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コラム ―宇宙開発の現場から―

コラム―宇宙開発の現場から―
まさるくんのロシア出張日記~その9~
皆様、こんにちは。JAXAでタンパク質の結晶生成実験を担当しています佐藤勝と申します。宇宙実験の現場を知って頂くため、ロシアへの出張日記をコラムの形で連載しており、今回が9回目となります。
私は、兵庫県姫路市からの帰りの新幹線で、この原稿を書いています。11月26日に回収された、タンパク質の結晶生成実験(第3回)のロシア側の結晶の解析を行うため、兵庫県佐用町にあります、SPring-8(大型放射光施設)で作業を行なって来ました。ロシアが搭載した10種類のタンパク質の解析の結果、いくつかのタンパク質で新規の立体構造のデータや、これまでの結果を上回る精度のデータが得られました。今後、ロシア側の研究者が、詳細な立体構造のモデルの構築を進めますが、新たな発見が得られることを期待しております。
さて、今回の話題は、ロシア人の生活の続きとして、クリスマスや新年の過ごし方をご紹介したいと思います。
クリスマスは、「神の子が人となって生まれて来た事」を祝う日で、12月25日がこれに当たりますが、ロシアなどの正教会のうちユリウス暦を使用するところは、グレゴリオ暦の1月7日にクリスマスを祝います。ロシア語で「クリスマス」の略語は、「ハリストス(キリストの現代ギリシャ語・ロシア語読み)の降誕」を意味する「Рождество Христово」の頭文字からとった「РХ」で表され、聖堂などに「РХ」とネオンサインで表示する様子がしばしば見られます。また、クリスマスは「冬祭り」、サンタクロースは「マロース爺さん」(ロシア語で、マロースは「吹雪」の意味)と呼ばれています。
ロシアの新年は家族で迎えるのが普通です。新年を迎えるのは家族の行事というところは、日本と同じですね。最近では年越しを「赤の広場」で迎えるという若者も増えているようで、12時の鐘と一斉に打上げられる花火と共にシャンパンを開けてお祝いするのです。
新年を迎える時の料理は、やはり盛大豪華。決まった料理はありませんが、イクラやキャビアは用意されますし、鶏肉や豚肉などの塊肉をオーブンで焼くような大皿料理が必ず準備されます。最初はサラダが数種類、イクラやキャビアのオープンサンド、サーモンや薫製の魚、豚肉のゼリー寄せ、ピロシキ、豚肉のオーブン焼きなどなど食べきれないほどです。もちろん飲み物はシャンパン。どんな家族でも新年の夜のシャンパンだけは欠かさないそうです。
ロシアのクリスマスツリー「ёлка(ヨールカ)」は、新年前までに飾り付けされますが、ヨーロッパ各地では、11月頃からクリスマスツリーやクリスマスイルミネーションが街を華やかにしますが、モスクワは12月も半ばを過ぎてからのようです。ヨールカには、電飾や球状の飾りや人形などはもちろん、お菓子や小さなミカン、リンゴなど様々なもので飾り付けされるそうです。また、ヨールカの前には「Дед-Мороз(ジェット・マロース、マロース爺さん)の人形」が必ず置かれます。ジェット・マロースは、サンタクロースと似ていますがロシアに古くからある伝説で奇跡を起こすおじいさんです。また、このジェット・マロースと一緒に登場するのがジェット・マロースの娘、「Снегурочка(スニェグーラチカ)」で、この二人が対になって登場することが多いようです。
プレゼントは、クリスマスプレゼントではなく、新年のプレゼントとして用意され、12月31日までヨールカの下に置かれて、1月1日の新年の夜にお互いにプレゼントを渡したり、子供達はヨールカの下のプレゼントを開けたりします。因みに、ロシアでは靴下の中にプレゼントを入れるという習慣はなく、ヨールカの下に置いておくのが一般的なようです。
日本では12月25日を過ぎると新年モードに一変し、門松が立ったり、お正月の飾り付けが始まりますが、ロシアはこれからが、新年&クリスマスの本番です! ロシアでは1月1日に新年を迎え、1月7日にクリスマスと、まだまだ楽しいお祝いの日々が続き、1月14日のユリウス暦の新年まで、お祭り気分が続きます(当然、お仕事もお休みのようです。。。)。
さて、長らくお楽しみいただきました、このコラムも、次回の第10回をもちまして最終回とさせて頂くこととなりました。次回は、これまでのコラムの総括と今後の宇宙実験やロシアとの協力などについてお話したいと思います。
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