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2007年9月 アーカイブ

T38訓練

飛行士の訓練で皆さんよくご存知なのが、ジェット機の訓練。「宇宙飛行準備訓練」とされ、飛行士訓練の柱の一つです。
NASAでの訓練に使っている二人乗りのT38ジェット練習機は、それこそNASA飛行士の第1期生の頃から使ってます。
ミッションスペシャリストの場合、年間48時間の飛行時間要求があり(最初の200時間までは年間100時間)、ミッションにアサインされてもそれは変わりません。
ほとんどの場合は1機で飛行しますが、編隊飛行することもあります。
先日は、STS-124のメンツ(ケン・ハム、ロン・ギャラン、マイク・フォッサムと私)で、2機で編隊飛行しました。

IMGP6100.JPG
編隊飛行中。前の席にケン、後がマイク。ちなみにこちらは前がロン、後が私。

空に上がってしまえば後に座る我々ミッションスペシャリストも操縦しますし、通信や航法も担当します。
何かあった場合には、二人で分担しながら、対処します。
通信や正確な操作のほか、このあたりのチームワークや状況把握、リアルタイムでの決断力などを培うのに、T38訓練がベストなんですね。
正に、宇宙飛行準備のための訓練です。

img070907_03.jpg
こんな感じで飛行してます。

ばーちゃる・りありてぃー

今回のミッションでEVA(船外活動)とSSRMS(国際宇宙ステーションのロボットアーム)、SRMS(スペースシャトルのロボットアーム)の協調が必要な場面があることは以前お伝えしました。それぞれの訓練はそれぞれの訓練設備で行いますが(例えばEVAだったらNBL、ロボットアームだったらDynamic System Trainer (DST)などのシミュレータ、など)、なかなか協調作業を訓練するのは難しい。NBLでも動くロボットアームはありますが、設備側の制約で実際のロボットアームとは違ったりします。

特にお互いの交信と動きを把握して協力して作業をしなくてはならないケースの訓練で活躍するのが、ばーちゃる・りありてぃー(Virtual Reality(VR))です。

今回はEVクルーがヘッドマウントディスプレイを被り、コンピュータが作った仮想現実の世界でハンドレールを「掴み」ながら、どういう風に作業場所が見えるかなどを確認しつつ、ロボットアームのオペレータと交信して指示を出しました。アームのオペレータはEVクルーの指示に基づき、自分の前にあるカメラ画面で周りの構造物との距離などを確認しつつ、アームを動かします。


img070913_01.jpg
ヘッドマウントディスプレイを被って訓練するマイク。


img070913_03.jpg
奥にEVクルー、左にSRMSオペレータのカレン。手前にはIV(Intervehicular;船内でEVクルーに指示を出す役割)のケンと、全体を見ているコマンダーのマーク。写真の更に右にはSSRMS操作卓がある。


img070913_02.jpg
SSRMS操作卓。今回の訓練に参加できなかったISS側の飛行士に代わり、1Jミッションのロボティクス運用をサポートしてくれる山崎飛行士(左)がサポートしてくれた。


正直、VRが訓練として注目され始めた頃は「こんなん、訓練で使えるんか??」と思ってましたが(笑)、今やこういう訓練に欠かせない設備になりました。それぞれの訓練設備の長所短所を補いつつ、訓練は今後も続きます。

祝!「かぐや」打上げ成功っっ。

ちょっと遅くなりましたが、H-IIAロケット13号機&「かぐや」打上げ成功、おめでとうございます!

いい打上げでしたね。僕も有人の世界に携わる前は名古屋でH-IIロケット(H-IIAロケットの前身)の開発・製造を現場で見てたし、種子島宇宙センターの作業に携わった経験もあるので(当時は結局打上げは見られませんでしたが)、関係者の努力や苦労はよく分かります。H-IIロケット1号機の打上げなんて、厳しい先輩たちが涙流してたもんなぁ・・・かっこいい涙だった。打上げ関係者は、それぞれ自分の担当部分が飛んで行くと感じるらしい。エンジン担当であればエンジンが、衛星を守るフェアリング担当であればフェアリングが、空を突き抜けて飛んでいく。それぞれのシステムが仕事を無事終えるまで、じっと見守る。僕も担当した部品がちゃんと機能してくれるように祈りながら見守ってたのを、覚えています。

一方、月周回衛星「かぐや」の関係者にとっては打上げは最初の一歩、ここからがメイン。引き続き気の抜けない日々が続くでしょうが、しっかりデータを集めてください。そして、また人類が月に行く時には、何を調べてくればいいのか教えてください。もちろん、我々も将来お役に立てるよう、腕を磨いておきますっっ!

関係者の皆さん、改めておめでとう、ご苦労様でした、そして引き続き頑張ってください!!

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皆さんと一緒に、私も「メッセージ」を「かぐや」に乗せてもらってます。(写真提供:三菱重工業株式会社)

NEEMO13訓練(その2)

さて、8/17までフロリダでNEEMO13訓練に参加して来た古川飛行士から、訓練の状況を聞きましたのでご紹介します。

6人のメンバーが10日間暮らしたアクエリアスは、フロリダ沖の海中(水深14mくらい)にあり、ちょうどバスくらいの大きさ。窓からは、大きなハタやエンゼルフィッシュ、その他多くの熱帯魚が見られて楽しかったとのこと。「でも、考えてみると、魚の世界に我々の方がお邪魔しているので、魚たちが我々を見にきているのかもしれませんね。」と、古川さん。

ミッション中は、朝6時頃に起き、3~6時間の潜水作業を主に実施。夕方からは、その日に撮った写真の整理や、翌日の仕事の打合せなどで、22時頃就寝。これらの合間に、各種科学実験も行ったため、結構忙しかったらしい。「でも、充実していて楽しかったですよ。」野球部の合宿みたいだったとも言ってましたね。想像できます(笑)。

ミッション前半は、月で将来使用する宇宙服の最適な重心と重量を調べ、後半は火星を想定した片道20分の通信の遅れを模擬し、リアルタイムで地球(地上)と交信できないような状況において、潜水作業を3日間実施した。

古川さんが階段を登っているところ
古川さんが階段を登っているところ。月表面から月着陸船への階段を登ることを想定した作業。

ここではご紹介しきれないので、詳細はNEEMO13ページ宇宙飛行士活動レポートをご覧下さい。

最後に古川さんからメッセージを。
「NEEMO13訓練を終え、ヒューストンに戻ってきました。みなさん、温かいお言葉ありがとうございます。地上に戻ってきて感じたのは、まず太陽の光がまぶしいということでした。そして、太陽の恵みを、肌で感じました。青い空に浮かぶ雲が妙に懐かしく、空気が普通にあるありがたさを感じました。そよ風が心地よく、岸の緑がとても鮮やかに見えたのが印象的です。宇宙から地上へ戻るときも、同じように感じるのかな?」

どうなんでしょうねー。将来宇宙と海中を比較した印象をまた教えてくださいね!


☆フランスで開催されているラグビーワールドカップ。残念ながら日本代表は4戦して3敗1分けでしたが、魂のこもった、い~試合を見せてくれました。ありがとう、ジャパン!!

ラグビーボール

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