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ジャーナルトップ

1Jミッション アーカイブ

はじめまして

初めまして、JAXA宇宙飛行士の星出彰彦です。

これからSTS-124/1Jミッションまでの訓練や生活など、皆さんにお伝えできればと思いますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
更新は不定期になってしまうかもしれませんが、どうかご容赦下さい。

さて、記念すべき第1回。早速ですが、クイズです♪
添付の写真はSTS-124クルーの部屋の表札(私の名前の綴りが間違っているのはご愛嬌(笑))ですが、表札の右に写っているのはなんでしょう?
正解は、後日。賞品は・・・ありませんっっ(^^;

STS-124クルーの部屋の表札

今週は国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System:SSRMS)の訓練と試験がありました。ここまではSSRMSの一般的な使い方(「Generic」と呼んでます)を学ぶ段階でしたが、今後はSTS-124ミッションに向けて、ミッション固有(「Flight Specific」)の訓練が始まります。

今週は・・・

訓練は・・・実はお休み。訓練スケジュールは打上まで既にだいたい組まれていますが、訓練と休息のバランスを取る意味でも、全クルーのスケジュール調整を円滑に行うためにも、まとまった休みはみんな一緒に取ります。スケジュール管理してくれるNASAの訓練マネージャーも、一息ついているのではないでしょうか(笑)。

日頃は学校のように朝から晩までスケジュールがいっぱいですが、みんなゆっくり家族と過ごしたり、旅行したり、思い思いに過ごしています。

ところで皆さんご存知かと思いますが、JAXAクラブという新しいWebサイトが始まりました!「宇宙飛行士 星出彰彦ができるまで」という連載もやりますので、皆さんぜひ寄ってみてください!

正解は

ところで前回のクイズの正解は・・・実はSTS-124/1Jミッション打上(現在、2008年4月24日予定)までのカウントダウン時計です。皆さん、正解ばっかりでしたねー、簡単すぎましたか?(写真の解像度も良すぎた・・・?)6月にクルー全員でJAXA筑波宇宙センターに訓練に行った際、JAXA有人宇宙技術部の柳川部長(私の上司です)からクルーにいただいたものです。柳川さん、みんな部屋を出入りするたびに見てますよ!(^^)

打上まであと286日です!

柳川さんとカウントダウン時計

今年のボストンマラソンも走った柳川さん。ちなみにうちのカレン・ナイバーグ飛行士も走りました。ISSからはサニー・ウィリアムズ飛行士も参加しました。

オーロラは見えなかったけど

ほしでです。
いきなりジャーナルを更新できなくて、すみませんでした。
実は、アラスカに行ってました。
あ、訓練ですっ(笑)。

今回はSTS-124のクルーと共に、National Outdoor Leadership School (NOLS)訓練を行いました。NOLSは、リーダーシップやフォロワーシップなどのチームワーク、状況に応じた決断方法(コンセンサスや多数決、リーダーが独断で決める、など)、自己管理などを、アウトドアの環境を使って学ぶものです。過去にもワイオミングで行っていますが、STS-124のクルーやNASAフライトディレクタと「同じ釜の飯を食って」、ミッションに向けてチームワークを良くしてきました。

ワイオミングでの訓練は、夏がトレッキング、冬がクロスカントリースキーでの移動でしたが、今回はシーカヤックを使い、10日間の訓練で約80海里を移動しました。夏なので残念ながらオーロラは見えませんでしたが(ほとんど白夜状態っっ)、大変ながらも有意義で楽しい訓練となりました!

訓練を終えて

訓練を終えて。あ~早くシャワー浴びたいっ!

