。

 

最終更新日:2002年11月 5日

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