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JAXA宇宙飛行士活動レポート

JAXA宇宙飛行士活動レポートに連載している油井・大西・金井宇宙飛行士が綴るコラム記事“新米宇宙飛行士最前線!”のバックナンバーです。
最終更新日:2012年7月20日

みなさんはロボノート(Robonaut)という言葉をご存知でしょうか?

英語のロボット(Robot)と宇宙飛行士(Astronaut)を組み合わせて作られた言葉で、わかりやすく言ってしまえば、ロボット宇宙飛行士ということになります。
・・・・そのまんまですね(汗)

ロボットという言葉で多くの方が連想するのは、鉄腕アトムに代表されるようなヒト型ロボットではないでしょうか。ただ実際には、ロボットというのはより広く、人間の代わりに作業をする装置を指すとされています。 私たちの社会では、産業ロボットなど多くのロボットが活躍しています。最近は、お掃除ロボットなんていうものも流行っていますね。これは人間の代わりに掃除という作業をしてくれるわけですから、れっきとしたロボットと言えます。

宇宙の分野に目を向けると、やっぱりここでも多くのロボットたちが活躍しています。現在国際宇宙ステーションでも、日本とカナダがそれぞれ開発した2つのロボットアームが、国際宇宙ステーションの組み立てや、実験装置の移動・取り付けなどに活躍し、果ては日本の補給船「こうのとり」を掴むなど、文字通り離れ技を演じています。

また、現在火星上で活動を続けていて、貴重な科学データを地球に送信してくれているNASAのオポチュニティという名の火星探査車も、宇宙探査ロボットの1つです。

6月のある日、東北大学でこういった宇宙ロボットの研究をされている吉田和哉教授が、セミナーを実施する為にNASAを訪問されました。その際、NASA側のロボット関連施設を見学されたのですが、私は幸いにもその見学に同行させて頂くことになり、貴重な経験をすることが出来たので、今回はその時のことを書きたいと思います。

そこで、冒頭のロボノートの話に戻ります。

実はこのロボット宇宙飛行士、既に昨年アメリカのスペースシャトルによって国際宇宙ステーションに運ばれているのです。

写真

写真がそれと同型で地上テスト用のロボノート。下半身はついていませんが、上半身は人間そのものです。背中に背負ったバックパックに入った電池で作動するようです。

頭部に付いたカメラで物の形をしっかりと認識できるようで、例えば書類の入った封筒を前に差し出すと、それを受け取るといった動作を見せてくれました。

さらに手を軽く握ってやると、それを人間からの握手だと認識して、ちゃんと握り返してくれるではありませんか。

この握手という動作。シンプルなようで、よくよく考えてみると、なかなか複雑な「人間らしい」動作と言えます。

まずは手のひらに内蔵されているセンサーで、手を握られたということを認識します。

次にそれを認識した頭脳が、握り返すという指令を体に送ります。

指令を受けた体は、上腕部、それから指一本一本のアクチュエーターを作動させて、相手の手を適度な力で握り返すわけです。

この「適度な力で」というのがポイントで、私たち人間は無意識のうちにやっていることですが、力が弱すぎても握手になりませんし、逆に強すぎると相手の手を痛めつけることになりかねません。

こういった手先の器用さや繊細さで、ネジを回すなどの単純作業や、人間の宇宙飛行士に道具を受け渡しするなどのサポートをすることが可能になるでしょう。

正直言うと私はこのロボノートを見学する前は、ロボットに人間の代わりができるはずがない、と少々否定的な気持ちでいたのですが、実際に動いている彼もしくは彼女に会ってみて、認識が大きく変わりました。

もちろん、今の時点で人間に取って代われるとは思いませんが、ロボットの長所を生かして、人間をサポートすることは十分に可能ではないかと思わせるポテンシャルを感じました。

ロボットなら長時間の単純作業も、疲れることなく、同じ正確さで続けることが可能ですし、お腹が空いたなどと不平不満を言うこともありませんし(笑)、何よりそのまま宇宙船の外に出て行けるというのも、ロボットの大きな強みになるのではないかと思います。

私の大好きな映画「スターウォーズ」でも、R2-D2やC-3POといったロボットたちが大活躍しますが、そんな未来が実現するかもしれませんね。

写真

余談ですが、「ロボノートと力比べをしてみないか?」と言われ、僭越ながら人類を代表して挑戦してきました。

約10Kgの鉄アレイを手に持って、手を伸ばした状態で体の横方向に持ち上げて保持するという種目(?)だったのですが・・・

結果はあえなく惨敗。持ち上げていく過程で、関節をおかしくしそうだったのでやむなく途中棄権しました。

人間の関節というものは、普段力がかからない方向に力がかかると、弱いものですね。。。

「いまだに誰にも負けたことがない」、と解説の人。

すごすごと退散しましたが、「あれ?宇宙は無重力だから、重さは関係ないよな?」という素朴な疑問、いえいえ、負け惜しみは言わぬが花でしょう。

※写真の出典はJAXA/NASA


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