☆7月16日に発生した新潟県中越沖地震の被災者の皆様に、お見舞い申し上げます。一日も早い復興を、お祈りいたします。

NOLS訓練

アラスカでの訓練から戻り、今週はいつものようにNASAジョンソン宇宙センター(JSC)での訓練を再開しました。各自、自分の担当業務の知識や技能をupさせるべく、講義や訓練設備を使っての訓練を受けています。

さて、先週までのNOLS(National Outdoor Leadership School)訓練。初日の朝にアンカレッジから車で30分ほどのPalmerにあるNOLSの施設にてインストラクタと合流、必要な機材を借りて一路出発地のWhittier(アンカレッジの南東、車で約2時間)へ。そこからカヤックを持って夕方には船で移動、キャンプを張ってその日は終了。翌日からは毎日リーダを変え、グループの目的や疲れ具合、天候などに応じてルートなどを決めて移動。合間にはインストラクタからチームワークやリーダーシップなどについて講義(青空教室!)がありました。体力のある人、キャンプ慣れしている人、料理上手な人、それ以外の人、みんなが協力しながら、毎日を過ごし、目的地に向かいました。いろんなバックグランドを持つ飛行士が、同じ目的(ミッションの成功)に向けてそれぞれの特徴を生かしながら貢献していくという観点でも、類似性のある訓練だったと思います。コマンダーのマーク(Mark Kelly)も、「通常の訓練では24時間一緒にいたりはしないけど、NOLSで寝食を共にすることによってお互いをよく知ることができる」って言ってたけど、本当にその通りだと思いました。

前半はむっちゃいい天気(日焼けしました(笑))、中盤はちょっと雨模様、終盤は天候が悪くなるとの予報から当初の予定を変更してpick upポイント(船が迎えに来る地点)に向かわざるを得ませんでした。状況に応じて計画を変更するあたりも、まさに軌道上のミッションと同じですよね。

僕の今回のテーマは、クルーのことをよりよく知ること、そして初体験だったシーカヤックの乗り方を覚えることだったけど、共に目的は達成できたと思います。

☆さて、お知らせを一つ。現在JAXA Web上等で、「きぼう」打上げ応援キャッチフレーズを募集しております。募集締め切りは9/18(当初7/31を締め切りとしてましたが、延長しました)。どしどしご応募下さい!

ある晩のキャンプ地からの風景

ある晩のキャンプ地からの風景。これでも確か午後11時近かった。

水上サバイバル訓練

先日、NASAのNBL(Neutral Buoyancy Laboratory;船外活動のための水中訓練を行う巨大プール施設)でSTS-124クルーの水上サバイバル訓練を行いました。これは、スペースシャトルから緊急脱出して水上に降りなくてはならない場合に備え、脱出方法、着水後のサバイバル装備等の操作などを学ぶものです。

実はこの訓練、ASCAN訓練(宇宙飛行士候補者訓練)でも行ったのですが、当時なかなかうまくできなかったことも今回はコツを覚えて思ったより簡単にできたりしました。実際に使わなくて済むのが一番ですが、万一の場合に備えてどうすればいいかを学ぶことも大事ですね。

着水後、簡易救命艇に乗り、無線で連絡を取る。
着水後、簡易救命艇に乗り、無線で連絡を取る。

☆ハリケーンの影響もあり、エンデバー号が8月21日火曜お昼頃(日本時間22日(水)午前1時32分頃)に帰還予定。ちなみにSTS-118のコマンダーのスコット・ケリーはうちのコマンダーのマークと双子の兄弟。マークも帰りを心待ちにしています。

スコット・ケリーマーク・ケリー
スコット・ケリー(左)とマーク・ケリー(右)(提供:NASA)

☆みなさん、いろいろコメントありがとうございます。きむらまどかちゃん、「温暖化を騒ぐだけでなく、何を考えて、どうしなければならないか。」大事なことですね。一緒に考えて、行動して行きましょう。りえさん、古川さんは無事訓練を終え、先週ヒューストンに戻りました。お土産話、今度ぜひご紹介できればと思います。

初NBL訓練

前回サバイバル訓練を行ったNBLで、今回は初めての船外活動(Extravehicular Activity(EVA))訓練を行いました。

我々のフライトでは今の時点で3回のEVAが予定されていますが、そのうちの第1回目のEVA(EVA1)の訓練でした。僕自身は今回EVAをやりませんが、EVA1ではEVクルーが国際宇宙ステーションのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System(SSRMS))やスペースシャトルのロボットアーム(Payload Deployment Retrieval System(PDRS))と協調して作業にあたる場面がいくつかあるので、今回は同じNBL内にあるコントロールルームからEVクルーと交信したり、彼らの作業をカメラを通して見ていました。今後の訓練を通して、よりうまく彼らと作業していければと思います。

