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宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター
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コラム ―宇宙開発の現場から―

コラム―宇宙開発の現場から―
【国際宇宙ステーションと世界の旅】 Vol.3 第三日目 オーストラリア 火星探査と空中浮遊感が体験できる町
 ここ数年自転車がブームである。JAXAの宇宙センターがある茨城県つくば市は、坂道がないほとんど平らな土地柄と、まっすぐに整備された道路、そして施設と施設の距離がKm単位であることから、自転車生活にはうってつけの街だ。事実この人口20万人程度のつくば市には、それこそ自転車で行き来できる距離の間にスポーツ自転車専門店が5、6軒も軒を連ねているのだ。ところが、オーストラリア第二の都市、人口400万を抱えるメルボルンに来てみると、自転車文化の度合いがさらにに進歩しているのに驚かされる。朝夕の通勤時間帯には、サイクルウェアとヘルメットにきちんと身を固めて、スポーツ自転車で通勤する自転車ツーキニストたちが都市の中心部で引きもきらなくなるのだ。専用ヘルメットはコンビニでも売っている。

通勤時間帯はサイクリストがあちこちに
通勤時間帯はサイクリストがあちこちに
 
モダンなビルと昔の建築の調和が美しい
モダンなビルと昔の建築の調和が美しい
 メルボルンは19世紀中ごろこの地で起きたゴールドラッシュで発展した都市であり、現在でも碁盤の目状に整った美しい街並みと港と運河を構え、なだらかな土地に市街地が広がる。自転車だけでなく、街の設計そのものが人にやさしいことが実感される。歩いて回っても十分回りきれるコンパクトな旧市街、車や歩行者とすみ分けながら、しっかりとスポーツ自転車が走れる道路、立派な構えの家が立ち並ぶ郊外の住宅街等々。これはアジア地域の混然とした都会とも、石造りで曲がりくねって重々しい欧州の都市とも、あるいは車中心のアメリカの都市、それらどれとも違うのである。気候も温暖であり、住むには快適な町並みだ。市街地の南を流れて海に注ぐヤラ川に沿っていろいろな施設があるが、そのひとつメルボルン水族館は、世界でも数少ないといわれる本格的な南洋の水族館だ。南太平洋の魚が回遊する大水槽があり、グレートバリアリーフに生息すると言うクラゲはいつまで見ても見飽きない不思議な美しさだ。

大型回遊水槽
大型回遊水槽
 
癒し系のクラゲたち
癒し系のクラゲたち
 市街地はなだらかな傾斜となっているがほぼ上りきったところにあるのがクイーンビクトリアマーケット、簡単なトタン葺き屋根の下に、たくさんの店が並ぶバザール型の大きなショッピングセンターだ。お土産品の値引きは店の間での共通ルールがあるらしくなかなか渋いが、ブーメランなどが比較的安価で買える。このマーケットはオールドメルボルンセメタリーという墓所の上に立てられたそうで、いまだに地下には9000もの遺体が埋まったままなのだと書いてある。夜に何か出てこないのだろうか。

Queen Victoria Market
Queen Victoria Market
 
墓地だったと書いてある
墓地だったと書いてある
 日本からの観光客も多いオーストラリアには、実は日本を旅立った惑星探査機もお世話になっている。小惑星イトカワからの困難な旅路の果てに、はやぶさが火の玉になって舞い降りたのは、メルボルンから西北に1200kmほど離れた、南オーストラリアの中央、アボリジニの言葉でウーメラ(槍状の投擲具)と呼ばれる地区である。この地域は日本がスペースシャトルタイプの翼をもった無人宇宙船HOPEの開発を進めていた1990年代に、自動着陸実験機の着陸実験を行ったところでもある。
 また、オーストラリアはAPRSAF(環太平洋宇宙機関会議)のメンバーであり、過去には2004年と2010年の2回、議長国を務めている。このように、オーストラリアと日本は、実は宇宙を通しては深い関係のある国だ。

会議中のアトラクション、ワニが登場
会議中のアトラクション、ワニが登場
 
展望タワーから港方面を望む。
展望タワーから港方面を望む。
 さて、このメルボルンの町には、宇宙に近い?絶好スポットが2か所あるのだ。
 一つ目はユーレカタワー、地上92階、高さ300m、先端部が金色に光る超高層ビルだ。
 このビルの88階に“The Edge”がある。The Edgeとは約3m四方のガラス製の箱であり、乗客が乗り込むと、この箱がビルの壁から外にせり出すのだ。ガラスには液晶フィルムが埋め込まれており、最初は不透明のすりガラス状なのだが、ビルの外に完全にせり出した状態で、ガラスの割れるような効果音とともにこれが透明化される。乗客は300mの空中にいきなりほうりだされる感触を楽しめるというアトラクションだ。短い時間だが空中散歩を楽しめる。たいていのホテルに10%ほどの割引券が置いてあるので、忘れないようにしたい。たった5分ほどの体験だが、料金もそれなりに“高い”のだ。

せり出したThe Edge
せり出したThe Edge
 
アトラクションから生還するともらえる腕輪
アトラクションから生還するともらえる腕輪
 2つめは、ビクトリア宇宙科学教育センター(VSSECC)。ここは体験型学習によって科学教育を行う施設である。もっとも人気があると言われているのが火星探査シミュレーションだ。施設の中には、火星地表を模した部屋と、地球のミッション管制室に対応する部屋、他に、火星のサンプルを分析する実験室等、どれも宇宙機関が持っているのと同等の設備が設けられている。
 体験ミッションに参加する生徒達は、それぞれ火星探査班、ミッション管制班、試料分析班等のグループに分かれ、火星探査飛行のシミュレーション訓練に参加するというプログラムである。火星探査チームは宇宙服に着替えて、火星地表におり立ち、岩石等のサンプルを集める。ミッション管制班は管制室のコンピュータディスプレイを前にして、指示を出す。ミッション中には思わぬトラブルが発生するシナリオで、参加者は状況に応じて対応しなければならない。それぞれ与えられた立場でのロールプレイを通し、実際のミッションの訓練を行うわけだ。一方試料分析の実験室には、本格的な分析機が備えられており、これらの機器を専門家の指導を受けながら使いこなし、化学分析を行っていく。本物の分析器具や装置を使うことで、高い教育効果があるとのこと。夏休みには3日程度のSpace Schoolが行われていて、料金も150ドル程度で抑えているという説明だった。

火星表面をシミュレートした部屋
火星表面をシミュレートした部屋
 
Astronaut Training Facilityかと思ったら…
Astronaut Training Facilityかと思ったら…
オーストラリアは宇宙ステーションや有人宇宙計画には直接参加していないものの、有人宇宙活動にかかわる教育にこのように本格的に取り組んでおり、宇宙ステーションやきぼうの利用を教育プログラムにとりいれることも検討している。これからの協力が楽しみな国である。

Have a good day!
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