ロボットアームのワークステーションでカメラ操作中
ロボットアームのワークステーションでカメラ操作中

回転系

よく聞かれる質問に「あのぐるぐる回る訓練って、やるんですか?」っていうのがあります。

映画などで出てくる、「ぐるぐる回る」訓練 - 一つは回転椅子、もう一つは遠心加速器を皆さんイメージされます。

回転椅子は、実は今は訓練としてはやってなくて、NASDA飛行士候補者としての選抜試験でやったくらいです(一般にイメージされるほどは回転は早くないですが(笑))。

一方の遠心加速器(これはどちらかと言うと「ぶんぶん回す」、かな)ですが、ロシア星の街での訓練では乗りましたが、「NASAではもうやってませんよ」ってこれまでお答えしてました。

・・・先日、NASA訓練の一環として遠心加速器の訓練がありました。。。

すみません、間違ってましたっっ!(^^;
今回訓練が予定されるまで知らなかったのですが、実は初飛行前にスペースシャトルの打ち上げ時の加速度プロファイルを体験する訓練があります。

2回目以降の飛行時にはやらないのですが、ちゃんとメインエンジンの推力調整やら固体ロケットの分離やらメインエンジンカットオフ(Main Engine Cut Off:MECO)やらに合わせてGが変わりました。へー、こんな感じなのかぁ、と思いながら、手を動かしてみたり、字を書いてみたり。max3G程度だったのですが、頭を前後に動かしてみようと思ったら動きませんでしたっ(笑)。プロップ(ラグビーでスクラムの最前列にいるポジション)みたいに首鍛えなきゃ無理かなっっ(W杯がんばれ!日本代表)。

ということで、これまで「NASAではそんな訓練やっていない」とお答えしていた皆さん、失礼しました。改めて訂正させていただきますっっ!m(_ _)m

準備OK!
準備OK!

T38訓練

飛行士の訓練で皆さんよくご存知なのが、ジェット機の訓練。「宇宙飛行準備訓練」とされ、飛行士訓練の柱の一つです。
NASAでの訓練に使っている二人乗りのT38ジェット練習機は、それこそNASA飛行士の第1期生の頃から使ってます。
ミッションスペシャリストの場合、年間48時間の飛行時間要求があり(最初の200時間までは年間100時間)、ミッションにアサインされてもそれは変わりません。
ほとんどの場合は1機で飛行しますが、編隊飛行することもあります。
先日は、STS-124のメンツ(ケン・ハム、ロン・ギャラン、マイク・フォッサムと私)で、2機で編隊飛行しました。

IMGP6100.JPG
編隊飛行中。前の席にケン、後がマイク。ちなみにこちらは前がロン、後が私。

空に上がってしまえば後に座る我々ミッションスペシャリストも操縦しますし、通信や航法も担当します。
何かあった場合には、二人で分担しながら、対処します。
通信や正確な操作のほか、このあたりのチームワークや状況把握、リアルタイムでの決断力などを培うのに、T38訓練がベストなんですね。
正に、宇宙飛行準備のための訓練です。

img070907_03.jpg
こんな感じで飛行してます。

ばーちゃる・りありてぃー

今回のミッションでEVA(船外活動)とSSRMS(国際宇宙ステーションのロボットアーム)、SRMS(スペースシャトルのロボットアーム)の協調が必要な場面があることは以前お伝えしました。それぞれの訓練はそれぞれの訓練設備で行いますが(例えばEVAだったらNBL、ロボットアームだったらDynamic System Trainer (DST)などのシミュレータ、など)、なかなか協調作業を訓練するのは難しい。NBLでも動くロボットアームはありますが、設備側の制約で実際のロボットアームとは違ったりします。

特にお互いの交信と動きを把握して協力して作業をしなくてはならないケースの訓練で活躍するのが、ばーちゃる・りありてぃー(Virtual Reality(VR))です。

今回はEVクルーがヘッドマウントディスプレイを被り、コンピュータが作った仮想現実の世界でハンドレールを「掴み」ながら、どういう風に作業場所が見えるかなどを確認しつつ、ロボットアームのオペレータと交信して指示を出しました。アームのオペレータはEVクルーの指示に基づき、自分の前にあるカメラ画面で周りの構造物との距離などを確認しつつ、アームを動かします。


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ヘッドマウントディスプレイを被って訓練するマイク。


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奥にEVクルー、左にSRMSオペレータのカレン。手前にはIV(Intervehicular;船内でEVクルーに指示を出す役割)のケンと、全体を見ているコマンダーのマーク。写真の更に右にはSSRMS操作卓がある。


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SSRMS操作卓。今回の訓練に参加できなかったISS側の飛行士に代わり、1Jミッションのロボティクス運用をサポートしてくれる山崎飛行士(左)がサポートしてくれた。


正直、VRが訓練として注目され始めた頃は「こんなん、訓練で使えるんか??」と思ってましたが(笑)、今やこういう訓練に欠かせない設備になりました。それぞれの訓練設備の長所短所を補いつつ、訓練は今後も続きます。

1J地上管制官集結!

STS-124/1Jミッションまで8ヶ月を切り、我々の訓練もペースが上がってきました。そんな中、「きぼう」船内実験室の組立・起動の中心となる、NASAとJAXAの地上管制官(フライトコントローラ)がヒューストンに集結。Joint Operations Panel(JOP)と呼ばれるこの会議、JAXAの東覚フライトディレクタ(FD;ポジション名では”J-Flight”と呼ぶ)とNASAのハズブルックISS FD(”Houston Flight”と呼ぶ)の二人の1Jリードフライトディレクタを初め、各地上管制ポジションの1Jリード(1Jに関しそれぞれの担当システムを代表する管制官)が一同に会し、ミッションに向けて技術的な調整を行いました。1JのJOPとして集まるのは今回で4回目ですが、Japanese JOP(JJOP)として会議が始まってから16回目となります(ほかに月1回ペースで電話会議もしてます)。年に2回は集まっていたから、単純計算で実に8年!!ほんと、頭が下がりますm ( _ _ ) m。

この会議、実際にミッションに搭乗するクルーが決まってからは初参加となりましたが(前回は4月に日本で開催だったのでヒューストンで訓練中だった我々クルーは不参加)、クルーに係わる議題に関しては我々も出席し、訓練などを通じて思うところなど、意見を言わせてもらいました。僕は以前から参加させてもらってますが、NASAミッションコントロールセンタ(MCC)のCAPCOM(ISSとの交信担当)として一緒に仕事したNASAフライトコントローラも多い。これまでのJOPに比べても、かなり具体的な、細かな調整がなされたように感じました。いよいよ、って感じです。クルーからは見えない世界の調整もありますが、この準備があって初めてミッション成功につながる。日米を代表する彼らと共に、我々クルーも頑張らねば!

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JOPの様子。活発な議論が交わされます。

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JAXA東覚FDとNASAハズブルックFD。東覚FDと僕は同い年。


☆「きぼう」日本実験棟の運用の中心となる運用管制チーム(JAXA Flight Control Team: JFCT)の詳細については、こちらのページをぜひご覧ください!

舞台裏

リソグラフの写真撮影


??何の訓練??


実は、個人のリソグラフの写真撮影の風景です。

NASAの撮影スタジオでの撮影、さて、どんな写真が出来上がるか??
(素材に関してはご容赦下さい(笑))。

リソグラフの写真撮影
Suit Tech(オレンジ色の与圧服を着せてくれる担当)のジェフ(右)と、写真を撮ってくれたカメラマンのロバート。

リソグラフの写真撮影
ロバートは訓練などの記録撮影もしてくれて、長い付き合い。ジェフはSTS-124がSuit Techとしての初仕事で、僕を担当してくれる。訓練や打上の時もよろしく。

リソグラフの写真撮影
撮影を終えて。与圧服の下はこんな感じ(上半身は冷却下着)。

KSC

「きぼう」実機ハードウェアを見るために、KSC(NASAケネディ宇宙センター)に行ってきました。

これまでいろいろ訓練してきましたが、訓練で使うモックアップ(模型)はどうしても実機と微妙に違う部分があり(実物を二つ作れればいいのですが、そうも行かない)、実機を確認してそれを理解することによって実際の運用の仕方や手順を修正することができます。今回も非常に有意義でした。

現場では「きぼう」船内実験室船内保管室に関する準備作業中。来年の打ち上げに向けて、関係者が丹精込めて頑張ってます。ほかに、ヨーロッパの「コロンバス」モジュールも準備中。次のスペースシャトルミッション(STS-120)で打ち上げられる「ハーモニー」も、シャトルに積み込む準備がされていました。

僕らのフライトまで3つのフライトがありますが(それぞれ「ハーモニー」、「コロンバス」、「きぼう」船内保管室を打ち上げ)、これから先、射場は忙しいですね。「きぼう」に携わる現場の皆さんも大変だと思いますが、引き続き頑張ってください!!

KSCで打上げ準備中の「ハーモニー」と「きぼう」船内実験室
KSCで打上げ準備中の「ハーモニー」(左)と「きぼう」船内実験室(右)

風邪にご注意。

11月に入り、風邪の季節になりました。
風邪をひいて訓練を休むようなことになると、全体のスケジュールにも影響してくるので我々も注意しなくてはなりません。インフルエンザの予防接種も大事になります。

ということで、今回はCrew Medical Officer(CMO)であるMike Fossum飛行士と僕がほかのクルーに予防接種をしました!軌道上では何かあった場合CMOが注射を打つこともあるので、その練習も兼ねました。最初は説明を聞きながらおっかなびっくりでしたが、無事終了。僕の注射を受けるなんてみんな勇気あるなぁなんて言ってましたが、みんな「痛くなかったよ」と言ってくれたし、僕もMikeの注射が痛くなかった。まぁ、針が細かったっていうのもありますが(^^;

皆さんも風邪にご注意ください。

痛くないように打たなきゃ~。
痛くないように打たなきゃ~。

「かぐや」搭載ハイビジョンカメラによる「地球の出」の映像、きれいでしたねー。皆さんはもう見ましたか?

宇宙遊泳前の柔軟体操?

宇宙服の準備作業訓練

って、違います(^^;

これはスペースシャトルのエアロック内での準備作業の訓練。

打上の際はエアロックの「壁」に固定されている宇宙服を、広げてチェックします。

宇宙服の後にアクセスしようとしているので、足を持ち上げて届きやすいようにしているところ。

スピード違反取締り?

レーザ測距計の訓練を行う星出宇宙飛行士

・・・ではありません。

ISSとのランデブー時、僕の仕事の一つは手持ち型のレーザー測距計でISSとの相対距離と相対速度を測ること。

その訓練の一環として、JSC内のロケットとか、いろんなものとの距離を測ってました。

レーザ測距計の訓練を行う星出宇宙飛行士

☆おまけ:JSC内の見学用ホールで見つけましたっ。

NASAジョンソン宇宙センター(JSC)の見学用ホールにて

Integrated Sim

STS-122の打上が延びてしまいましたね。
みんながんばっていたのに残念でした。
でも、クルーも1月に向けて気持ちを切り替えています。

122の打上が延びたので、123124も影響あるんじゃないか?とご想像の皆さん。
打上日自体に影響は出ていませんが、思わぬ(?)ところで影響が出ました。
Integrated Simulation(日本語で言うと、統合訓練。軌道上のクルーと、地上のミッションコントロールセンターにいる管制官を含めた訓練。)という訓練を、当初は1月から行う予定だったのですが、それが前倒しになりました。

ということで、第1回のIntegrated Simは、シャトルがISSにドッキングするまでの訓練を行いました。そして第2回には「きぼう」船内実験室の起動を対象としたIntegrated Simを行い、ヒューストンや筑波にいる地上管制チームと協力して作業を進めました。本番もきっとこんな感じで進むんでしょうねー。

☆Merry X’mas!NASA宇宙飛行士室にもクリスマスツリーが。各ミッションのパッチで飾り付け。

NASA宇宙飛行士室のクリスマスツリー

あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。

おとそ気分も覚めやらぬ1月2日から、訓練開始。
(米国は元旦しか通常休みませんので、2日から仕事なんです)
ロボットアームの訓練のほか、夕方にはカメラの訓練。
通常のシミュレーションなどではコンピュータグラフィックスを使って訓練していますが、実際には太陽光の反射などにより、モニタに写ったカメラ画像は見えにくくなります。それを体感し、多少なりとも改善するためにどうすればいいか、ということを学ぶ訓練でした。実際にモックアップのある建物の中を真っ暗にし、強烈なライトを太陽に見立てて、いろいろな状況を作り出しました。
日頃と違う感じなので写真を、とも思いましたが、あまりに真っ暗なのでよく分かりませんでした(笑)。ご想像にお任せしますっ。

今年はいよいよ「きぼう」の打上・運用が始まります。
引き続き応援、よろしくお願いいたします!

打上後の作業

打上げから軌道投入までの訓練を行う星出宇宙飛行士らSTS-124クルー

こちらは打上・帰還用の与圧服を着た、右からMike Fossum飛行士、僕、そしてGreg Chamitoff飛行士の、ミッドデッキに座る3人の様子。 Gregは、STS-124で一緒に打ち上がり、そのままISSに滞在する予定。STS-123で土井さんと一緒に打ち上がりISSに滞在するGarrett Reisman飛行士と交代、GarrettはSTS-124で僕らと一緒に帰ってきます。

打上げの際はまさに人や貨物を打ち上げるためのロケットであるスペースシャトルも、打ち上がった後は生活するために「軌道上形態」に変わります(変えます)。今回は、打上から軌道投入までの作業を実施する訓練。

フライトデッキでは必要のない機器の電源を落としたり、カーゴベイ(貨物室)の扉を開けてラジエータを通して外に廃熱できるようにしたり、Kuバンドのアンテナを展開したり。ミッドデッキでも生活できる状況にするために、各種スイッチを操作したり、みんなが脱いだ与圧服を収納したり。パソコンのネットワークを接続したり、AV機器を設置したり。トイレや、食事を準備するギャレーを起動するのも大事!

CEIT(「きぼう」編)

1月にNASAケネディー宇宙センターで「きぼう」船内実験室およびロボットアームCEIT(Crew Equipment Interface Test)を行いました。船内・船外を問わず、クルーが触る部分について、実際のハードウェアを見て、これまで訓練等で見て来たことと実際のハードウェアの相違点や注意すべき点などを確認しました。

ケネディー宇宙センターの現場で「きぼう」の準備作業を進めている関係者の皆さんと一緒に。<br />
ケネディー宇宙センターの現場で「きぼう」の準備作業を進めている関係者の皆さんと一緒に。

☆H-IIAロケット14号機および「きずな」関係者の皆様、打上おめでとうございます!

日本人宇宙飛行士候補者募集発表!多数の方のご応募、お待ちしています。一緒にがんばりましょー!!

CEIT(スペースシャトル編)

前回、「きぼう」日本実験棟のCEITについてお話ししましたが、2月にはスペースシャトルのCEITをやりました。今回は断熱タイルやペイロードベイ内の確認のほか、フライトデッキやミッドデッキ、エアロックなど、作業する場所で実際のハードウェアやケーブルのラベルなどを確認し、必要であれば追加変更等を依頼しました。

「きぼう」船内実験室およびロボットアームについても、最終確認をさせてもらいました。翌週には船内実験室のハッチが閉じられ、僕らにとっては軌道上でハッチを開けるまでのしばしのお別れ(少なくとも船内は)。「じゃ、また軌道上で」と心の中で思いながら別れましたが、地上で製造・組立・検査・試験等の作業をされて来られた関係者の皆さんにとっては、かわいい我が子を送り出す気持ちだったのではないでしょうか・・・。大事にします。


船内実験室の中の様子。本当にきれいなモジュールです。


スペースシャトル「ディスカバリー」号実機の横で。


「ディスカバリー」内部、フライトデッキ後部。


???スペースシャトルからISSへと通ずるドッキング機構。

L-10日。

打ち上げが近づいてきました。ジョンソン宇宙センター内も、ミッションに向けて模様替え。

NASAジョンソン宇宙センター看板 NASAジョンソン宇宙センター看板
NASAジョンソン宇宙センターの入り口にある看板。打ち上げが近づいてきた、って感じですね。

NASAジョンソン宇宙センター

NASAジョンソン宇宙センター NASAジョンソン宇宙センター
モックアップのある設備にも、次のフライトのクルーの写真などを飾ってくれています。

☆担当する任務以外に、宇宙で何ができるかなぁと考えるのは楽しいですね。
スペースシャトルで持って行ける物は限られているので、仕事で使う工具とかを使って、工夫して何かできないかなぁと考えています。
そんなことするだけ自由な時間があるか、分かりませんけどね(笑)。
みなさんだったら、どんなことをしてみたいですか?

☆ふじもとさん:パッチに関する補足、ありがとうございました!

隔離。

いよいよ打ち上げ前の隔離に入ります。これは、不特定多数の方との接触を絶つことで、ミッション中に病気になることを予防するためです。

さて、ここまで多くの方々のお世話になってきました。運用管制チーム、インストラクター、ハードウェア現場の方々・・・あまりよく知られていませんが、ほかにもいろいろな役割の方がいます。一部ご紹介しましょう;

○クルーサポート:藤田さん。
ヒューストンから、STS-124/1Jミッションに関し、主にJAXA飛行士にかかわる技術的なことを日本側に連絡したり、調整したり。ちなみに僕も宇宙飛行士になる前にSTS-72ミッションの際、若田飛行士のクルーサポートを務めたんですよ!



○フライトサージャン:嶋田さん。
JAXA飛行士の健康管理を担当。特に今回のSTS-124では僕がCrew Medical Officer(簡単に言えば、保健係?)の一人なので、その訓練にも立ち会ってくれてサポートしてくれました。



○広報担当:田辺さん。
ミッションになると、各メディアも取材のためにジョンソン宇宙センターを訪れます。これまでも、そしてミッション中も、メディアとJAXA/NASAとの調整をしてくれます。



ほかにも数え切れないくらいの人たちがこのミッションを支えてくれています。引き続き、応援をよろしくお願いします!

では。

昔は海外に行くことすら大変だった。それが今や誰でも仕事やプライベートで行ける。おかげで個人の見聞が広がり、社会においても様々な分野で可能性が広がっている。

今、宇宙に行くのは宇宙飛行士を中心に一握りの人たちだけ。でも、誰もが自由に行き来できる時代が来たなら-更なる可能性が広がるんじゃないだろうか。

その第一歩として、国際宇宙ステーション、そして「きぼう」の建設を少しでも手伝えたならいいな-そんなこと考えてます。


では、いってきます。

星出彰彦

☆ミッション中はジャーナルの更新ができませんが、ミッションの情報はこちらでお楽しみください!

ミッション終了。

”つくば、ステーション、Space-to-Ground 1”...ようやく実際に「きぼう」の中から、直接つくばとの交信をすることができました。

この日が来るのを、多くの関係者が待ち望んでいました。

「きぼう」船内実験室の取り付け・起動、ロボットアームの初期展開・チェックアウト、船内保管室の移設・・・おかげさまで、全ての目的を無事、果たすことができました。

これは、開発・製造から訓練・運用まで、ほんとに多くの方の力によるものです。そして、何より皆さんの暖かい応援があったからこそ、ここまで来ることができたのだと思います。

本当にありがとうございました。

宇宙は、想像していた以上に不思議で、楽しいところでした。「きぼう」の窓から見た地球は、美しく儚いけど、同時に力強く見えました。

2週間はちょっと短かったです・・・今度はもう少し長く行きたいですね。皆さんにもぜひ、行ってきて欲しい!

STS-124/1Jミッションは無事終了しましたが、これはゴールではありません。日本の「家」を増築、稼動させ、今後さまざまな実験をするための新たなスタートです。

引き続き、応援よろしくお願いいたします。

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